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レーヴァティン

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第百四十四話 リスボン掌握その五

「その王都はです」
「マドリードでか」
「港町の後は」
 その次はというのだ。
「そうしていきましょう」
「敵の王都も手中に収めたらな」
「かなり大きいので」
「港町から遡っていってか」
「攻めていきましょう」
 王都マドリードをというのだ。
「そうしていきましょう」
「ああ、それじゃあな」
「まずは港町です」
 連合王国のその諸都市をというのだ。
「今度は手中に収めていきましょう」
「セビーリャから攻め上がるだけじゃないか」
「最初は我々もそう考えていましたね」
「ああ、徐々にな」
「ですが」
 それでもとだ、源三はここで話した。
「思ったより連合王国水軍の復興がです」
「速いか」
「今入った情報によりますと」
「だからか」
「淳二君が連合王国各地に放った密偵からの報によりますと」
「速いか」
「水軍が復活しますと」
 連合王国のそれがというのだ。
「そうなりますと」
「湖の補給路を脅かされるからな」
「はい、ですから」
 その為にというのだ。
「それを防がなければなりません」
「だからだな」
「ここはです」
「港町を抑えていくか」
「主に軍港がある街を」
「リスボンもそうだしな」
「カルタヘナやバルセロナもです」 
 こういった都市もというのだ。
「ですから」
「よし、じゃあな」
「戦略の転換ですね」
「ここはな」
 久志は源三の言葉を聞いて頷いた、そうしてだった。
 戦略をここで転換してセビーリャから攻め上がるのではなく港町を占領しそれぞれの街からマドリードに兵を向けることにした。
 だがここでだ、久志は言った。
「あくまで主力はな」
「私達ね」
「ああ、セビーリャにいる俺達だよ」
 まさにとだ、久志は剛と芳直のそれぞれの軍勢の動きの報を聞いてからその報に満足してから双葉に答えた。
「やっぱりな」
「それは変わらないわね」
「他の方面軍は言うなら陽動でな」
「主力は何といっても」
「俺達だよ」
「そこは変わらないわね」
「ああ、そしてな」
 久志は双葉にさらに話した。
「淳二は剛と合流させて美奈代はセビーリャで留守番でな」
「水軍の方は」
「このまま芳直に任せてな」
 そうしてというのだ。
「後の面子でな」
「主力を率いてなのね」
「マドリードに向かおうな、十万でな」
「その十万が主力ね」
「港町の占領はまずそうした街を俺達の領地にして」
「敵の水軍の復興をさせない」
「それどころか逆にな」
 久志はさらに話した。
「俺達の水軍の艦艇を造らせるさ」
「敵の武器をこちらの武器にする」
「そうするさ」
「そういうことね」
「それが第一の目的でな」
 リスボンやカルタヘナ、そうした諸都市を手に入れることはというのだ。 
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