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宇宙海賊は世界最強

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4話

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 銀華サイド

 その後、あのバカに呼ばれて、訓練施設に来てるけども、来る直前に見聞色で集団リンチをしてる気配を感じとって、縮地で現場に急行したら、そこでは南雲が檜山たちにリンチに遭っていた。俺は彼らの肩を掴み、

「何をしてるんだ」

「ああ? 特訓だよ、と・っ・く・ん。南雲のためにな」

 俺の詰問にも、小物たちはゲスな笑みで応えてるあたりをみて、俺は此奴らは小物なんだなと理解する。

「そうか、お前らは小物なんだな」

 俺が容赦なく突きつけてくる。小物たちはあっ? と、冷たい声音を漏らしながら、俺の方に視線を向ける。

「聞こえなかったのかな。俺は君たちのことを小物なんだなと言ったんだ。理解できてる」

 俺は自分が言ったことに躊躇わずに言い切ってしまう。その結果、小物たちが神経逆撫でされてもだ。

 神経逆撫でされた檜山たちが俺にリンチされそうになったが、遅れてやって来た雫たちに萎縮し、身勝手な弁明を言ってからそそくさに退散する。

 南雲は白崎の治療を受けてるも、彼女は南雲にいつもされていたのか聞いてるも、南雲はそんなことは無いと言ってから笑顔で大丈夫と言った。

 その時にあのバカが忠告するも俺が

「くだらないな。天之河」

「魁?」

「なにが、くだらねえんだ。魁」

 天之河と坂上は俺が言ったことに食ってかかる。

「くだらねぇんだよ。戦いというのは情報というものが大きく左右する。何も知らずに戦って勝てるのは真の強者のみ。弱者が強者に勝ち、生き残るには情報を駆使して勝ち上がるものだ。そこを理解せず、ただ力のみで勝てると思ったら大間違いだ。何の策もなく、力もなければ、貴様の持論などただのゴミでしかない」

「なっ!?」

「だったら、お前は戦いというのを理解してるのか!?」

 龍太郎がさらに食ってかかってるな。

「俺は理解してるさ。テメエらと違ってな」

 そう言って、俺は訓練場に向かった。

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 訓練後、メルドさんが「明日から、実戦訓練の一環として『オルクス大迷宮』へ遠征に行く!」

 アァ~、餓鬼の遠足が始まるわけだ。

 面倒くせぇな。

 俺は呆れてしまうのだった。この先のことを考えてるからこそ、呆れてしまう。

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 七大迷宮の一つ、『オルクス大迷宮』に挑むため宿場町『ホルアド』に、メルドさんに率いる騎士団数名と共に到着した一行は、王国直営の宿屋に泊まっていた。

 明日から迷宮に挑戦する。俺は部屋の中で居眠りにしていた。どうせ、明日は呆れてるバカ共の実戦での人殺しを体験するんだ。ただ、言えることはあんなの作業するかのような気分になる。

 俺は馬車の移動の間、居眠りに敢行していた。

 寝るときに寝ておかないと後で後悔するからな。

 まあ、今回の目的階層は二十層まで、それ以上は今の俺たちでは無理だという話だ。

 そういや、南雲はかなり面目なく落ち込んでいたな。

 ホルアドで一日休息をとることになる。

 部屋に関しては南雲と同じ部屋を割り当てられた。

 粋な計らいだな。

 南雲も相手が俺だってことに納得して、現在、ベッドにダイブをしてバテてる様子。

 明日の実戦は彼奴らにとってみれば、初めて、命懸けの戦い。俺にとってみれば、数日ぶりだな。

 地球でもなにかと迷い込んでくる海賊共を返り討ちしていたけど――。

 雑魚ばっかりで感覚が鈍ってることはないけど、もっと強敵と戦いたいという衝動があるんだよな。

 すると――、

 コンコン

 部屋の外からノックする音が聞こえてくる。

 誰だ、こんな時間にノックする奴は・・・。

 此は、南雲も同じで彼もこんな時間に来訪者に来るのを不審がる。

「南雲くん、魁くん、起きてる? 私だけど・・・ちょっと、いいかな?」

 この声は・・・

「白崎か」

 紛れもなく白崎だな。

 何しに来たんだ? いや、彼女の目的は南雲だろうな。

 俺は来た目的を理解して、扉を開けるとそこには純白のネグリジェにカーディガンを羽織っただけの白崎が立っていた。

「・・・なんでやねん」

「白崎、この時間にその格好はアウトだ」

「えっ?」

 こんな時間帯にそんな格好してるのは間違いなくアウトだ。

 何処かで襲われても知らないぞ。

 とりあえず――、

「すまないが、俺はお邪魔のようだから。外で時間を潰してるよ」

「ちょっ!? 魁くん!?」

 南雲が俺を呼び止めようとしたが、俺はそれを無視して、部屋の外に出る。

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 銀華サイド

 部屋を出た俺は宿の中庭で片手で腕立て伏せをしてた。

 腕立て伏せは右で一万回。左で一万回。

 身体を鍛えることは今でも欠かさずにやってる。

 身体が鈍っていたから負けたでは洒落にならないからな。

 仲間を守るため、俺は力を付けないといけない。

 身体を鍛えてる最中、ふと、見聞色の覇気で気配を感じとった。

「いつから、そこにいるんだ・・・」

 俺は建物の物陰に隠れてる彼女に声をかける。

「・・・雫」

「ッ!?」

 建物の物陰からビクッと反応してる。

 可愛らしい反応するんだな。

「いつから、気づいてたの?」

 彼女は物陰から姿を現す。

 彼女からの問いに俺は

「ついさっきだ。それで何のよう?」

「用ってこともないけど、香織が急に部屋を出るから後を付けただけよ」

「白崎の後を追って、目的が南雲にあると理解し、俺が部屋の外に出たのを視てたから。俺の後を付けたというわけだな」

 俺は自分なりに推理したら、

「そうよ」

 雫は恥ずかしそうにテレテレしてる。

 可愛らしいな。

 俺は意外と強欲なところがある。

 欲しいものを妥協しない海賊なんてどこにもいないんだからな。

 俺は雫が欲しい。

 一人の女の子として俺の手中に収めたい。

 俺って意外と欲望がデカくて深ぇんだろうな。

「そろそろ、白崎も部屋に戻ってるんじゃないか?」

「そうかもしれないわね。それじゃあ、私は戻るけど、銀華はどうするの?」

「俺も戻って、明日に備えるよ」

 俺はそう言って、雫と一緒に部屋に戻ることにした。

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 次の日、『オルクス大迷宮』に入った俺たち。

 何故か、俺だけは単独で魔物を狩ってくれと言われた。大方、今までの訓練からそう判断したんだろう。

 まあ良い。一言だけ言えることがある。何奴も此奴も技能に頼りすぎだし。身体能力を頼りの戦い方をしていた。まあ良いけど、そういった力だけをぶちまける奴の方が余計に質が悪い。先のこと、場所や状況のことを考えないと話にならない。

 かという俺も見聞色の覇気で先の未来を視て、武装色の覇気の『流桜』を纏った石ころの投擲で魔物の脳天を撃ち抜いただけでことを済ませた。

 それを視ていたメルドさんが

「凄いな。彼だけは他の皆とは違う。つねに戦いに身を置いている雰囲気だ」

 呟いてた。

 俺はというと。魔物を倒して、目的物を回収してる合間も見聞色の覇気で周囲の気配を感じていた。どうやら、いないようだが、油断はしてならない。一瞬の緩みが命を落とすからな。俺は回収したあと、集団の後ろ側まで歩き、後ろから全体の様子を見ていた。

 俺としてはごっこ遊びで粋がってる餓鬼共を視ないといけないからな。

 それに目的の二十層に到達する。

 その道中で、あのバカが大技を使うというアホをしでかす。その所為でお叱りを受けてるようだがな。まあ、そんなのどうでもいいけど、白崎さん、南雲への視線を向けるのを止めてほしい。周りへの視線が此方に集中するから。

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 天之河の身勝手な行動によってお叱りを受ける結果になったあと、

「・・・・・・あれ、なにかな?」

 そう呟いた白崎が指さす方向に視線を転じると、そこには青白く発光してる宝石が壁に埋もれてた。メルドがグランツ鉱石といって、白崎がうっとりと見つめてた。チラリと南雲に視線を向ける銀華。

「だったら、俺が取ってきてやるよ!」

 檜山がそう言って、壁をよじ登っていく。メルドの制止も無視して、檜山が鉱石に振れそうになったとき、銀華は見聞色の覇気で未来を視た瞬間、思わず、舌打ちをしてしまうほどだった。

「団長! トラップです!」

 トラップを発見した団員が叫ぶも、檜山が鉱石に触れてしまった。その時、部屋全体に魔法陣が展開されてしまい、脱出ができずに、そのまま転移されてしまい、巨大な石造りの橋に転移されていた。

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 チッ!? 檜山のバカがくだらないことをしたせいで、ヤバいことになった。出入口は上階への階段があるが、まあ、そんな簡単に逃がしてくれると思っていないけどな。

 その時、俺の予想通りに階段側の方には骨だけで構成されていた魔物共がうじゃうじゃと沸いてきた。しかも、見聞色の覇気で反対側の方から巨大な気配を感じとれた。

 俺は振り返ると、トリケラトプスに近いヤバそうな魔物がいるじゃないの。見聞色でも分かるけど、強そうだな。ヤバイ、久々にゾクゾクしてきた。

「アラン! 生徒たちを率いて『トラウムソルジャー』を突破しろ! 光輝たちもアランに続け! 残りは奴を食い止めるぞ!!」

 メルドさんが指示を出してるようだけども、此奴らは今の状況だと理解できてるかわからない。しかも、あのバカは加勢しようとまで考えてる。自分の行動が集団にどんな影響を与えてるか全く理解できていない。さてと、まず、俺は後方の奴らを始末するとして、ここの中で冷静な南雲にでも、頼みますか。

「南雲、あのバカを連れてきてくれるか」

 急に声をかけられた南雲だけど、俺の言ってることを理解してすぐさま、あのバカを連れて行くことにした。さて、俺は後方の奴らをやるとしますか。

 俺は大業物の『秋水』を抜き、後方から来るトラウムソルジャーたちを『秋水』で大きく一閃させただけで斬撃が飛び、後方にいたトラウムソルジャーたちを一瞬にして一掃していく。

 さらに、あのバカも合流して、ソルジャーたちが一掃されていき、

「皆! 階段前を確保するぞ!!」

 あのバカの声で全員が階段の方へ駆けだしていく。包囲網が突破されたし。俺はあの魔物でも倒しに向かいますか。

 俺は『縮地』で一瞬にして南雲の方まで、移動する。右に『秋水』。左に最上大業物の『初代鬼徹』を手に、駆け抜けていく。

 生憎、俺は生前から少々戦闘狂だったところがあるからな。こういった強敵を相手にするのは、三大勢力の化物共や八王で相手をして以来か。口角が上がってしまいそうだ。

 俺は南雲の前までやってくると、彼は自前の錬成で下半身を埋まらせているベヒモスという魔物。

 南雲はどうしてという表情をしてるも、俺は僅かだけ口角を上げてしまった。楽しませてくれよ、ベヒモスとやら。俺は『秋水』と『初代鬼徹』を手に、軽く振ってから、オッドアイでベヒモスを見る。

「どうして、ここに来たの!? 魁くん!?」

「簡単さ。俺はただやり合いたいだけさ。誰にも誓約もなく、自由に戦いたいときに戦いたいんだ」

 フッと笑みを零す俺に南雲は

「変わってるね、魁くんって・・・」

「俺が変わってるのは分かってることだ。それよりも、南雲、視ておけ。粋がってる餓鬼共と俺の違いをな・・・」

 俺は両手の刀を鞘に納め、居合の態勢に入る。

 近くにいる南雲と遠くで視てる雫は俺の構えから居合の構えをしているのをわかる。

「荒廃の世の自我(エゴ)、斬り裂けり・・・二刀流・居合――」

 俺は両手で『秋水』と『初代鬼徹』を抜刀する。

 二つ太刀筋が『ベヒモス』を縦に両断する。

「――『羅生門』」

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後書き
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