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銀河帝国革命

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銀河労働者ソヴィエト結成

 
前書き
この話の主人公のモデルは、Haig氏主催のHOI2世論型AARの登場人物、「カール・ハンソン」です。詳しくは世論型AARで検索しよう! 

 
ヴァルハラ星系惑星オーディン……その美しい惑星はかつて、ゴールデンバウム王朝銀河帝国の首都星として栄華を極めていたが、その面影はすでになく、今やオーディンは大勢の人々の血で埋め尽くされていた……





帝国暦481年/宇宙歴790年、それは銀河帝国成立以来、史上最悪の飢饉から始まった。昨年、帝国領土内に同時多発的に発生した大規模自然災害と新型ウイルス災害によって、農産物の記録的な不作となった。その結果、帝国領土全土において大規模な食糧不足に陥り、人民は明日の食料を求め彷徨った。しかし、数少ない食料は貴族と一部の富豪によって独占されており、人民たちは家畜の飼料をごちそうとして食べなくてはならないほど、日に日に追い詰められていった。

帝国暦482年/宇宙歴791年1月22日、食糧危機改善の兆しが全く見えない中、一人の若者がオーディンの中心広場で「パンを寄越せ!」と叫びながらデモを始めた。参加者はみるみるうちに膨れ上がり、あっという間に数千人が集まった。
デモ隊の代表者たちは銀河帝国皇帝に、人民の窮乏を訴えるための請願をその場で決議、デモ隊は皇帝の住まう宮殿、新無憂宮(ノイエ・サンスーシ)に向かって行進を開始した。デモ隊は中心街に近づくにつれて数を増やしていき、最終的には10万人近くが参加したと言われている。

この報を受けた帝国宰相代理クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵は、軍隊の動員による鎮圧を決断、帝国皇帝フリードリヒ4世に提言し承諾されたことにより、軍の治安部隊を出動させた。
出動した治安部隊はデモ隊に対し、解散を指示するもデモ隊は拒否。これを受け治安部隊はデモ隊に対し発砲した。これが引き金となってデモ行進は暴動に発展し、最終的に数万の人民が犠牲となった。この虐殺劇は日曜日に起こった事から「血の日曜日事件」と呼ばれるようになり、銀河帝国皇帝への幻想は完全に打ち砕かれ、帝国全土に反帝国運動が広がるきっかけとなったのである……





血の日曜日事件の事件現場から数キロ離れたとあるビアホール。普段は人民の憩いの場として愛されているここでは現在、多数の労働者たちが集まっていた。

「このままでは俺達平民は皆餓死してしまう!」「このまま餓死するくらいなら武器を持って戦おう!」「バカを言うな!国家に逆らうのか!?」「勝てるわけないぞ!」「俺は死にたくない!」「だがこのままだと飢え死にだぞ!」

労働者たちが怒号を上げながら話し合っていると、山高帽を被った一人の男が壇上に上がった。

「同志達よ!静まれぇ!」
男が大声を張り上げると、労働者達の怒号はピタリと止んだ。
すると男は、話を続けた。

「同志達よ、聞いてほしい!現在、この帝国全土で大飢饉が広がり、我々人民は飢えに苦しんでいる。既に多くの人民が餓死し、辺境では疫病が広がっているという。
だが、神聖不可侵たる皇帝はこの国難に何も関心を示さず、国政を担っているリヒテンラーデ侯は困民救済に予算を回す余裕などないという。しかし!帝国の臣民たる我ら人民を救済しない政府に、いや皇帝に存在価値などあるだろうか!」
男は労働者たちに語り掛ける。

「そうだー!」「その通りだー!」「皇帝なんかいらねー!」「俺達に救済をー!」

「その通り!同志諸君、我々人民を救済しない皇帝に価値などありはしないのだ!人民は人民自らが動かなければ救済の道はない!何故なら帝国は、我等を都合の良い奴隷としか見てないことが、今回の大飢饉で判明したからだ!血の日曜日を思い出せ!パンを寄越せという我等の願いに対し、奴らは虐殺で応じたのだ!」

「俺の母ちゃんは彼奴らに殺されたんだ!」「奴等に報いを!」

男は続ける。
「我々は帝国の奴隷ではない!我々は帝国の臣民ではない!我々は皆、人民であり、人民の上に何者も存在しないのだ!故に、我々人民は、帝国の傲慢な貴族共と皇帝から権力を取り返さなくてはならない!」

「その通りだ!」「人民万歳!」

「同志諸君!そこで、私は今ここに、真の人民の代表者たちによる評議会、【ソヴィエト】の結成を提案する!」

「「「異議なし!!!」」」

帝国暦482年/宇宙歴791年1月29日、この会議によってオーディンの労働者代表者組織、【銀河労働者代表ソヴィエト】が結成された。そしてソヴィエトの代表である議長には、提案者である男が選出された。
その男の名はカール・ハンソンといった。そしてカール・ハンソン議長の指導の下、銀河労働者代表ソヴィエトは瞬く間に勢力を拡大していくことになる。

この出来事が後に銀河全土を揺るがすことになるとは誰も思わないだろう。たった一人を除いて……

 
 

 
後書き
この話は勢いで書いてるので完全不定期更新です。続くかどうかも分かりません。 
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