| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『零点の生き方』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

『祈り』



回避しようとするのに、頭の芯迄窮屈になったんじゃ何も考えらんない。

誰も何も詮索しないでって言ってんのに放っといてくんない。
それなのに知ったとしても誰も何もしてくんない。

だから言葉なんて無意味だって言ってんのに、裏切りに遭うだけ。

せっかく瘡蓋になりかけたとこが、みっともなく剥がれて血が垂れる。

そのうち瘡蓋にもならなくなって生傷まみれになった。
深い切り傷が拡がって、穴になって開いたまんま永遠に塞がらなくなった。

退屈だと思えるくらい、何も考えることなく暇な時間を過ごしてみたい。
平和だと思えるくらい、何事もない日常を過ごしてみたい。

そんな祈りを密かに抱いてた日は、遥か昔に在った筈だ。
ほんの一瞬だったけど、確かに祈った筈だ、心の底から...


 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧