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神様の犬

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第二章

 どうかとだ、佐々岡は八雲に答えた。
「決めてないんだ」
「ではどうしてこの神社に」
「氏子の人がどうしてもって言うからね」
 それでというのだ。
「それでなんだ、私は犬は苦手だけれど」
「大人しいですよ」
 その柴犬を見てだ、八雲は佐々岡に話した。
「私達を見て尻尾を振っていますし」
「それはそうだけれどな」
「どうしてもですか」
「私は犬が苦手なんだよ」 
 こう言うのだった。
「本当に」
「だからですか」
「引き取りたくなかったけれど」
「ですが縁起には」
「いいか」
「そう思います」
 八雲はまた佐々岡に言った。
「うちで育てましょう」
「能登さんがそう言うなら」
 その可愛さ故にこの神社の看板娘にもなっている彼女の言葉ならとだ、佐々岡も頷いた。そして彼にしては嫌々であったが。
 ここで八雲は彼に問うた、その問うたことは何かというと。
「この子の名前と性別は」
「名前はハナで性別は雌だよ」
「そうですか、ハナちゃんですか」
「いい名前だね」
「はい、可愛い外見に似合って」
「可愛いかな」
「そう思います」
 実際にというのだ。
「本当に」
「私はやっぱりな」
「猫派だからですか」
「そうは思わないな」
 どうしてもというのだ。
「この子が可愛いか」
「人気者になりますよ」
「それでこの神社に来る人も増えるんだ」
「そうなりますよ」
「そうなるかな」 
 猫派で犬が苦手な佐々岡にはどうしてもそうは思えなかった、だが。
 八雲の言う通りだった、ハナが神社に来るとすぐに。
 彼女を見に人が来た、それで言うのだった。
「可愛いよな」
「そうだよな」
「人懐っこいし愛嬌もあるし」
「いい娘だな」
「いい犬よ」
「あれっ、実際に」
 佐々岡はその様子を見て驚きの声をあげた。
「人気が出たな」
「可愛くていい娘なので」
 八雲がここで彼に話した。
「それで、です」
「人気が出るんだな」
「そうです、あと」
「あと?」
「本当に縁起がいいので」
 八雲はここでまたこう言った。
「ですから」
「人が来るんだな」
「犬に神社は」
「狛犬か」
「はい」
 それになるからだというのだ。
「皆さん連想して」
「縁起がいいか」
「しかも幽霊とかにも強いですね」
「この子が来た時に言った通りにね」
「ですから余計に」
「縁起がよくてか」
「皆さん来ます」
「そうなんだね、猫もね」
 佐々岡はここで自分の好みの話をした。
「私としてはね」
「贔屓ですか」
「この神社でも飼ってるし」
 それは実際にというのだ。
「可愛いよね」
「猫ちゃんも可愛いですが」
「神社にはかな」
「ワンちゃんの方が」
 この生きものの方がとだ、八雲はまた話した。 
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