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おぢばにおかえり

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第五十七話 卒業式その三十五

「行くけれどな」
「今日は参拝だけね」
「そうさせてもらうからな」
「わかったわ」
「大教会長さんの弟さんはおられるけれどな」
「喜朗さんね」
「ああ、あの人はおられるぞ」
 詰所におられる治良さんとは別の人です、教会の人は兄弟が多かったりしますが大教会長さんも同じで妹さんも何人かおられます。
「お会いするな」
「ええ、私あの人い子供の頃から可愛がってもらってるから」
 気のいいお兄さんといった人です。
「じゃあね」
「それじゃあな。しかし八尾市もな」
「どうしたの?」
「いや、最近変わったな」
 大教会のあるそこはというのです。
「随分とな」
「そうなのね」
「特に近鉄線の方がな」
「近鉄っていったら」
 それこそです。
「高安とか恩智とか」
「それに山本や八尾もな」
「そんなに変わったの」
「寂れたな」
 そうなったというのです。
「そんな感じがするな」
「そうなのね」
「千里はあまりそっちには行ってないな」
「大教会に行くのはいつも車だから」
 電車を使って行ったことはありません。
「だから駅の方にはね」
「そうだな、じゃあわからないな」
「それでもなのね」
「ああ、近鉄の方は錆びれてるな」
「山本とか八尾とか」
「恩智はまだましか」
「高安もなの?」
「けれど八尾になるとな」
 この駅の方はというのです。 
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