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オズのハンク

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第四幕その二

「そしてそこで早速だ」
「沐浴が出来るんだ」
「むしろ祭壇に入る前は必ずだ」
「沐浴をしないと駄目なんだ」
「そうして身体を清めてだ」
 そうしてというのです。
「祭壇で祈り等を捧げてくれ」
「アヌビスさんにもだね」
「そうしてくれると嬉しい」
 アヌビスにしてもというのです。
「ではだ」
「これからだね」
「存分に楽しんでくれ給え。尚沐浴の場は男女共にある」
 男性用も女性用もというのです。
「どちらの性別でも入られる」
「用意がいいね」
「オズの国では男女同権だからな」
「そういうことだね」
「では入るといい」
 こう言ってでした、そうしてでした。
 一行はピラミッドの中に入ってまずはアヌビスの祭壇で祈りを捧げることにしました。それで皆それぞれ沐浴をしましたが。
 カエルマンは沐浴を済ませや皆を見て目を瞠って言いました。
「皆随分とね」
「奇麗になったよね」
 ボタンがカエルマンに応えました。
「沐浴をして」
「うん、何か身体がね」
「すっかり奇麗になって」
「随分と清潔な感じになったよ」
「そうだよね」
「どうも沐浴の間に服も洗濯されたらしくて」
「アイロンもあてられてますね」
 クッキーはこのことを確認しました、自分の服を見て。
「どうやら」
「そうだね」
「ちょっとの間と思ったら」
「もうそのちょっとの間に」
「服まで奇麗にしてもらえるなんて」
「凄いですね」
「全てを奇麗にして神に祈りを捧げる」
 祭壇にいる神官さんのお一人が言ってきました、この人も古代エジプトの服を着ています。そして頭には鬘を被っています。
「それがピラミッドの決まりなので」
「それでだね」
「はい、皆様の服もです」
「沐浴をしている間にだね」
「洗濯をさせて頂いて」
 そしてというのです。
「クリーニングもです」
「しているんだね」
「左様です」
 こう答えるのでした。
「我々の手で」
「そうした場所なんだね」
「このピラミッドは」
「成程ね」
「それで貴方は鬘を被っているけれど」
 ポリクロームはこのことについて神官さんに尋ねました。
「どうしてなの?」
「はい、私といいますか古代エジプトではです」
 神官さんはポリクロームの質問に誠実な調子で答えました、
「人は髪の毛を剃ってです」
「鬘をなの」
「被っています」
「そうしてるのね」
「清潔さを意識して」
 それでというのです。
「髪の毛を剃っています」
「そうなのね」
「今はその必要はないですが」
 髪の毛を剃るそれはというのです。
「古代エジプトのならわしに従っています」
「そうなのね」
「昔は髪の毛を伸ばしているとね」
 どうしてもと言うベッツイでした。 
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