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宇宙海賊は世界最強

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3話

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 朝から集められた俺たちは座学をすることになる。

 他の奴らはちゃんと寝たようだな。

 まあ、寝るときに寝ておかないとやることが出来なくなるからな。

「おはよう、銀華」

「おはようさん・・・雫・・・」

「貴方、また夜遅くまで起きてたでしょう」

「まあな。気分転換に本を読んでいた」

 さっきまでのことを話したくないからな。

 だけど、雫に心配されたのは致し方あるまい。

 一応、大丈夫と応えておいた。

「気をつけなさいよ」

 心配の言葉をかけられる。

 その後、騎士団長のメルド・ロンギスから銀色のプレートを渡される。

「今、全員に配られたのはステータスプレートだ。自分の客観的なステータスを数値化してくれるものだ」

 メルドはステータスプレートについて説明をして、使い方を教えたら、俺はメルドに言われた通りに自分の血をステータスプレートに擦りつける。

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魁銀華(ギン・ライラック・アトランタ)
17才 男 レベル:???
天職:海賊・剣士
階級:大海賊団船長
筋力:???
体力:???
耐性:???
敏捷:???
魔力:???
魔耐:???
技能:剣術(+一刀流)(+二刀流)(+三刀流)・縮地・覇気(+見聞色)(++未来視)(+武装色)(++武装硬化)(++流桜)(+覇王色)・超消化力(+胃酸強化)・魔力操作(+魔力圧縮)(+遠隔操作)(+身体強化)・超跳躍高速移動・超五感(+超視覚)(+超嗅覚)・耐性(+完全)(+適応)・未知(+戦闘力)・肉体(+強靭)・能力(+動物(ゾオン))(++覚醒)・言語理解
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 ヤベぇ~な、明らかに俺のステータス。

 しかも、天職が海賊と剣士か。

 確かに俺は剣士なのは言い得て妙だな。海賊に関してもその通りだな。

「全員見れたか? 説明するぞ? まず、最初に『レベル』があるだろう? それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは、人間としての潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」

 おい、俺のレベルは不明なんだけど、大丈夫か?

「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前等用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大開放だぞ!」

 俺以外の奴らのステータスが分からんな。

 あとで雫のでも視ておこう。

「次に『天職』ってのがあるだろう? それは言うなれば『才能』だ。末尾にある『技能』と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦系も少ないと言えば少ないが・・・百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」

 戦闘職なのは大体理解できるが、海賊といえば、悪党ってイメージだ。

 技能に関しては問題ない。むしろ、持っていて当然のものだしな。

「後は・・・各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 俺のステータス・・・下手をしたら、数十倍じゃなくて、数万倍だと思うんだけど、この成長率はどうなるんだろう。

「ねえ、銀華、貴方のステータスってどうだったの? 私は剣士だけど・・・」

「俺も剣士だ。ついでに海賊もついてる」

「海賊って・・・貴方、いつから悪党になったのよ」

 俺に当たるな。

 俺としてはステータスを他の奴らに知られたくないな。

 なので、メルドさんに開示する際、釘を刺しておいた。

 だが、俺の後ろらへんにいた南雲は顔を真っ青にしてる。俺は見聞色の覇気で彼奴の心の内を聞く。

 どうやら、彼奴の天職は錬成師で、低スペックのステータスらしい。

 あと、南雲を弄るいじめの常習犯の檜山と取り巻き共が見下してる。

 まあ、俺からしたら、テメエらこそ、雑魚が粋がってるとしか思えねぇよ。

 晒し者にしてる奴もそうだが、他の奴らも助けようとはしない。

 地球の奴らはそういったところが嫌いだ。

 だけど、愛子先生が止めにかかるもフォローのつもりがトドメをさした。

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 その後、武器に関して、俺は良いと断っといた。何故なら、俺には武器がある。

 そう、俺の武器は刀だ。

 しかも、三本の刀。

 メルドさんは一本、一本、慎重に視てる。

「見事な作りだな。斬ることに特化した代物だな。しかも、二本は黒い刀・・・もう一本は白銀刀・・・視てるだけでも、相当な業物だと思ってしまう」

 メルドさんは国家錬成師たちに見せてもいいかと聞かれるも、俺は

「いやです。その刀は俺の身体の一部そのもの。おいそれと、誰かに調べたくないし、触らせたくない」

 俺は三本の刀を腰に帯刀する。

 そういえば、昔、祖父ちゃんが俺に二本の刀を渡してきたな。

 一本は愛刀にさせたけど、もう一本は俺でも扱えなかったから。

 どうしよう、誰かにあげちゃおうかな。

 仲間には渡す気がなかったから。雫にも渡そうかな。

 雫は生粋の剣士だ。昔、雫の家にお邪魔したとき、武芸の家というのは分かったからな。

 雫に渡しても問題ないだろう。

「雫」

 彼女に声をかける。

「なに、銀華」

 俺は雫に鞘に収まってる刀を見せる。

「此をキミにあげるわ」

「私に?」

 雫は俺から渡された刀を抜いて、刃を視て、

「綺麗・・・」

 うっとりしてる。

 俺が渡した刀は最上大業物12工の一本。

 祖父ちゃんが形見にしていた二本の刀の一つだ。

 祖父ちゃんが言うには、確か・・・

『心から好いてる人に渡しなさい』

 って言われたけど、俺からしたら、雫に俺の思いが籠もってる刀でもあるけどな。

 それよりも、雫の奴、未だにうっとりしてるけど、大丈夫なのか?

「なんなの、この刀・・・」

 うっとりと刀を視ながら呟いてる。

「此奴は最上大業物12工の一本、刃は・・・乱れ刃大互の目!!! 名刀『蛮竜』という一品。そこいらではお目に掛からない代物さ」

「最上大業物?」

 刀のことをあんまり知らないんだな。

 せっかくだし、教えておこう。

「刀のランクのことだよ。上から順に最上大業物、大業物、良業物、業物という順番になってる。キミが持ってるのは、その中でも最高ランクの刀。一口に纏めると『名刀』と名付けている」

「それじゃあ、銀華のも・・・」

「そう。俺のは最上大業物が二本に、大業物が一本。扱うのにも時間が食ったがな」

 俺は自分の腰に帯刀してる刀の柄を弄りながら言ってる。

「良いの? こんな刀を私が使っちゃって・・・」

 マジマジと『蛮竜』を視てる雫。

「俺だって扱いたかったが・・・」

「扱いたかったが・・・?」

 オウム返しに聞いてくる雫に俺は

「妖刀に近いのか・・・結構、切れ味がヤバいんだよ」

「何で、そんな代物を私にあげるのよ!!」

「雫だったら、扱えそうだと思ったから」

「なに? その私だったら、なんとなく、扱えそうみたい感じは?」

 あら? 若干、おこですなぁ~。

「怒ってるのよ!!」

 雫は激おこプンプンまるだった。

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 雫サイド

 訓練から二週間が経った。

 私は銀華と一緒に訓練してるけど強すぎない。

 私の太刀筋を見切ってるなんて・・・何でも、彼が言うには、

「雫は地球に於いて、将来、名の通った剣士になるだろうけど・・・井の中の蛙。世界の広さを知らない。地球にいた頃は天狗だっただろうけど、ここではそうは通じんよ」

 悔しいけど、確かにそうだったかもしれない。剣道の試合に於いて、私に勝てる人なんていなかった。

 だから、天狗になってたかもしれない。

 でも、銀華は私よりも途轍もなく強い。

 井の中の蛙・・・まさにその通りね。

 だけど、どうして、私の動きが読めるかしら?

「攻撃には意志がある、気配がある、闇雲に手を出してはダメ。感覚を研ぎ澄ませること。相手の気配を感じとれば、目で見なくても躱せるさ」

「何よ、アニメのような技は!?」

「技ではない技術だ。冷静になって、感覚を研ぎ澄ませれば、相手の気配を感じとれるよ」

 悔しいけど、今の私では銀華に勝てない。

 それでも、私はそんな銀華に守ってもらいたいと思ってる。

 やっぱり、彼って私の願ってる王子様ね。

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後書き
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