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緋弾のアリア ―瑠璃神に愛されし武偵―

作者:アキナ
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Extra_Edition
  理子のとあるいちにち

 
前書き
結局遅刻組。
だが断念するよりマシだ。 

 
2010年3月31日(水曜日)
年度末の1日とも言えるこの日。
今日はあたし、峰・理子・リュパン4世の誕生日である。
誕生日といえど、ぶっちゃけ何時もとは変わらない。
凪優を始めとするイ・ウーメンバーから誕生日パーティーを開催してくれるのが毎年の恒例となっている。
凪優達はあたしには内緒で準備を進めているのだろうが、こういう系を催す側が多いあたしにとっては大体の推測がついてしまう。
だが、知っている事を明かすほどあたしも野暮ではない。
知らないという体を貫き通すのが最善といえるだろう。
まぁ、あたしと同室の凪優はそれもお見通しだろうが。

話を戻す。
現在時刻は4時。
何時もだったら学校も春休み真っ只中なので爆睡中な時間である。
だが、今日はそうもいかない。
何時もは凪優が皆の朝食をリサと葵と瑞穂《《さん》》と共に作る。
しかし、凪優は昨日から夜通しの任務に出掛けていて不在なのだ。
なのでその代役としてあたしが登板というわけだ。
着替え等を済ませ、あたしは厨房に向かう。

「あ、おはよー理子。今日は代わってくれてありがとね」

その途中で任務が終わって朝帰りな凪優と会う。
余程ハードな任務だったのだろう。
凪優は結構フラフラだった。

「うん。おはよ、なゆなゆ。別に気にしないで。部屋の鍵開いてるし早く休んだら?」
「うん…………そーする……………」

受け答えも何時もとは違い虚な感じがした。

「これ、ヤバいよね………………?!」

そう判断したあたしは手刀で凪優を気絶させた。
そしてそのままお姫様抱っこで凪優を部屋のベッドまで運ぶことにした。
自室の凪優のベッドに運び終えたら凪優をパジャマに着替えさせる。
この途中でどさくさ紛れにセクハラしてやろうかと思ったが必死に堪えた。
起きた後の制裁は御免被るからだ。
あたしとて命は惜しいからな。
それにこの後チャンスは有るだろうしね。
凪優を寝かせた後、あたしは改めて厨房に向かった。

厨房でリサ達と合流し、共に皆の朝食を作る。
結衣の食べっぷりが凄いで済まされないので結構疲れた。
それを平然とやってのける凪優達は改めて凄いと感じた。
皆の朝食が終わってあたし達の朝食タイムである。
今日はこの後の予定まで余裕があったので比較的ゆっくり出来た。

朝食が終わったあたしはこの後は任務も武偵校の依頼も無いので部屋で書類仕事である。
自室に戻ったあたしは執務室に篭る。
そして机の後ろの棚から書類を取り出し、片付けていく。
あたしはこう見えてイ・ウー研鑽派におけるNo.2の位置付けにいる。
凪優の秘書位置でもあるのだがそれは置いておこう。
何が言いたいかっていうと・・・・・書類の量が多い。
予算編成の承認、新年度における新人育成指導要綱、任務における人員配置・・・・・
と、内容も多岐にわたる。
その上司の位置にいる凪優は更に書類の量は多いし文句は言えまいて。
ま・・・・文句を言っても書類が減るわけじゃないので頑張るとしよう。

あたしが頑張ってイ・ウー関連の書類を完了させ、休憩がてら一息ついていたその時だった。
コンコン。
執務室のドアがノックされた。

「どーぞ」

あたしはノックをした人物に執務室へ入るように促す。

「理子ちゃん、おはよう」
「あ、るーりん。どうしたのさ」

執務室へ入ってきた人物は武偵高の制服に身を包んだ凪優の相棒の瑠璃神こと、三嶋花梨だった。

「ちょっと理子ちゃんにお願いがあってさ」
「お願い?」
「うん。凪優のことなんだけど」
「なゆなゆの・・・・?」
「うん。凪優のさ、補助頼みたいなぁ・・・て思ってさ」
「あーそっか。この後、るーりん依頼入ってたっけ」
「そうなの。理子ちゃん予定空いていたしどうかなって」
「えっと、なゆなゆの朝のお風呂の補助だったよね」
「うん」
「理子のこの書類もなゆなゆ起きる頃には終わってるだろーし別にいいよ」
「ありがと。あ・・・私、もう時間だし行くね?」
「いってら~。怪我しないよーに頑張ってね~」
「うん。ありがとね」

花梨はあたしに凪優の入浴のお世話を頼み、退出した。
まさかのチャンスが到来だった。
凪優は低血圧で朝・・・・特に寝起きがかなり弱い。
その為、毎朝入浴して目を覚ますのだ。
しかし、その行為を凪優単体で行えた試しがない。
以前に凪優が一人で行った際は・・・・脱衣場で寝ていた。しかも全裸で。
これにはあたしを含め全員が「ファッ!?」と驚愕したものだ。
故にそれ以降、誰か(主に花梨)が補助をしている。

さて・・・現在の時刻は9:30。
凪優が起きてくるのは11:00頃。
あと1時間半か・・・・。
それまでに武偵高関連の書類終わらせないとね。
さて・・・気合入れて頑張りますか・・・・。
あたしは机に置いてある桃色の縁どりの伊達メガネをかけて再び書類作業を行った。

50分後。
気合入れて頑張ったお陰で書類仕事は完了した。
まさか・・・あたしが探偵科の主任生徒に任命されるとは思ってもみなかった。
主任生徒制度。
それは今回新設された制度である。
3年生の中から1名選ばれて教師と同等の権限を持つ・・・・・
らしいがぶっちゃけ「教師の雑用係」である。
それで、その主任生徒が発表されたのだが・・・・・

強襲科・情報科→水無瀬凪優
強襲科(副)→神崎・H・アリア
情報科(副)→ジャンヌ・ダルク
探偵科→峰・理子・リュパン4世
通信科→三嶋瑠樺
鑑識科→三嶋凛花
車輌科→武藤剛気
諜報科→ヒルダ・ツぺシュ
救護科→小夜鳴マキナ
装備科→機嬢
狙撃科→綾瀬悠季
衛生科→エル・ワトソン
SSR→星伽白雪
CVR→リーナ・ツぺシュ

物の見事に知り合いっばっかりだった。

「偶然って凄いよねぇ……………」

と遠い目になったのは此処だけの話である。
暫く机で寛いでいると、執務室のドアが開いた。

「りこ………………」
「なゆなゆ……………?どうしたの?」

執務室に入ってきたのは眠りから覚めたばかりの凪優だった。
その証拠に語彙力も低下しきっている。

「おふろ……………」
「あー、うん。解った行こっか」
「うん………………」

その後、まさかと思いあたしは凪優の方を見た。
案の定、凪優はそのまま眠りについていた。

「ファッ!?」

まさか此処で力尽きるとは思っていなかった。
想定外の出来事で驚愕の声が出てしまった。
仕方ないので、髪の毛の操作で凪優をお風呂に連れていくことにした。
その際、セクハラを忘れずに行い個人的に堪能するあたしである。

大浴場に到着し、脱衣場で凪優の脱衣を行う。
堪能も忘れずに行うのは言わずもがなである。
凪優を一人で入浴させるのも不安だ。
それに丁度汗を流したかったのであたしも一緒に入浴することにする。

入浴中に凪優を堪能していたら途中で凪優の意識覚醒。
そして制裁を受けたのはお約束なあたしであった。
詳細を書きたいが全年齢版では無くなるので割愛しておこう。

入浴後はあたしと凪優で昼食を摂る。
昼食後はお出掛けだ。
メンバーはあたし、凪優、麒麟、あかりの四人である。
此処最近はこのメンバーで出掛ける頻度はかなり高い。
何故かは知らないがこのメンバーで行くのが一番楽しいのだ。
無論、他のメンバーと行くのも楽しいのだけれども。

居住区からあたしは凪優と二人乗りで今回の目的地である渋谷に向かう。
あたしの愛車であったベスパは後輩に譲るつもりでいる。
その為、今日はあたしの新しいバイクを見に行こうと思っている。
何と料金は一括で凪優が払ってくれるみたいだ。
凪優曰く、「誕生日プレゼント」らしいので有り難く頂戴しておこう。
途中、勝鬨であかりと麒麟と合流する。
あかりも凪優と同じく大型のオートバイを乗りこなしている。
それでまだ乗ってから1年経過していないんだから驚きである。

暫く、バイクで移動後、目的地であるモーターショップに到着した。
あたしは事前に目星を付けていたのですんなり決まった。
あたしが選んだのはイタリアのオートバイメーカーが発売している
『MV Agusta F4』
である。色も鮮やかな赤であるから気に入ったのだ。
お値段は2100000円程だったが凪優が一括で支払った。
この時、その光景をあたし達は誰も驚いていなかった。
つくづく「慣れって怖い」そう思う。

オートバイ購入後は渋谷でショッピングを楽しみまくった。
中でもあかりオススメのパンケーキはリピーターまっしぐらの美味しさだった。
その後、序でに麒麟のオートバイも購入した。
車種は『ヤマハ・YZF-R1(2009年式)』である。
支払いは…………凪優がシャーロック・ホームズ持ちにしていた。
凪優のそのえげつなさに戦慄したあたし達なのは余談である。


居住区に帰ると安定のあたしの(サプライズ)誕生日パーティーが催された。
同期や、武偵高の面々からプレゼントを貰い、あたしは涙が出ちゃうほど嬉しかった。
まぁ、ヒルダに関してはあまりのガチさにドン引きしたけども。

その後は安定のバンドタイムに突入したのでそれもおもいっきし楽しんだ。
数年前には憧れた存在だった今この瞬間にあたしはいる。
あの当時の環境は今でも正直思い出したくもない。
だが、あの環境だったから今のあたしがある。
だってもしもあの環境にあたしが居なかったらあたしは…………
あたしは凪優と出会えていなかった。
そして皆と出会えていなかった。
こんな風に楽しむこともなかっただろう。
だからそういう意味ではあの環境にも感謝はしている。
今のこの瞬間は終わってしまうけれど。

願わくば来年も……………その後ずっとこうして楽しい時間を送りたい。

これがあたし、峰・理子・リュパン4世の1番の願い。
ねぇ、カミサマこの願い叶えてくれたって良いよね…………?


Fin………
 
 

 
後書き
如何だったでしょうか。
もう書いててニヤケが止まんねぇわ。
本能の赴くままに書いた今回だ。
この話のメインヒロインが理子だし、主人公が理子の話は書きたかったんだよね。
モノローグとかは裏理子視点で書いてます。
そっちが楽だし()

此処で何気に新設定が出てますが、本編で触れるまでお待ちいただけると嬉しいの。
それではまた次回お会いしましょうなの。
ではでは。 
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