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オズのハンク

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第十幕その七

「ラー神はセト神とトト神を護衛にさせていたとか」
「空の船に乗り旅をする時だな」
「その時に大蛇と戦うのでしたね」
「アピスというな、その時に彼等が私を助けてくれるのだ」
「外の世界ではそうですね」
「古代エジプトではな」
 実際にそうだというのです。
「そうしてくれていた、彼等は」
「実際にそうなのですね」
「彼等は私の忠実なる戦士達でもあるのだよ」
「それぞれが司るものを持たれたうえで」
「そのうえでだよ」
 こうクッキーにお話するのでした。
「私を助けてもくれていたのだ」
「ではトト神は戦いの神でもあり」
 学問の神でもあってというのです。
「そうしてなんですね」
「そうだ、私の補佐役でもあるのだ」
「セト神と共に」
「彼から聞いているな、セト神は悪い話もあるが」
 それでもというのです。
「善神としてもだ」
「有名なのですね」
「そうだ、そしてオズの国ではな」
「完全な善神ですね」
「そのことをわかってな」
 そのうえでというのです。
「彼と話してくれて何よりだ」
「そうなのですね」
「人望もあるしな、トト神とは親友同士でだ」
 セト神自身が言う様にです。
「アヌビス神とも親しいのだ」
「そうなのですね」
「このピラミッドの中でも頼もしく思われているしな」
「何か外の世界では悪役に言われてますけれど」
 カルロスがここで言いました。
「ゲームとかで」
「あれはあくまで悪い一面だけをだ」
「見てのことですか」
「外の世界のな」
「そういうことなんですね」
「確かに悪い一面だけを言うと」
 恵梨香もここで言いました。
「物凄く悪い人にもなりますし」
「神様も同じですね」
 ナターシャも言います。
「北欧のオーディン神なんか」
「あの神様よく嘘吐くしね」
 ジョージがそのオーディン神のお話をしました。
「人がいがみ合うの好きだし」
「結構酷いこともしてるし」
 神宝もオーディン神のお話に乗りました。
「そこだけを見れば」
「オズの国には北欧の神々もいるが」
 ラー神も言います。
「彼等も同じだな」
「そうだね、オーディン神だけでなくロキ神もね」
 ハンクはこの神様のお話をしました。
「悪い一面だけを言うと」
「とてつもない邪神になるな」
「実際そう思われてもいるね」
「この世界では北欧の神々の中では炎と知恵の神だ」
 それがオズの国のロキ神だというのです。
「非常に悪戯が好きだがな」
「それでもだね」
「あの神も悪い神ではない」
「そうなんだね」
「だから会ってもだ」
「困ることはないんだね」
「彼もまた面白い神だ」
 そのロキ神もというのです。
「会う機会があれば楽しみにしていることだ」
「ではそうさせてもらうね」
「それではな」
「何かですね」
 カルロスはここでしみじみとした口調になって言いました。 
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