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レーヴァティン

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第百四十話 空の前哨戦その九

「これで圧倒的有利に立ったな」
「左様ですね」
「本当にいいことだよ」
 久志は会心の笑みのまま話した。
「じゃあ次はな」
「船団ですね」
「そいつ等と戦ってな」
「そのうえで、ですね」
「勝ってな」
 そしてというのだ。
「セビーリャ上陸だよ」
「そうしますね」
「その第一歩を踏み出せたな」
 連合王国の空船の船団を退けることが出来てだ。
「有り難いことに。後はな」
「はい、湖上決戦の用意に」
「それに敵の空船の乗員の救助もな」
「それもですね」
「全部撃墜してな」 
 そしてというのだ。
「空中分解したのはなかったな」
「全船湖上に着水出来て」
 それでというのだ。
「戦死者達は多いですが」
「それでもだよな」
「戦闘不能のまま湖上にいます」
「ちょっと救助の船を向かわせるか」
「今ですか」
「戦闘用でない艦船を向けてな」
 そうしてというのだ。
「救助して戦死者は復活させるか」
「そうしますか」
「あとその着水している空船は修理出来れば」
 その場合はというと。
「修理してな」
「後にですね」
「こっちが使うか」
「高価なものであるだけに」
「修理出来たらな」
 その時はというのだ。
「ちゃんと修理してな」
「こちらで使いますね」
「敵から一隻奪って」
 そしてというのだ。
「こっちはな」
「一隻をですね」
「手に入れる、若し六隻全部修理出来たら」
 その場合はというのだ。
「相当なものだろ」
「はい、空船は三十隻になります」
「修理は連合王国との戦に間に合わなくてもな」
「それでもですね」
「後々の戦に使えるだろ」
「ですね、だからですね」
「ああ、六隻全部回収してな」
 そしてというのだ。
「修理にあたるな、乗員もな」
 彼等もというのだ。
「こっちの兵にしていくな」
「兵もですね」
「降った敵兵はこっちの軍勢に組み入れる」
 久志は笑って話した。
「これが一番だな」
「同意でござる、やはり」
「敵兵はな」
「降ればでござる」
「こっちの軍勢に組み入れるべきだよな」
「兵は貴重でござる」
 何といってもとだ、進太は久志に答えた。
「空船や軍船も貴重でござるが」
「兵器と同じだけな」
「将兵も貴重でござる」
「本当にそうだよな」
「若し」
 進太は久志に強い声で言った。 
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