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メイド達の秘密

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第四章

「お話出来る限りで」
「その中で、ですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「お話してくれますか」
「お店の秘密事項やプライベートのこと以外で」
「どうしてもお話出来ないことはいいですが」 
 岳人もそこまでは聞かない。
「ですが」
「お話出来ることなら」
「お話してくれますか」
「わかりました」
 店長は岳人に確かな顔で答えた。
「ご主人様の言われるままに」
「このお店のメイドの娘達ですが」 
 岳人は店長にその彼の気になったことをそのま聞いた。
「背が高いですね」
「女の子にしてはですか」
「お店には一人は絶対に小柄な娘がいますよ」
 個人差、それの為だ。
「一五五以下の娘が」
「それがですね」
「このお店は低い娘でも一六〇位で大きい娘だと」
 そうした娘はというと。
「一七〇超えてますね」
「左様ですね」
「俺より大きい娘もいますよ」
 そうした娘までいるというのだ。
「日本人の女の子にしては大きいですね」
「顔立ちも日本人のものだと」
「これが背の高い人が多い北欧とかならわかりますよ」
 こうした地域から来た娘ならというのだ。
「ですがどの娘もアジア系ですね」
「当店は可愛く接客がしっかりしていれば国籍は問いません」
「そうですね、ですが」
「今は日本人の娘ばかりです」
「その割には大きい娘もいて」
 岳人はさらに話した。
「しかもです」
「さらにですね」
「はい、声も皆女の子にしては低いですね」
 このことも話した。
「妙に、しかも声の色も女の子のものには」
「思えないですか」
「声域でテノールの娘多いですね」
「男性の高音ですね」
「中にはバリトンの娘もいますよ」 
 男性の低音だ、それより低いとバスになる。
「そこまで声の低い女の子はいないというか」
「というか、とは」
「日本人の女の子は大抵です」
 岳人が自分の知識、色々と本を読んで得た知識から話した。
「日本語のせいか声域が高い娘が多いです」
「そう言われているのに」
「このお店の娘達は皆声域が低くて」
 テノールやバリトンの域でというのだ。
「声の色も女の子のものでない、それに」
「胸ですか」
 店長はこのことは微笑み自分から言ってきた。
「そちらもですね」
「そのことは」
「いえ、実はです」
「実は?」
「当店はそうしたお店なのです」
 こう岳人に言うのだった。 
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