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オズのハンク

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第七幕その九

「是非ね」
「そうですか」
「そして味はね」
「味は、ですか」
「ビールの味はですか」
「そうよ」 
 こうも言うのでした。
「ビールの味も楽しむかい?」
「ビールの味っていうと」
 またボタンが言いました。
「どんなのかな」
「飲んだことはないのかい?」
「わかんなーーい」
 ボタンはハトホル女神にこう返しました、いつもの返事です。
「僕覚えてないよ」
「そうなんだね」
「うん、どうだったかな」
「じゃあ今から飲んでみるかい?」
「具体的にはどんな味なの?」
「苦いね」
 女神様はボタンに笑って答えました。
「はっきり言って」
「苦いの?」
「その苦さが美味いんだよ」
「苦いならいいよ」
 ボタンはあっさりと答えました。
「それならね」
「そう言うんだね」
「うん、だって僕苦いの苦手だから」
 それでというのです。
「いいよ」
「そうなんだね、嫌ならね」
 それならとです、女神様に気さくに応えて言いました。
「いいよ」
「そうなんだね」
「そういう奴は柘榴のジュースを飲むといいよ」
 こちらをというのです。
「それならね」
「それじゃあね」
「他の子もどっちでもね」
「好きなのを飲んでいいんだね」
「そうだよ」
 是非にというのです。
「お酒でもノンアルコールのビールでもね」
「柘榴のジュースでもね」
「飲んでいいよ」
 こう言うのでした。
「好きなのをね」
「じゃあ僕は柘榴のジュースにするよ」
「私もそちらにするわ」
 ポリクロームもこちらでした。
「苦いものは苦手だから」
「そうだよね」
「柘榴のジュースにするわ」
「じゃあ私もね」
「私もそちらに」
 トロットとクッキーもでした。
「させてもらいます」
「柘榴のジュースの甘酸っぱさがいいから」
「僕もそれにします」
「僕も柘榴のジューにします」
「僕もです」
「私もそちらにします」
「私もです」 
 カルロス達五人もでした、そしてです。
 ハンクはこう言いました。
「僕はアルコールのないビールにね」
「そっちにするんだね、あんたは」
「酔いたくはないけれど」
 それでもというのです。
「ビールの味自体は嫌いじゃないから」
「じゃあ桶に入れて出すね」
「あっ、有り難う」
「あんたが飲みやすい様にね」
「私はお酒のビールをいいかな」
 カエルマンはこちらでした。
「私は飲めるからね」
「だからだね」
「よかったらね」
「ははは、あたしに遠慮は無用だよ」
 女神様はカエルマンに豪快に笑って答えました。
「だからね」
「ビールをだね」
「柘榴のジュースもそうだけれど」
「ビールもだね」
「好きなだけね」
 それこそというのです。 
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