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とある星の力を使いし者

作者:wawa
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第4話

「以上が昨日の夕方に起こった事件ですの・・・・・・聞いてます?お姉様。」

白井は昨日のとある店で爆発事件が起きた詳細を美琴に教える。
美琴はそれを聞きながらいつもの自動販売機を蹴り出てくるジュースの缶を確かめる。

「聞いてるわよ・・・・うっ・・ハズレだ。
 確か連続爆破事件とか言うやつでしょ。」

「正確には連続虚空爆破(グラビトン)事件ですの。」

白井は腰を上げ美琴が持っている缶をコンっとつく。

「アルミを基点にして重力子(グラビトン)の数ではなく、速度を増加させそれを一気に周囲にまき散らす。
 要は「アルミを爆弾に変える」能力ですの。
 ぬいぐるみの中にスプーンを隠して破裂させたり、ごみ箱の中のアルミ缶を爆発させるといった手を使ってきますの。」

爆発の前兆があるのでまだ死人はでてませんがと白井は言う。
しかし未だに犯人の特定には至っていない。

「でもそれは能力者の犯行なんでしょ?
 だったら学園都市の「書庫」(バンク)にある全ての学生の能力データを当たって該当する能力を検索すれば容疑者は割り出せるんじゃないの?」

この学園都市には身体検査(システムスキャン)で測った能力の詳細やレベルなどを記録した「書庫」(バンク)と言う物がある。
美琴はそれを調べれば簡単に犯人を見つける事が出来るのでは?とジュースを飲みながら言う。
しかし、白井の顔はもっと難しい表情になる。

「妙なのはそこですの。
 「量子変速」(シンクロトロン)・・それも爆発に使用できる程強い力を持った能力者は釧路帷子(くしろかたびら)と言う生徒ただ一人。
 しかし事件の始まりは一週間前なのですけれど、彼女は八日前から原因不明の昏睡状態に陥っていますの。」

病院から出た形跡もなく釧路には犯行が不可能と考えられる。
白井は前回の身体検査(システムスキャン)後の短期間で急激に力をつけたのでは?と予想している。






頭に花をかたどった髪飾りをした女性は友達と待ち合わせをしていた。
彼女の名前は初春飾利。
白井と同い年で風紀委員(ジャッチメント)でもある。

「うーいはるーん♪」

自分の名前を呼ばれ振り返ろうとした時だった。

「おっはよーーーーーん!!」

その掛け声と同時に初春のスカートがバッとめくられる。
初春は叫び声と同時に素早くスカートを押える。
セミロングの黒髪に白梅の花を模した髪飾りをした女性は初春と同じ中学でありクラスメイトの佐天涙子。
挨拶代わりに初春のスカートをめくるセクハラ女子中学生である。

「男子のいる往来でこの暴挙!?
 何をしているんですか佐天さんは!!!!」

「クラスメートなのに敬語とは他人行儀だね。
 どれ距離を縮める為に親睦を深めてみようかね。」

そう言うとまた初春のスカートめくる。
まわりの男子は顔を赤くしながらも初春のパンツをしっかり見ていた。

「ごめん、ごめんちょっと調子に乗りすぎちゃった。」

あははと笑いながら謝る佐天。
それを見た限り全く反省していないようだ。
佐天は初春の機嫌を直してもらおうと初春が聞きたかった曲を聞かせてあげる。
それを聞いた初春は先ほどのやりとりをもう忘れたのか楽しそうに会話する。
佐天と初春は授業中に放課後セブンスミストと言う服屋に行く事になった。
放課後セブンスミストに向かっている途中初春は美琴の姿を見つけて声をかける。

「御坂さーーーーーん!!」

初春の呼びかけに美琴は初春の方に向く。
美琴と初春は白井を通じて知った仲だ。
美琴の愚痴を聞いたりと仲は良いようだ。

「おっすー、そっちはお友達?」

「これから一緒に洋服を見に・・・・」

初春は美琴も誘うとするが佐天が初春を連れて美琴から少し離れる。
そして美琴に聞こえない声で初春に話す。

「ちょっとあの人常盤台の制服着てんじゃない。
 知り合いなの?」

佐天は初春が常盤台の生徒に知り合いが居たことに驚いている。
初春は美琴の事をなぜ知っているか教える。

「ええと風紀委員(ジャッジメント)の方で間接的に・・・・」

美琴となぜ知り合った教えていると美琴の能力や異名について得意げに教える。

「しかもあの方はただのお嬢様じゃないんですよ。
 この人は「超能力者」(レベル5)!!」

「レベル5!?」

「それも学園都市最強の電撃使い(エレクトロマスター)あの「超電磁砲」(レールガン)の御坂美琴さんなのです!!!」

美琴の事を知った佐天は驚きの表情を隠せない。
初春は超電磁砲(レールガン)を生で見た、と佐天に自慢したらどんなのだった!?と佐天は初春に聞く。
美琴はこうやって噂は広まるんだなっと実感しながら傍観する。
佐天の自己紹介を受けて美琴もセブンスミストに行く事になった。
佐天は常盤台のお嬢様がセブンスミストのような、全国チェーン店に行くような所ではないと言うが美琴曰く常盤台の生徒は外出時に制服着用が義務付けられている。
その為服にこだわらない人が結構多いらしい。
初春は白井の事を美琴に聞く。
何でも白井は忙しいらしく一緒には行動していないらしい。

「でも超能力者(レベル5)かあ・・・すっごいな。」

佐天は美琴とは違いレベル0。
上条や麻生と同じ無能力者だ(厳密には二人とも能力は持っている)。

「幻想御手」(レベルアッパー)があったらなぁ~。」

佐天の独り言に初春が首をかしげる。

「え?・・何ですか、それ?」

「いや。あくまで噂だしあたしも知らないんだけど。
 あたし達の能力の強さ(レベル)を簡単に引き上げてくれる道具があるんだって、それが「幻想御手」(レベルアッパー)
 まぁネット上の都市伝説みたいなもんなんだけどさ。」

少し苦笑いを浮かべながら答える。
美琴はその事を聞いて短期間で急激に力をつけた能力者の犯行が増えていると言う白井の言葉を思い出す。

「幻想御手」(レベルアッパー)か・・・・・・まさかね。)

所詮は都市伝説だと割り切る。
そして彼女達が楽しく話をしている時に一人の眼鏡をかけた男の学生が横を通った。
その男は初春の風紀委員(ジャッジメント)のマークを見ると怪しく笑みを浮かべるのだった。
セブンスミストの中で三人は服を見て回りながら美琴の超電磁砲(レールガン)についてなど話しながら途中佐天が初春にひもパンを進めたりと楽しく店内を見て回る。
美琴はパジャマを見に来たと言いとりあえずパジャマのコーナーの所に行く。

「色々回ってるんだけどあんまいいのが置いてないのよね・・・・」

と呟きながらマネキンに着せてある花柄のパジャマを見る。
すると美琴はとても気に入ったのかぽか~んと見とれている。

「ね、ね、コレかわ・・・・」

美琴は二人にこのパジャマを教えようとした時だった。

「アハハ、見てよ初春このパジャマ。
 こんな子供っぽいのいまどき着る人いないっしょ。」

「小学生の時くらいまではこういうの着てましたけどね。」

と二人はこのパジャマについて感想を述べる。
美琴もそれを聞いたのか中学生になってこれはないわ、と表面上興味のない振りをする。
二人が水着のコーナーを見て回るといい美琴から少し離れる。

(いいんだモン。
 どうせパジャマなんか他人に見せる訳じゃないし!!)

そう思いながらマネキンが着ていたパジャマと同じ物を取る。

(初春さん達はむこうにいるし一瞬、姿見で合わせてみるだけなら。)

こっそりと全身鏡に近づきさっとパジャマと合わせようとした時だった。

「お前、何やっているんだ。
 動きが怪しすぎるぞ。」

その全身鏡には呆れた顔をした麻生も一緒にうつっていた。
麻生が後ろにいる事に美琴は驚く。

「な、な、何であんたがこんな所にいんのよ!?」

「俺だってこんな所には来ないよ。
 けど事情が事情だ。」

頭をかきながら答えると同時に洋服を持ってきた小さな女の子がやってきた。
遡る事一時間前。
麻生がいつも通り寮に帰っていると後ろから制服のズボンを小さく引っ張られる。
誰かと思い振り向くとそこには小さな女の子が涙を浮かべながら立っていた。

「何だ?」

「あ、あのね・・・此処に行きたいのに迷子になっちゃったの・・・」

ヒクッヒクッと涙を堪えながら言う。
女の子が持っているメモを見るとそこにはセブンスミストとその行き方が書かれたメモだった。

「おにーちゃん、此処に連れて行って。」

今すぐに泣き出しそうな顔で言う。
麻生は此処で見捨てたら面倒な事になりそうだなと思いセブンスミストまで案内してあげた。
セブンスミストに着くと泣き出しそうな女の子も顔も明るい笑顔に変わった。
麻生はそのまま帰ろうとしたが女の子が一緒についてきてほしいとお願いしたので一緒にいる。
この事を美琴に説明する。

「まぁそれはさておき・・昨日の再戦今ここで・・・・」

と今にも電撃を出しそうな雰囲気を出す。
麻生はそれを見て大きくため息を吐く。

「それも結構だがまずは周りを確認することだな。
 こんなに人がいる所ましてや子供の目の前で戦うつもりか?
 それでもやるって言うんなら俺は相手になるが。」

「うっ・・・」

それを指摘され黙り込む。
麻生は女の子に少し店内を見て回ってくるよ、と言って美琴から離れていく。
美琴は初春達に少し席を外すと言ってトイレに入る。

(我ながら見境ないな・・・・)

前の自分を思い出し少し反省する。
トイレから戻る途中階段でなぜかぬいぐるみを持っている男を見かけ少し疑問に思ったが初春達の所に戻る。
するとさっきまで一緒に居た筈の女の子が居なくなっていた。
美琴は疑問に思ったが初春の携帯が鳴り響く。
電話先は白井からのようだ。

「し、白井さん!?」

|風紀委員(ジャッジメント)の仕事を少しさぼっていたのでその言い訳を言おうとしたが白井がその言葉を遮る。

「例の虚空爆破(グラビトン)事件の続報ですの!!
 衛星が重力子(グラビトン)の爆発的加速を観測しましてよ!!」

「観測地点は!?」

「第七学区の洋服屋「セブンスミスト」ですの!!」

その店は初春達が今いる店だった。

「ラッキーです!!
 私、今ちょうどそこにいます!!」

そう白井に言うと白井は何か言おうとするが初春は携帯から耳を離す。
初春は美琴に避難誘導を手伝ってもらうようお願いし、佐天も避難するように言う。
初春と美琴の迅速な行動のおかげですぐにセブンスミストに居る人を避難させる事が出来た。
初春は白井が大きな声で何か言っているので携帯を耳につける。

「初春、今すぐそこを離れなさい!!!
 過去八件の事件の全てで風紀委員(ジャッジメント)は負傷していますの!!
 犯人の真の狙いは観測地点周辺にいる風紀委員(ジャッジメント)!!!
 今回のターゲットはあなたですのよ、初春!!!」

その白井の言葉と同時にさっきの女の子がカエルのぬいぐるみを持って初春に近づく。

「おねーちゃん、メガネをかけたおにーちゃんがおねーちゃんにわたしてって。」

そのぬいぐるみはさっき美琴が階段で男がもっていたぬいぐるみと同じだった。
そのぬいぐるみの中心がブンと音と同時に何かの小さい球体が出来る。
初春は子供が持っているぬいぐるみを手ではたき子供を守るように抱きしめる。

「逃げてください!!!
 あれが爆弾です!!!!」

その言葉と同時に小さい球体が大きくなり、やがてぬいぐるみを吸収していく。

超電磁砲(レールガン)で爆弾ごと吹き飛ばす!!!)

初春達を庇うように前に立つ美琴。
そして、ポケットからコインを取り出そうとするが焦ったのかコインを掴み損ねてしまう。

(マズった!!!!間に合・・・・)

そしてぬいぐるみが完全に球体に飲み込まれ爆発しかけた時だった。
突如その球体のまわりに四角い正方形が球体を包んだのだ。
そして球体は爆発することなく依然とその大きさを保っている。

「何がどうなって・・・・・」

美琴は目の前で起こっている事がよく分からないようだ。
すると後ろから足音が聞こえ振り向くとそこには麻生恭介が立っていた。
麻生は正方形で包まれた球体に近づきそれに掌をかざす。
すると包まれた球体は徐々に小さくなり最後にはパンッと音をたてて消滅した。 
 

 
後書き
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