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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十四話 予感その十

「あの話のことは」
「そして二・二六事件の時も」
「雪でしたね」
「東京の雪の時はです」
「何かが起こりますね」
「常にそうではないですが」
「雪が降る時にあることが多いですね」
「それが東京でして、そして」
 畑中さんは僕にさらに話してくれた。
「東京だけでなくことには雪が降るものとです」
「その様にですか」
「私は思います」
「そうですか」
「冬に何かあれば」
 その時はというのだ。
「雪が降るものです」
「絵にもなりますしね」
「左様ですね、では雪の降る時に」
「その時にですね」
「止様が戻られるので」
 それでというのだ。
「その時までお待ちを」
「わかりました」
「正義が遂に来ます」
 その雪が降る時にというのだ。
「そうなりますので」
「待たせてもらいます」
「その様に」
「ですね、ただ本当にそうしたお話をしていると」
 そうするとだった、僕は周りの空気を感じて畑中さんにお話した。
「寒くなってきましたね」
「そうですね、確かに」
「急に冷えてきました」
「実は私もタキシードの下は」
 執事のその服の下はというのだ。
「さらに着ています」
「そうされていますか」
「薄着は基本しないです」
「そうなんですね」
「鍛錬の時は道着と袴ですが」 
 剣道のその恰好だ。
「ですが」
「冬は薄着にはですか」
「なりません、実は夏も」
 この時もタキシードだったけれどというのだ。
「薄い生地でシャツも」
「涼しいものですか」
「それにしていました」
「そうだったんですね」
「タキシードは絶対です」
 畑中さんにとってというのだ。
「まさに」
「制服ですね」
「言うならば」
「だからですね」
「夏でもタキシードですが」
「生地は薄いものですか」
「帝国海軍の軍服の様に」
 ここでこの軍隊の名前が出た、今回の文化祭では残念ながらその名前は殆ど出なかったけれど八条家は今の海上自衛隊も含めて縁が深かった。
「士官の服はそうでしたので」
「そういえば日露戦争の時の」
「黒い詰襟の軍服です」
「あれは夏は生地が薄かったですね」
「それで涼を取っていました」
「そうでしたね」
「そして私もです」
 その海軍士官の人達の様にというのだ。
「夏はです」
「生地は薄いですか」
「それに私の仕事は大抵は室内で」
「クーラーが効いている場所なので」
「逆に半袖ですと冷えやすいのです」
「だからですか」
「生地が薄くても長袖で」
 こちらの服でというのだ。
「タキシードもです」
「着ていますか」
「そうしています」
「そうした事情もあるんですね」
「はい」 
 こう僕に答えてくれた。 
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