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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十三話 一番凄い人その二

「もう作物も服もね」
「服、そうか」
 僕は言われて気付いた。
「木綿とか麻とかはね」
「ええ、茎とかみたいにね」
「食べてしまうね」
「蝗はね」
「それで服もだね」
「食べられて」
 それでというのだ。
「もう何もかもなくなるのよ」
「そんなのだったんだ」
「本土じゃ出ないわよね、蝗」
「そんな酷いのはね」 
 確かに農作物を食べる害虫だけれどだ。
「むしろ蝗を捕まえてね」
「食べるのね」
「佃煮とかにして」
 長野県ではそうして食べていたらしい、あと蜂の子も食べると聞いているけれどこれが美味しいとのことだ。
「食べるよ」
「そうした感じよね」
「本州とかじゃね」
「けれど北海道じゃね」
「蝗が出て」
「大変だったって話もあるのよ」
 僕にこの話もしてくれた。
「北海道は寒いけれど」
「やっぱり季節によっては虫が出て」
「そして蝗もなのよ」
「それも全部食い尽くすまでに大勢出るんだ」
「そうしたこともあったのよ」
「成程ね、しかし」 
 僕は香織さんの話に考える顔になって述べた。
「そうした話もあるんだね」
「そう、蝗もね」
「熊の話は知ってたけれどね」
 こちらの話はだ。
「北海道では」
「こっちは羆でしょ」
「熊は熊でもね」
「ツキノワグマも強いけれど」
 熊としては小型でもだ、襲われて大怪我をした話もある。
「あの熊まだ大人しいし」
「それに小さいしね」
 僕はこのことを言葉にも出した。
「だからだね」
「遥かにましだね」
「羆よりね、それで羆は大きくて」
「しかも凶暴だから」
「怖いのよ」
「それで開拓期には色々なお話があるね」
「羆嵐ってあるでしょ」
 北海道にはだ。
「あんまりにも大きくて冬眠する穴が見付からなくて」
「それで冬眠し損ねて」
「餓えと睡眠不足でおかしくなっている羆が出て来て」
「開拓村襲ってね」
「とんでもないことになったのよ」
「そうした話もあるね」
「文化祭でも紹介していたクラスあったわよね」
 この恐ろしい事件についてだ。
「あのお話北海道じゃ有名だから」
「誰でも知ってる様な」
「そんなね」
 そこまでのというのだ。
「お話なのよ」
「そうだったね」
「こうしたお話もあったしね」
「北海道は幕末、維新だとね」
「結構重要なのよね」
「そうした場所になってるね」
「そうよ、あと夏目漱石さんも」
 文豪として有名なこの人もというのだ。 
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