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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
仮面ライダージオウ ディロードライドウォッチ編
  EP.EX04 2012:うしなわれたハジマリ

『この本によれば、常磐ソウゴ。彼は魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。凪風雅から語られたアナザーディロードの正体、それはこの世界でディロードの歴史を失った、この世界のディロード、水土ミヤビであった。雅は、アナザーディロード誕生の秘密を探るため時の砂漠へ。そして─もちろんそんな歴史、この世界には存在しません。』

“俺の名前は水土ミヤビ。城南大学付属高校に通う16歳。俺の世界一つだけ、不思議な都市伝説があります。その名前は新月の悪魔。何でも、6月の新月の夜に月に鏡を当てると悪魔が出現し、願い事を2つ叶えてくれるということです。しかし、月の見えない新月でどうやって月に鏡を向けるのか気になり俺は今日、実行します。しかし、俺の家は柔術、水土流の本家で現当主の龍道はとても厳格な性格なので慎重に行わなければなりません。”

─時代を駆け抜けた、平成仮面ライダー達。全ての力を集め、新たなレジェンドが始まる。祝え!真の王の誕生を!─

ミヤビは普段通りの学校生活を終え夜も0時になる手前、ミヤビは鏡を取り出し、準備していた。
「やはり、所詮は都市伝説。信用するだけ馬鹿馬鹿しい内容だよな。」
見えない新月に鏡を向けることなど、不可能であるため時刻は6月25日の0時になる。
「結局、噂も嘘だった。俺はどうして生きて…違う、動いているんだろう…俺はこれまで、どんなことを学んだんだろう…もう、限界だ…学校へ行ったって、机が無いくらいならまだマシな方だ。ゴミで汚されていたり、机の中が荒らされているよりは。休み時間だってそうだ。暴れることが出来ない図書室に逃げないと殴られる。だけど逃げると教科書やノートが捨てられたり、破かれていたりする。先生も、俺をストレス発散の道具としかみていない。親に相談しても、強くなれとしか言ってくれない。なんだ、俺が動いている理由なんて、無かったんだ。」
そして、朝がくる。
「ミヤビ、いつまで寝ているの?もう朝よ。」
ミヤビの母、藍音はミヤビの部屋の扉をノックする。しかし、反応がない。
「ミヤビ、入るよ。」
藍音は部屋に入り、ミヤビから布団を剥ぐ。すると、
「撲らないで!」
怯えながら縮こまっているミヤビを藍音は見つける。
「ミヤビ、何をしているの?」
「ごめんなさい許して下さいこれからもみんなのサンドバッグとして動き続けますだから命だけは奪わないでくださいごめんなさい…」
ミヤビは錯乱状態に陥っていた。
「お父さん、来て!ミヤビが!ミヤビの様子が!」
藍音はミヤビの父、龍道を呼ぶ。
「藍音、どういうことだ。」
「わからない。ミヤビが起きてくるのが遅いから起こしに来たら、こんな風に。」
「わかった。丁度この近くに精神科の病院がある。ミヤビを今日連れて行こう。藍音、学校に連絡を。」
「わかりました。」
藍音はミヤビの休みを学校に伝え、龍道と藍音はミヤビを車に乗せて、病院に向かった。

「お父さん、お母さん。これまで、ミヤビ君に何か変化はありましたか?」
「いえ、わかりません。」
「お父さん、ありがとうございます。結果からお話ししますと、ミヤビ君は対人恐怖症です。」
「そんな…」
「薬とかで、ミヤビを治せませんか?」
「落ち着いてください。今ミヤビ君に薬を使うのは極めて危険です。おそらく、薬を見ただけで、毒殺されると思ってしまいます。今は自宅療養を行って、お父さんお母さんのお二人で経過をお教えください。」
「わかりました。ありがとうございます。」
龍道達は自宅に帰る。
「藍音、俺、この道場を畳もうと思っているんだ。」
「お父さん、本気で言っているの?」
「俺達は、ミヤビに強く育ってほしいと思って育てた。だが、その結果が今だ。ミヤビには水土流を継ぐことは出来ない。それに、これからはミヤビのことで係がかかる。なら、ここで道場を畳んで、ミヤビの回復に専念する方がいいだろう。」
龍道達の生活は難が続いた。
「ミヤビ、ご飯出来たよ。大丈夫、ほら、食べても安全だから。」
藍音は一口ずつ食べて毒が無いことを証明する。ミヤビは藍音が出て行くことを確認すると、料理に手をつけ始める。そんな日々が始まる。誰かが毒味をしないとミヤビは食べようとしなかった。そして月日は流れて2019年6月3日になる。
「ミヤビ、ご飯出来たよ。」
藍音は扉を開ける。しかし、そこにミヤビはいなかった。
「お父さん、大変!ミヤビが!ミヤビがいないの!」
藍音は混乱した。

「やはり、そうなるか。」
「雅、どういうことだ?」
「ミヤビは、本当にこの世界での僕そのものだ。」
「雅とあいつは違う。雅は俺達の世界を救ってくれただろう。」
「それは、僕がディロードになれたからです。それに、僕が変われたのは、いろいろな世界を知れたからです。キノの旅を知って、まだ生きてみようと思えた。梨花達の奔走を見て、友達の大切さを取り戻せた。なのはとフェイトを見て、もう一度、誰かを信じてみようと思えた。だけど、ミヤビにはそれがなかった。だから、壊れるしかなかったんだ。桜井さん、これを見てください。これは、今僕が追っている怪人、アナザーディロードが誕生しない今日の新聞です。」
雅は侑斗に新聞の一面を見せる。そこには“23歳無職、観光客巻き込み自殺”と書かれていた。
「これは!?」
「ミヤビは、本来の歴史では今日、観光地で投身自殺をするはずだった。しかし、ミヤビはこの世界で存在出来ないディロードの力を手にしたことで、この世界は崩壊の危機を迎えています。とにかく、行きましょう。」
雅と侑斗はゼロライナーに乗る。

ミヤビは、観光地にある高層ビルの屋上にいた。
「もう…限界だ…怖い、何もかも。」
ミヤビは飛び降りようとする。すると、辺りの時間は停止し、ウールが現れる。
「本来にそれでいいの?」
「だ、だだだ、誰だ!」
ミヤビはウールに怯える。
「僕は君の味方さ。」
「ううう嘘だ!どうせ俺を騙して利用して、それで最後には捨てるんだろう!」
「君は、本当にそれでいいの?君はそれでいいのかもしれない。でも、君をこんな風にした奴らは、きっとそれを何とも思わずに新しい被害者を増やすだろう。それでいいのかい?」
「それは…」
「僕が君に悪と戦う力をあげる。君が正義のヒーローになるんだ。」
「俺が…俺が…俺がみんなを…守るんだ!」
ミヤビは決心する。
「その調子だ。」
“アナザーライド…”
ウールはアナザーディロードウォッチを起動させると驚く。
「どういうこと!?」
ウールが驚くのも無理がない。話は1時間ほど前に戻る。
「君に力をあげる。」
“ディロード!”
ウールは男性にアナザーディロードウォッチを入れる。
“ディロード!ジェノサイド…”
すると、男性は破裂し、アナザーディロードウォッチはウールの手に戻っていた。
「まさか、アナザーウォッチが人を選ぶなんて…」
ウールは様々な人を試し、ミヤビの前でアナザーディロードウォッチは完全覚醒したのだ。
「これを使えばいいんだな!」
ミヤビはウールからアナザーディロードウォッチを取る。すると、ミヤビは頭を抱える。
「…そうか…思い出した。俺は…変身!」
ミヤビはアナザーディロードウォッチを取り込む。
「歴史が変わって、今日から君が、仮面ライダーディロードだ!」
“ディロード!”
ミヤビはアナザーディロードに変身する。
「俺は、仮面ライダーディロードだったんだ!ずっと、前から…」
アナザーディロードは立ち去る。

「お邪魔します。」
雅は時の砂漠から帰還し、クジゴジ堂に入る。
「雅、どうだった?」
「やはりアナザーディロードの正体はこの世界の僕、水土ミヤビだった。」
ソウゴの質問に雅は答える。
「そんなことはわかっている。動機や襲う人間の傾向は判ったか?」
「初めてアナザーディロードと遭った時点で、大方の予想は出来ている。そうなると、事実上こちらは確実に後手に回る。」
「どういう意味だ?」
「ミヤビが襲う相手は、イジメの現行犯だ。」
ゲイツの質問に雅は答える。
「そんなの、探しきれないじゃん。」
「だから後手に回っているんだ。おそらくミヤビが戦おうとしている相手は学校内だけではなく、会社でのパワハラ、町中でのゆすり、差別、そういったもの全てだ。」
「つまり、この広い世の中、何処に現れてもおかしくない、というわけだね。」
ソウゴの言葉に雅は答え、ウォズがそれを纏める。
「だけど、ディロードのウォッチがないとアナザーディロードは倒せない。」
「わかったか?自分の所に戻るなんて細工をしないで、さっさと俺達にウォッチを渡せ。」
ソウゴとゲイツは言う。
「僕は細工なんてしていません。これは、ディロードの防衛システムがこのウォッチに宿っているだけです。」
「ディロード、もう一度俺達と戦え。今度こそ、認めさせてやる。」
「ゲイツ、俺も手伝うよ。」
ソウゴとゲイツは変身する。
「なんでわかってもらえないのだろう…」
【CHANGE RIDE-BUGGLE DRIVER-】
雅はディロードライバーをバグルドライバーに変える。
《DANGEROUS ZOMBIE!》
「グレードX、変身!」
《バグルアップ!danger danger!ジェノサイド!death the crisis! DANGEROUS ZOMBIE!ウォ~…》
雅はデンジャラスゾンビガシャットをバグルドライバーにセットし、仮面ライダーゲンム ゾンビゲーマー レベルXに変身する。
「仮面ライダーゲンム、レベルXの力を知っているかな?」
ゲンムはガシャコンブレイカーとガシャコンスパローを構える。
「ゲンム、ということはこれの出番だな。」
「ならこっちも!」
““ア~マ~タ~イム!レベルアップ!エグゼイ~ド!”ゲ!ン!ム!”
ジオウはエグゼイドアーマーを、ゲイツはゲンムアーマーを装備する。
「ジオウ、一気に片をつけるぞ!」
““フィニッシュタ~イム!エグゼイド!ゲンム!クリティカルタ~イムブレーク!”バースト!”
ジオウとゲンムは必殺技を発動し、それはゲンムに命中する。
「やったか!」
ゲイツは喜ぶが、次の瞬間ゲンムは何事も無かったかのように立ち上がる。
「効かないだと!?」
「ゾンビゲームのゾンビは不死と無限増殖がつきもの。そして、レベルXのゲンムは如何なるダメージも受け付けない。」
《GASHATT!KIMEWAZA! GIRIGIRI DANGEROUS CRITICAL FINISH!》
ゲンムはガシャコンブレイカーにギリギリチャンバラを、ガシャコンスパローにデンジャラスゾンビをセットし、一刀両断の刃でゲイツを、腐食性の矢の雨でジオウを攻撃し二人のアーマータイムを解除させる。
「こうなったら!」
ジオウはジオウⅡに、ゲイツはゲイツリバイブ疾風に変身する。
【CHANGE RIDE-GAMER DRIVER-】
雅はディロードライバーをゲーマドライバーに変える。
《GOD MAXIMUM MIGHT X!》
「グレードビリオン、変身。」
《MAXIMUM GASHATT!GACHAAN!不~め~つ~!最上級の神の才能!クロトダ~ン!クロトダ~ン!ゴッドマキシマ~ムX!》
雅はゲンム ゴッドマキシマムゲーマー レベルビリオンに変身する。
「ソウゴ君達は何も解っていない。ゴッドマイティノベルX、起動。」
ゲンムは新たなゲームを起動させる。すると、辺りは2000年の幻夢コーポレーションに変わる。
「マイティノベルXは、仮面ライダーエグゼイド、宝条先生の人生を綴るノベルゲーム。そしてこのゴッドマイティノベルXはもう一つの始まり、壇黎斗神の人生を綴るノベルゲーム。」
「黎斗って…あの王様のこと!?」
「王様?黎斗さんは神のはず。もしかして、エグゼイドの歴史がなくなったことで、黎斗神は、救われない人生を歩むことになったのか?とにかく、まずは始まりの第1ステージだ。今から選択肢が表示される。正しい答えを選べなければ、即刻バッドエンド。ソウゴ君達には死が待っている。それから、僕にダメージを与えることも不可能ですよ、ゲイツ君。」
ゲイツリバイブはゲンムを攻撃しているが、全てMissの判定になる。
「大人しく、あの魔王の人生を見るしかないか。」
“黎斗、お前にファンレターが届いている。”
正宗は黎斗に永夢から送られてきた手紙を渡す。その中には、永夢の考えたゲームを商品化してもらいたいという内容の文章と、永夢が考案したキャラクターが入っていた。そこで選択肢が現れる。
“僕の才能を侮辱するなんて。そうだ、こいつでバグスターウイルスの実験をしてやろう。” “世界には、もっといろいろなアイディアを持つ人がいるんだ。お礼に開発中のゲームをプレゼントしよう。” “その他”
「さあ、どれが答えか解りますか?」
「決まっている!人が人を実験の道具にするなんて間違っている!」
ジオウⅡは二番目の選択肢を選んだ。
to be continued.
次回、仮面ライダージオウ
「歴史が消えるというのは、こういうことだ。」
「君の髪はとても綺麗だ。」
「私が、美しき終末を与え、貴方を完成させてあげます。」
「どうなっている!?」
「その一部を、見せてあげます。」
次回『2019:いびつなひずみ』 
 

 
後書き
新カード紹介
バグルドライバー:ディロードライバーをバグルドライバーに変えて、仮面ライダーゲンム ゾンビゲーマーに変身するためのカード。 
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