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レーヴァティン

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第百四十話 空の前哨戦その四

「そしてな」
「制空権を握るな」
「空が私達のものになれば」
 どうかとだ、双葉は話した。
「それだけで本当に違うから」
「まずはそこね」
「ああ、ただ空での戦闘をやっている間にもな」
「湖での戦いは続けるわね」
「そっちもな、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「勝つな」
「そうするわね」
「湖での戦いはそう簡単には終わらないさ」
 即座には終わらないというのだ。
「だからな」
「空と湖で」
「共に戦うな、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「空で勝ったら」
「空船を湖での戦いに投入するな」
「いい戦術よ、では私はね」
「術の方を頼むな」
「そうさせてもらうわね」
「じゃあな、戦うな」 
 久志は仲間達に告げた、そうしてだった。
 自身が率いる湖の大船団と空船達をセビーリャの方にさらに進ませた、そうしてまずはだった。空船達から報が入った。
「そうか、敵の空船の船団がか」
「ここに向かってきてるわ」
「敵の船団はまだ来てないけれどな」
「どうもね」
 清音は久志にどうかという顔で話した。
「連携が上手くいっていなくて」
「それでか」
「空船の方がね」
「先に来たか」
「そうみたいよ」
「よし、じゃあな」
 敵の軍勢は空船の船団の方が先に来た、久志はそれならと述べた。
「ここはな」
「先に敵の空船の船団を叩くのね」
「決めたぜ、しかしな」
「しかし?」
「敵の連携は出来ていないんだな」
「空と湖でね」
「そうなるとは思わなかったな」
「難しいものよ、それぞれの軍勢の連携は」
 清音は久志に笑って話した。
「何かとね」
「そういうものか」
「そう、私達は多分現代の知識があるから」
「起きた世界のか」
「私達の起きた世界だと空軍と陸軍、海軍は連携しているわね」
「自衛隊でもな」
「そうでしょ、その知識があってね」
 それでとだ、清音は起きた世界ではそうした知識はなかったがこちらの世界に来て戦場にいる様になって培ったそれから話した。
「私達も持ってるから」
「それでか」
「私達は連携が出来てるのよ」
「そういうことか」
「そうでしょうね」
「わかっていうからか」
「けれど相手はね」
 連合王国の方はというのだ。
「この世界にも空船はあるけれど」
「連合王侯の国力だとこれまで数持ってなくてか」
「個々で動かすならともかく」
 こちらは出来てもというのだ。
「それでもね」
「船団として使ってか」
「水軍多分陸軍ともね」
「連携させて使ってこなかったか」
「うちでこれだけ揃えられたのよ、浮島を移動する船を持ってる商人もね」
「豪商だしな」
「そしてその豪商も」
 空船を持っている彼等もというのだ。 
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