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魔法少女リリカルなのはANSUR~CrossfirE~

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Ep21執務官を目指して~to recieve training 4~

†††Sideフェイト†††

管理局入りを果たして数ヵ月。日本も夏という季節になった今日この頃、私とアルフはいつもどおりの執務官研修としてアースラに搭乗。そして今日はレクリエーションルームで、執務官になるための勉強中。

「あぅ~。難しい・・・。今日はクロノが一緒じゃないから余計に難しく感じる・・・」

執務官の試験は、管理局の役職の中でもトップクラスの難度を誇るとのことで、筆記も実技も合格率はなんと15%という話だ。何せ執務官は、事件の捜査や法の執行の権利、それに現場の人員の指揮といった管理職で、法務関係にも強くないといけないことで大変な役職なんだ。
クロノの師匠だったリーゼアリアとリーゼロッテから、私の能力がクロノに近いから執務官に向いてるかも、っていう助言から執務官を目指してるわけだけど・・・。本当に執務官になれるかちょっと不安。

「だ、大丈夫だよフェイト! 師匠だったリニスからも優秀だって褒められてたろ! 自信を持とう!」

アルフの応援に「そ、そうだよね! うんっ!」自分の両頬をペチンと1回叩いて気合を入れ直す。クロノから譲ってもらった当時使っていた資料を読み直して、解からないところをメモ。あとでクロノに聞いて学習する、という今日の勉強方法を再開。
管理局法を頭に叩き込まないと始まらないから、クロノ直伝の暗記方法で記憶に詰め込んでいく中、上着のポケットに入ってる携帯電話から「メール・・・?」の着信メロディが鳴った。携帯電話を取り出して、パカッと開いてメール受信画面を出す。

「・・・あ」

「どうしたんだい? ・・・おぅ」

メールを送ってきたのはシャルで、写真データも一緒に添付されてきたんだけど・・・。映っているのは困惑顔のルシルと、ルシルを背後から抱き締めるセレス執務官。どういうわけかセレス執務官は、ルシルへの過度なスキンシップをしちゃうことが多い。ルシルのことがその、気になってる私にとってそれは面白くない話で・・・。

「シャル、なんだって?」

「ルシルがセレス執務官にオとされることはないだろうけど、フェイトもアプローチを強めてかないと、いつかは誰かに後れを取っちゃうよ?・・・だって」

メールの内容を読み上げるとアルフは「あの女、フェイトの気持ちを知っておいてこんな真似・・・!」って怒りを露わにしたんだけど、私は怒りじゃなくて、悲しみでもなくて、羨ましさが胸のうちにあった。

(私には出来ないよ。人目を憚らずに抱きついたり頬ずりしたりなんて・・・)

恥ずかしいっていう感情があるうちは、きっと私はセレス執務官には勝てない。それを理解しているからこそ怒りなんて感情は湧いてこないんだ。だから私はシャルのメールに対して、「何とか頑張る・・・」って言葉だけの、実際に行動に移すことはない内容を返信した。

(はあ・・・ルシルに逢いたい、話したいな・・・)

そんなことを思いながらも勉強を再開しようとしたとき、またメールを受信したことを知らせるメロディが鳴った。シャルからの返信かもって思って見れば、「ルシル・・・!」からのメールだった。

――フェイト。今日も執務官資格の試験に向けて勉強していると聞いているよ。お疲れ様。気の利いた言葉を掛けられないが、頑張れ。別の世界に居ても俺は、フェイトを応援しているよ――

「ルシル・・・」

さっきまであった胸のモヤモヤが一瞬で晴れた。でもちょっとだけ寂しさが生まれた。夏休みに入ってから私たち海鳴組は、海鳴市の自宅に戻ることなく研修先の宿舎で寝泊りすることが多くなってきていた。だからルシルと顔を合わせることも少なくなるわけで。一応はモニター越しで通信したり、今みたいにメールのやり取りをしているけど、やっぱり触れられる距離で話をしたい。

「やったねフェイト! ルシルからの応援メッセージだよ!」

「え? あ、うん。すごく嬉しい」

でも私のためにメールをくれたことは素直に嬉しかった。ルシルの気持ちをしっかり受け止めるためにギュッと携帯電話を胸に抱えた後、「あ、そうだ、返信!」しないといけないから、メール作成画面を出して・・・手を止める。

「どうしたんだい?」

「どう返信しよう・・・。普通にありがとうでいいのかな? でもなんだか素っ気無いような・・・。だからって凝った文なんてすぐには思い浮かばないし・・・」

「そうだね~・・・。ルシルの奴なら普通の感謝の言葉だけでも十分だと思うけど。フェイトの素直な気持ちでも添えてみたら? シャルも、アプローチを強めてけ~みたいなことを送ってきたろ?」

「素直な気持ち? たとえば・・・?」

「え? う~~~~ん。あ、ルシルに逢いたいとか、ルシルの手料理を食べたいとか?」

「それってルシルへの感謝じゃなくて要望だよ!? なんか我儘ぽくて、嫌な子に思われたりしたら・・・」

ルシルもいろいろな部署への研修で大変だろうし疲れているだろうから、そこに私の私情でわざわざ逢いに来てって言うのも我儘だって思う。でもアルフの提案は私を魅了してくる。だってもう2週間も逢えてないんだし。

「(変に凝らずに・・・)ありがとう、ルシルも研修大変だろうけど頑張ってね・・・と。送信」

無難な内容で返信して、勉強を再開。何ページか暗記した頃、「お疲れ様、フェイト、アルフも。少し休憩してはどう?」私とアルフの側にやって来たのは、このアースラの艦長を務めるリンディ提督。私とアルフの分のフルーツジュースの注がれたマグカップをテーブルに置いてくれた。

「お疲れ様です、母さん。・・・いただきます」

「お疲れ~。いただきまーす!」

私がリンディ提督を“母さん”と呼ぶようになったのは春頃から。局の関係者やなのは達の家族を含めてのお花見で、私は予てからリンディ提督から誘われていた養子縁組を受けた。その翌日には名前はフェイト・テスタロッサから、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンになった。
リンディ提督――母さんは親子別姓でもいいと言ってくれていた。でも養子とは言えハラオウン家の一員になるから、フェイト・ハラオウンで良いって話を私はしたんだけど・・・

――そう。そう言ってもらえると、とっても嬉しいけれど・・・。ごめんなさい、やっぱりテスタロッサ姓は残しましょう――

――え、ですが・・・やっぱり別姓だと変に思われちゃうんじゃ・・・――

――いいえ。フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。これでどうかしら? テスタロッサをミドルネームにすれば、ほら、入るわ。それに、ルシリオン君も、ルシリオン・セインテスト・フォン・フライハイトって名前にしているし――

――確かに・・・――

そういうわけで、母さんの提案を受け入れた私は、フェイト・T・ハラオウンとして生きていくことになった。
マグカップを手に取ってジュースを飲んでいると、「ごめんなさいね。クロノ、もう少しで帰ると思うから」と母さんは謝った。普段はクロノと一緒に勉強してるけど、クロノは3日前から本局で行われる大切な試験に臨んでいる。

「いいえ。・・・でも、クロノすごいですよね。艦長試験なんて」

「本当は、そんなに焦らずに・・・というか、艦長を引き継がなくても良かったって思うの」

アルフとは反対側の席に座った母さんがテーブルに両肘を付いて、組んだ指の上にあごを置いて溜息ひとつ。アルフが「本当にアースラ降りるのか?」って母さんに聞いた。

「ええ。本局勤務に替えてもらおうと思って」

そう。クロノが突然艦長試験を受けたいって言い出したのは、母さんがアースラの艦長職から辞することになったからだ。その理由はやっぱり「私のため、ですか・・・?」って思う。だとすれば申し訳なさでいっぱいになる。そんな私の心情を察したのか母さんは私の頭を撫でた。

「キッカケはフェイトが娘になってくれたことだけど、そうしたいって思ったのはあくまで私の意志よ。あなたの母親になったんだもの。寂しい思いをさせたくないわ」

そう言って母さんは私の頭を自分の胸に引き寄せてギュッとしてくれた。私はその温かさと柔らかさと良い匂いで安心した。目を閉じて身を任せていると、「あらあら。アルフもやる?」って母さんが身じろぎした。

「あ、あたしはいいよ! その分、フェイトにやってあげておくれよ」

「じゃあ、私はアルフをギュッとしてあげる。おいで」

ちょっと体勢を変えた私が両手を広げてアルフを迎え入れる準備を終えると、「えっと、じゃあ・・・」アルフが私の前で両膝立ちしてくれたから、「いつもありがとう、アルフ」って頭を抱き締める。まだまだ子供な私だから母さんみたいに大きな胸じゃないけど、少しでも安心してくれたら嬉しい。

「あれれ。艦長どうしたんですか? ていうか、フェイトちゃんもアルフも」

そんなところにレクリエーションルームに入ってきたのは「エイミィ」だった。エイミィはクロノの補佐をする執務官補で、アースラの主任通信士でもある。あと、ひょっとしたら私の義姉ちゃんになるかも?しれない。

「親子のスキンシップよ♪」

「なるほど~。あ、艦長。クロノ君が戻ってくるそうで、アースラへの転送の許可を求めてます!」

「判ったわ、わざわざありがとう、エイミィ。転送を許可します」

「了解です。そいじゃ、パパッとトランスポートを起動っと!」

エイミィが手元に展開した空間キーボートのキーをいくつか打った後、「クロノ君? いつでもどうぞ!」って通信を繋げて、声だけの『了解した。これよりクロノ・ハラオウン、帰艦します』っていう声が私たちの間で流れた。

「さて。クロノも戻ってくることだし、私もブリッジに戻るわ。フェイトとアルフは・・・」

「あ、まだここで勉強を続けます」

「あたしもフェイトに付き合うよ」

執務官試験は1年に2回、9月と3月に行われる。今日は7月29日で、9月の試験まで1ヵ月半もない。執務官になるための勉強期間が短いっていうことで、9月の試験はパスすることになっている。私だってたった1、2ヵ月の勉強だけで合格できるなんて思ってないから、パスするのは当然だと思う。

「判ったわ。頑張ってね」

母さんは最後にもう1回わたしの頭を撫でて、レクリエーションルームを後にした。そしてエイミィは「あとでケーキを差し入れるね♪」ってウィンク。私とアルフは「ありがとう!」お礼を言って、レクリエーションルームから出て行くエイミィを見送った。

「エイミィの作るケーキ、あたし好きだから待ち遠しいよ」

「うん、そうだね。おやつの時間までまだまだ時間があるし、頑張って勉強しよう」

勉強を再開して、一旦法律関連から離れて指揮官資格の資料を読み始める。執務官は個人ごとにスタイルと言うものがあって、クロノみたいに最少人数(補佐はエイミィだけだから2人)で動いたり、補佐も付けずに単独だったり、数人の部下だったり、十数人や数十人と捜査官などを連れてチームで動いたり、本当にいろんなスタイルがあるけど、共通して必要なのが、現場の人員を動かせる指揮官資格だ。

(私は・・・補佐はどうしよう。アルフは居るけど、補佐と言う感じじゃないし・・・)

私の隣の席に座り直したアルフをチラッと見ると「ん?」って首を傾げた。そんなアルフに「ううん、なんでも!」首を横に振っていると、「フェイト、アルフ」声を掛けられた。

「クロノ、おかえり!」

「おかえり~」

「ああ、ただいま」

私たちを呼んだのはクロノだった。私がハラオウン家の養子になった今、私のお兄ちゃんになるだけど。以前、お兄ちゃんって呼んだら、こっちがビックリするくらいにうろたえて、今までどおりクロノ呼びでいいって言われた。

「(私もなんだか、ちょっと恥ずかしかったし、それでいいかなって思ったわけだけど)えっと、試験お疲れ様」

「おつ。で、試験はどうだった?」

「母さ――艦長に聞いていたとおり筆記はもちろん、実際に艦を動かす指揮実技もあったよ。まぁ普段から艦長の指揮を観ていたこともあって、自分なりに上手くいったんじゃないかと思っているよ。・・・っと、僕の事より君たちの方だ。今はどんな勉強をしているんだ?」

そう聞いてきたクロノに、指揮官資格の勉強をしていることを示すためにデータが映し出されているモニターを、クロノの前に移動させた。

「あぁ、指揮官資格か。じゃあ、今日はこのままソレの資格の勉強でいいか?」

「うん、お願いします!」

それから私は、クロノからのアドバイスを受けながら勉強に集中して、くぅ~、と自分のお腹が鳴ったことで「あぅ」顔を熱くなるのを自覚、ほぼ無意識にお腹に手を添えた。横に座るクロノをチラッと見ると、どうしてか小さく頷いてた。

「クロノ?」

「ん? どうした?」

「えっと、ちょっとお菓子休憩をとってもいい?」

「ああ、もちろんだとも。な?」

私の提案を受け入れてくれたクロノは、どうしてか私の後ろ(アルフの座る方)を除き見るように首を伸ばした。なんだろうって思って振り返ろうとしたとき、「え?」いきなり私の両目がアルフの両手に塞がれた。視界が真っ暗になったから、「アルフ? どうしたの?」って尋ねる。

「だ~れだ?」

「誰だ・・・って、アルフでしょ? もう、なんのつも――あ、もしかして・・・」

そこまで言いかけたところで、今の状況に思い当たることがあったことで、「エイミィ・・・?」って呼びかけてみた。後ろから手で目隠しして、だ~れだ?って問う遊び。誰って聞く人は実は、声の主とは別の人ってことがこの遊びの大事なところ。なら、誰が私の目を隠したって話だけど、大人の手じゃないからエイミィって答えてみた。

「正解は~・・・はい、振り向いて!」

私の目を覆っていた手が離れていったから、アルフに言われるままにクルっと体ごと後ろへ向けると、「え!?」想像もしていなかった人がそこに居た。さっきまでアルフと話していて、逢いたいって思ってた相手・・・。

「ルシル!? え!? なんでここに!? えええ!?」

私の目を隠していたのはルシルだったようで、ルシルの後ろにはニヤニヤと笑ってるアルフと、私たち人数分のショートケーキとミルクティーの注がれたカップの載ったトレイを持つエイミィの2人が居た。

「今日は海鳴市の家に帰る予定だったからな。アースラ経由でないと帰れないから、ここに居るわけだが。本当はフェイトの勉強の邪魔にならないように少し挨拶して帰ろうと思ったんだけど・・・」

「私が引き止めたの♪ どうせならみんなで一緒にお茶しない?って。あと、フェイトちゃんへのサプライズで、だ~れだ♪をルシルにやってもらったの」

テーブルに一旦トレイを置いて、私たちの前にケーキとティーカップのセットを置いてくれたエイミィがそう言った。私は「あ、ありがとう、エイミィ・・・!」ケーキのこともあるけど、ルシルを引き止めてくれたことにも感謝した。

「うん、どういたしまして! ほら、クロノ君も。クロノ君用の甘さ控えめケーキを作っておいたから」

「ああ、すまないな。ではフェイト。少し休もう」

「うんっ」

モニターを全部消してお菓子休憩の準備を整え終えたところで、アルフが席から立ち上がって「ほら。ルシルはフェイトの隣だよ」ルシルを私の右隣の椅子に座るように促して、ルシルの両方に手を置いて無理やりっぽく座らせた。アルフはそんなルシルの右隣に座った。私はそんなルシルをじーっと見ていたから、だから「どうした?」ってルシルが首を傾げた。

「ううん。えっと、久しぶり、だね」

「ん?・・・あぁ、直接逢うのは久しぶりか。ごめんな? なかなか時間が合わなかった」

「あ、ううん! 大丈夫! 確かにちょっと寂しくなって、逢いたいな~、話したいな~とか思ってたけど! でも、ルシルだっていろいろ忙しいのに逢いたいなんて我儘も言えないし! しかもセレス執務官がルシルをハグしてるのが嫌だな~って思ったり!」

「「とりあえず落ち着け、フェイト」」

ルシルとクロノからそう言われてハッとする。そんな私の様子に苦笑しているルシルは「そうか。じゃあ次からは、タイミングが合えば逢いに来るよ」って言ってくれて、すごく久しぶりに頭を撫でてくれた。

(気持ちいい・・・)

とても安心できて、その気持ちよさにまぶたが重くなってきた。目を閉じてルシルのナデナデを堪能。ルシルの手が離れるのが寂しいけど、今はお菓子休憩。エイミィの作ってくれたケーキや淹れてくれたミルクティーをいただこう。

「「「「「いただきます」」」」」

手を合わせて、フォークで一口サイズに切ってパクッと食べる。うん、いつもどおり「美味しい」ケーキだ。ルシルや、甘い物が苦手なクロノも「美味い」って満足しているし、アルフに至ってはたったの2口で食べ終えてた。

「美味かったぞ、エイミィ! おかわり!」

「あはは! ホールで焼いたから安心して食べてね~♪」

アルフの差し出したお皿を手に、エイミィがキッチンに向かったのを見送っていると、ルシルが「ところで、フェイト。勉強の方は順調か?」って聞いてきた。私は口に含んでいたケーキを飲み込んでから、「やっぱり難しいよ」って答えた。

「実技に関してはまだ甘いところはあるが、そこらの戦闘魔導師に比べれば格段に強い。海鳴組内での模擬戦によって力を付けているから、執務官としては合格点だろう。あとは筆記だが・・・。フェイトの言うように覚えることが多すぎる所為で苦戦しているようだ」

「そうか。何か手伝えたらいいんだが。勉強、しかも執務官資格となってくるとクロノが最も役立つだろうし」

「い、いいよ! ルシルだって忙しいんだし!」

わたわたとルシルに向かって突き出した手を振ると、ルシルは私越しにクロノを半目で見て「そうだな。どこぞの鬼畜執務官の所為でな」大きな溜息を吐いた。ルシルはクロノの指示で、本局や地上部隊のあらゆる部署へと研修として出向させられていて、私たちのように学校に通わなくていいから海鳴の地元に居る時間はかなり少ない。うん、すごく多忙だ。

「以前にも言ったかもしれないが、恥ずかしい話だが君ほどの戦力を遊ばせておくほど局に余裕はないんだ。申し訳ない話だがな」

「冗談だよ、クロノ。だがフェイト達も夏休みに入ったんだ、1週間くらいの連続休暇くらいあるんだんろ? 俺の休暇も合わせてくれると助かる」

「待て、ルシル。僕も艦長も1ヵ月以上ある夏休みの中で、たった1週間しか休みを取らせないなんて酷いことはしない。フェイト達がちゃんと学業を優先できるように調整しているんだ。もちろんルシルのスケジュールも調整しているから安心してくれ」

「あ、じゃあルシルも一緒に海に遊びに行けるんだ」

「やったじゃないか、フェイト!」

新しいケーキの載ったお皿を受け取って食べ始めていたアルフも喜んでくれた。はやて達八神家、アリサやすずかも一緒に海に遊びにいく予定で、ルシルのスケジュールだけが心配だったけど、うん、クロノが安心してくれって言うんなら大丈夫だ。

「よーし! やる気が漲ってきた! 勉強がんばる!」

残りのケーキやミルクティーを美味しくいただて、ルシルが見守ってくれている中で勉強を再開した。 
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