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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ

作者:炎の剣製
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068話 文化祭編・開催3日目(03) ネギパーティ、始動と失格弾

 
前書き
更新します。 

 




図書室ではまったく通信ができないでいた事に焦る一同。
そこに夕映の『世界図絵』のまほネットで知らされた学園結界が落ちたという情報にさらに動揺が走る。

「ど、どうにかできないのですか…?」
「私のただのパソコンじゃ相手にもなんねーよ! 中身が違いすぎる…」

それで千雨は悔しそうな顔になるが、そこでその場に残っている全員がなにかを閃いた顔になる。
さらには千雨の得意なものはパソコンとネット関係。

夕映とのどかが本関係。
ハルナに関しても絵描き道具。
このかは治癒系。
アスナは魔法無効化系。
刹那も剣系。

どれもその個人が得意とするものばかりが仮契約(パクティオー)カードに反映されて、それに沿った能力の物を与えてくれる。
そこから統合的に導き出されるのは、もしかしたら千雨がネギと仮契約(パクティオー)したらネット関係の物が出てくるのではないか……?と。

「ふむふむー。つまりはネットに対抗できるものがあればいいんだね?」
「あ? そんな都合がいいもんがあったら苦労しねぇ…………って、おい。まさかとは思うが―――……!?」
「察しが良いね、ちうちゃん! そう、ネギ君とちう(ハート)して能力に見合ったアイテムを手に入れようって話よ!」
「なっ!?」

ハルナの『ズビシッ!』という効果音が付きそうな指さしに千雨の顔は一気に赤くなる。
そしてすぐさまに「なんでだよ! 私はそんなもん―――!?」と言い返すが、ハルナはそんな抵抗も意に介さずにのどかと夕映の肩を掴みつつ、

「いやいや大丈夫だって! 許可するよ! 夕映ものどかもいいよね!?」
「い、いぇー……そのーーー……」
「そもそも権限とか色々とないですしー……」

それで顔を赤くさせながらも反対はしないでいるのどかと夕映の両名。

「そうじゃなくってよー!!?」
「んー? 10歳のお子ちゃまとキスするくらいまぁ平気っしょ? 千雨ちゃんもそんなに動揺するほどー?」
「ぐっ!?早乙女、お前やっぱ性格わりぃな……」
「ハハハ! 今更だよね」
「しかも、しかもだぞ!? そんなもん手に入れちまったらもう完全にファンタジーの住人にランクアップして、一般人から逸脱人になり上がっちまうじゃねーか!!」
「いいじゃない。逸脱人。そういう言葉、好きだよ。なにより今は緊急事態。こういう時には右手に盾を左手にグーパンチをって言うじゃない?」
「剣の間違いだ! なんだ、グーパンチって!?」
「とにかく今必要なのは力なのだよ。力なくして強敵に立ち向かうなんてナンセンスにもほどがあるわよね!」
「一理あるがよー!?」

と、そこにタイミングよく、古菲がカモと、そしてオマケのあやかとまき絵を連れて図書館に入ってきた。

「ネギ坊はいるアルか!?」
「ネギ君!」
「ネギ先生は!?」

それでハルナは眼鏡をキラン!と光らせる。

「これはまたとない偶然…いや、これはもう天の決めた必然! カモっち、ナイスタイミングよ!!」
「む? どいういう事でい?」
「まぁまぁ、いいんちょとまきちゃんは一回外に出ていようね?」
「な、ハルナさん、なんですの!?」
「ネギ君に会えるんじゃないのー?」

さすがのカモもハルナの突飛な行動に頭に?マークを浮かべているが、ハルナが小声で、

(千雨ちゃん、とうとう……)
(お♪ 理解したぜ)
(さっすが!!)

以心伝心。
まるで過去からの旧い仲だったかの様に短いやり取りだけで理解し合うハルナとカモは、意外に…いやかなりパートナー相性が良い方かもしれない。

「い、イヤ! 待てよテメーら!?」
「時間が押してるから、それでもごゆっくり♪」

パタン…………とカモとネギ、そして千雨以外が図書室から出て行って、あんまりな状況に呆然とする千雨。
なにもこんな状況で初めてを捧げる羽目になるなんて、聞いてねぇよーーー……と愚痴りたくなる千雨。
しかもすでにカモが仮契約の為の魔法陣なんか高速で描いているときた。
ことここまで来て千雨は少し自棄になりつつあった。
自分に脳内で言い聞かせるように(戦力は欲しい)(相手は茶々丸か超か?)(キス一つでお手軽アイテムが手にはいるなら儲けもんだ)(10歳に意識していてどうする?)などなどをブツブツと呟きながらも、眼鏡を外してネギにキスをしようとするが、

「う……? 千雨さん……?」

そこでタイミング悪くネギが目を覚ましてしまう。
それで今になって猛烈に恥ずかしくなってしまう千雨だったが、一言『黙れ!』と言いつつ勢いよくネギと唇を合わせる。
瞬間、仮契約は成立してカードが生成される。

「もういいぜ。千雨っち」
「そ、そうか!」
「あのー……」
「あー、うるさい黙れ!」

それでなんとか言い訳しつつも、

「今は時間がねぇんだろ!? 先生の悩み事や迷いとかも綾瀬に聞け。もう十分休んだろ! 先生の出番なんだよ。超の奴をとっちめてこい!」
「は、はい!!」

それでネギは準備を始める。







一方で、戦場の方も変化が始まっていた。
魔法先生達がスクナもどきをなんとか抑えているうちにタカミチが居合い拳を放って多少の戦力を削いでいる時であった。
なにかに気づいたタカミチは居合い拳をなにもない空に放って、次にはなにかに衝突して打ち消し合っていた。

「高畑君!」
「狙撃です! 気を付けて!」

それで弐伊院が注意を促すも、次々と狙撃を受けてその場から姿を消していく魔法使い達。
一緒にいたアスナと刹那に美空、ココネもなんとか狙撃される反対側に隠れる事ができたが、弐集院とココネは跳弾という高等テクによって敢え無くその場から退場してしまった。
美空の「ココネー!?」という叫びが木霊する。

そしてなにも魔法使いに限定した話ではない。
生徒達もロボ達が放つガトリング銃によって当てられてしまったたくさんの生徒達は姿を消していってしまっている。




アスナ達は突然の事になんとか平静を保ちつつも、

「今のは強制転移魔法だ。どこかに飛ばされたんだろうね。死んではいないはずさ」
「そ、そうっすか……」
「でも、せいぜい3㎞がやっとだというのに意味が……」
「その通りネ」
『ッ!?』

突然会話に割り込んできた声に全員が戦慄する。
その声の主は悠々と歩いてくる超の声であったからだ。

「3㎞なんて、面倒くさい事はしないネ。やるなら盛大に、かつ派手に、そして大胆に……そう、3時間先だったら、どうカナ?」
「超 鈴音!!」
「超さん!」

それで構えるアスナと刹那。
超はご丁寧にバレてもさして問題ないと言わんばかりに説明をした。

「……だが、戻てきたはいいが、この作戦にはさすがの私も驚かされたネ? ネギ坊主が考えた作戦なのダロウ? 今はどこに…?」
「ネギはいないわ!! あんたは私が今ここで倒してやるわよ!!」

そう啖呵を切ったアスナであったが、

「そうカ。まぁ、相手にはなるヨ。刹那サンに関しては昨日の二の前にナルと思うがネ」
「ぐっ……」

昨晩に一方的に避けられ続けた事を思い出し苦い顔になる刹那。
だが、今ここで彼女を止めなければ大変な事になるのは自明の理。
勝てずとも!そんな思いで戦いに挑んでいったが、やはり結果は変える事が出来ずに、まずはアスナ、次に刹那がやられて、歴戦の勘でなんとか耐えているタカミチだけになったが、超の世界を変えた後の話を少しずつ聞かされていき、心が揺らいでいるタカミチに、超が最後の一手を放つ。

「どうカナ、高畑先生。私の仲間にならないカ?」
「ッ!」

それで盛大に動揺してしまい、その隙を突かれて時間跳躍弾を食らってしまい、タカミチも敢え無くその場を退場してしまった。
消える間際に、

(すまない……みんな。士郎、あとは頼んだよ…!)

そう考えていた。
その後に気絶しているアスナと刹那も退場させようとした超だったが、戦力に数えていなかった美空の力もありなんとか逃走を許してしまい、

「美空か。まぁいい。どうせもうなにもできん…」

そして超もその場から姿を消した。








場面は戻って戦場では時間跳躍弾に当たらないために物陰に隠れる生徒が多数いた。
痺れを切らして出ていこうとする生徒もいたが、そこでなにやら空にグラフィックが投影されていく。
次第に人の姿が映し出されて行って、そこには巨大な超の姿が映し出された。


『苦戦しているようネ。魔法使いの諸君』

それで3-Aの生徒達は突然の超の登場に驚愕の顔をしていた。
それでも超の演説は続いていく。

『私がこの火星ロボ軍団の首領にして、悪のラスボス。超鈴音ネ。
前半の君たちの活躍には目を見張るものがあったヨ。さすがに麻帆良生徒達はタフネスネ。
それに私は敬意を表して、少し本気を出そうと思う。
やられても復活ありなんて生易しいとは思わんカネ?
だから、少し考えた結果、追加ルールを設置することにしたヨ』

その新たなルールという単語にそこ等中で聞いていた麻帆良生徒達は聞き逃さんとばかりに耳を研ぎ澄ませる。
超は一発の銃弾をその手に持って、

『この銃弾に当たると即失格。おまけに工学部の表には公表されていない新技術で当たった瞬間には速攻で負け犬部屋に強制搬送。この楽しいゲームが終わるその時までグッスリ寝ていてもらうことにしたヨ』

そんな超の厳しすぎる新ルールの設置に、しかし麻帆良生徒達は逆に燃え上がっていたりする。


―――――そのくらいの逆境がなんだという?
―――――その程度の困難、乗り越えてこそ麻帆良魂だろ?
―――――俺達の魂にさらに追加の炎を付加してくれるのかい?


『ゲーム失格よりもこの学園祭のクライマックスを強制就寝で過ごすは大変なペナルティと思うがどうカ?フフフフフ…………どうカナ? スリル感が倍増しただろう。麻帆良生徒達がこの程度で音を上げるとか考えにくいネ。それとも、弱気になって棄権をしても別に誰にも咎められないヨ。私はそこまで無慈悲ではないからネ。
ちなみにここで君たちに耳よりの悲報をお届けしよう。
ここぞという時の頼りである君たちの頼みの綱のヒーローユニットはすでに私の部下がほぼ始末したネ!
…………まぁ、まだどこかに潜伏はしていそうダガネ。
そうそう、手を貸せるかは別としてまだデスホークさんは生きているかもしれないヨ?』

その超のわざとらしい説明に、わずかな希望が生徒達に湧いてきた。
あのスクナもどきを一撃のもとに叩き揉めした士郎なら生きていていつか手を貸してくれるかもしれない、と…。

『多少のイレギュラーがあっても私は寛容だから目を瞑ろう。
さて、しかしもう後は自身の力のみで戦うしかない。私の火星ロボ軍団に果たして君たちは勝てるカナ? 諸君の健闘を祈ろうとしようじゃないか!



―――――あ、それはそれとして、ちなみに今回のロボ軍団はすべて麻帆良大工学部と『超包子(チャオパオズ)』の提供でお送りしているネ♪「世界全てに肉まんを」超包子(チャオパオズ)をこれからもどうぞ御贔屓にネ!』


演出らしく肉まんの画像を出す超に一瞬であったが静まり返る戦場。
しかし、そこでアドリブに関しては鍛えられてきていた朝倉が声を張り上げる。

『―――――さあ。ついに現れました!悪の大ボス、超 鈴音!今回のイベントの雪広グループとの共同出資者「超包子(チャオパオズ)」主催、超 鈴音さんがラスボス役を買って出てくれました!!』

それで超と朝倉は視線を合わせて同時に笑みを浮かべる。

『超 鈴音はこのゲーム中の全エリア内のどこかに潜んでいます!発見した方にはボーナスポイントと特別報奨金をプレゼント!! 発見者は参加者、そして一般の非参加者どちらでも構いません! ようは見つけたもの勝ちだ!!』
『よかろう朝倉。楽しみに待てるネ』

それでスクリーンが消えていく。
それを合図に裕奈を筆頭に勇気を取り戻した生徒達は失格弾がなんだと言わんばかりに再度ロボ軍団に突撃をかましに行くのであった。








違う場所ではネギがカシオペアを使って、なんとか龍宮の放った時間跳躍弾を未然に防いで、龍宮と楓の一騎打ちが始まったり、千雨がネットの世界にあやかとまき絵とともに侵入していき、茶々丸と戦闘を開始していたりしていた。

すべては超の陰謀を未然に止めるために。
今出せる力を存分に発揮していた。












―――――そして士郎と謎のエミヤの戦闘。



「お前は、俺、なのか……? アーチャー……いや、エミヤ……」
「……………」



―――――イリヤ&ランサーと言峰の戦闘。



「ランサー、援護するわ!」
「おう!ここでくたばれよ、言峰!」
「ふんッ! 私の腕もまだまだまんざらではないな」



この二か所の戦闘も佳境に入ってきていたのであった。







果たして、士郎は……そしてネギは超の野望を止める事ができるのか……?


 
 

 
後書き
今回は原作のセリフをかなり追加したり弄りまくりましたね。
こうでもしないと判定がグレイになってしまうから仕方がない。
次回はまるまる士郎とイリヤ達の戦闘にしてみようかと思います。 
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