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戦姫絶唱シンフォギア~響き交わる伴装者~

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コラボ特別編:響き翔く天の道
  本物はどっち?

 
前書き
あけおめことよろ!(大遅刻)

ようやく信念最初の投稿になります。年始はちょっと忙しくてですね……遅れてすみませんでした!

今回はこのコラボの肝、ネイティブによる「どっちが翔くんでshow」……え?タイトルが親父ギャグっぽいって?
ハイッ!アルトじゃ~ないと~!!(言いたかっただけ)

っとまあ、おふざけはこの辺に。
それでは久し振りの伴装者、どうぞお楽しみに! 

 
「響から離れろッ!!」

翔の後ろから聞こえた声に振り向く。

そこには、息を切らせて翔の方を睨み付ける、もう一人の翔の姿があった。

「翔くんが2人!?」

響が困惑する中、二人の翔が睨み合う。

「響、騙されるな!そいつはネイティブだ!」
「下がっているんだ響、あいつの方こそネイティブだ!」

響の隣に立つ翔は、響を庇うように立ち、構える。
後から現れた翔はその姿を見て、苦虫を噛み潰したような顔をした。

「お前、響を誑かそうってのか!」
「お前の方こそ、気安く響の名前を呼ぶんじゃないッ!」
「何をッ!」

二人の視線には鬼気迫るものがあり、今すぐにでも、取っ組み合いが始まりかねないほど険悪だ。

「それで、どっちが本物なの!?」
「「俺だ!!」」
「それじゃ分からないってば!!」

寸分違わず同じタイミングで答える翔達に、響は両手で頭を抱えた。



擬態したワームやネイティブは、その人間の姿のみでなく、遺伝子、記憶、持ち物まで完全にコピーする。
その性質上、本人と見分けるのはとても困難だ。

(考えろ……俺だけに出来て、ネイティブに真似出来ないもの……)

睨み合いながら思案していた翔の脳裏に、光明が走った。

(そうだ、聖詠なら!)

シンフォギアを装着する際に装者が口ずさむ聖詠は、個々人だけのものだ。

聖遺物が適合者の脳裏に浮かばせる、ギアの固有始動コード。
これは本人のコピーと言えど、真似する事は出来ない。

「おい偽物、お前が本物だと言うのなら……その身に纏って見せろ!そのシンフォギアを!」
「ッ!?」

響からは見えないが、擬態翔の表情が一瞬強ばった。

(生弓矢を纏い次第、あのネイティブを突き飛ばして響を助ける。後は撤退しながら天道と合流すれば、行ける!)

翔がその胸に浮かぶ聖詠を唱えようとした、その時だった。

「──Toryu……ッ!?こいつはッ!」
「響ッ!目と鼻を塞げ!!」
「ッ!!」

運動公園の周囲を、黄色いガスが覆い始めたのだ。
ミイデラゴミムシ型……プェロフェソプスネイティブと名付けられた個体が吐く催涙ガスだ。

翔は慌てて目を瞑り、口と鼻を袖で覆うと、周囲の気配に耳を配った。

(くッ……プェロフェソプスとビエラが居ないと思ったが、そういう事か……!)



その頃、モニタリングを続けていた二課仮設本部では……。

「監視カメラが破壊されました!」

突如砂嵐になった画面に、藤尭からの報告が飛ぶ。

「他のカメラはどうした!?」
「それが……」
「プェロフェソプスネイティブ、周囲に高圧ガスを撒き散らしています!視界が閉ざされた直後にカメラを破壊され、モニタリングの継続が困難です!」
「奴ら、翔と響くんを確実に仕留めるつもりか!!」

友里が公園周囲のカメラを全て確認するも、次々に破壊されてしまう。
二課は現場への視界を完封されてしまったのだ。

「もう一人の響くんはどうした!?」
「現在、プェロフェソプスネイティブと交戦中!カメラを破壊して回っているのはビエラネイティブだと推測されます!」
「くっ……応援は絶望的か……」

「司令!ここは私達が出ます!」

その時、翼の声が司令室に響き渡った。

「駄目だ!クロックアップに対抗出来ん以上、お前達をただ闇雲に出撃させるわけには……」
「けど黙って見てられるかよ!!」
「……司令、僕に策があります」

弦十郎の言葉を遮ったのは、純の一言だった。

「……聞かせてもらおうか」

純の策を聞くと、弦十郎は念を押して問いかける

「本当に行けるのか?」
「状況に違いはありますが、同じ方法です。可能な限りの再現が出来るのなら、成功の確率は0じゃない筈です」
「……分かった。今はその策に賭けるしかあるまい」

純、翼、クリスの三人は頷き合うと、本部外にあるヘリポートへと向かって行った。



「──ッ!」

迫って来た気配に、翔は飛び退く。
目を開けると、先程まで自分の顔があった場所に、突き出された拳があった。

「ネイティブッ!」
「風鳴翔、貴様を抹殺するッ!」
「やれるものなら、やってみるがいいッ!!」

先程よりガスは薄まっている。
二人の翔は、互いに相手を睨み付け……そして、拳を握り直した。

「ぜあぁぁッ!!」
「ふっ!ハッ!せやッ!!」

繰り出される拳を躱し、受け流しては自らの拳を突き出す。

しかし、その拳は自身と全く同じ方法で躱され、受け流される。

『仮面ライダーカブト』作中本編でも天道総司が、仮面ライダーダークカブト……擬態天道と戦った事があった。

その際も、天道と擬態天道は互いの二手、三手先を読み合う高度な戦闘を繰り広げていた。

今、この瞬間、翔と擬態翔も全く同じ状態だった。
互いの二手、三手先を読んで拳を、脚を繰り出し、間合いを詰める。

やがて、翔は擬態翔から距離を取った。

「生身は五分五分、だがこれなら!」

ガスが薄まった今なら唄える。聖なる詠唱を!

「──Toryufrce Ikuyumiya haiya torn──」

生弓矢のシンフォギアを装着して構え──翔は驚愕に目を見開く。

「なっ!?」

そこに立っていたのは……生弓矢のギアを装着した擬態翔だったのだ。

「シンフォギアまで!」
「最初にお前とやり合った時にな。これで条件は対等だ。フンッ!」

大地を蹴って踏み込む擬態翔。翔は腕を交差させてその拳を受け止める。

地面を抉りながら後退る翔。しかし、翔も負けじと両足を踏ん張り、脚部のパワージャッキを伸縮させる。

「ハァァァァッ!タアァッ!!」
「ぐうッ!?」

引き絞られたジャッキが勢いよく縮小し、踏み出された一歩と共に擬態翔が後方へと吹っ飛ばされる。

「お前なんかに……響を渡すものかァァァァァッ!!」
「それはこっちの台詞だァァァァァッ!!」

翔が走り出し、擬態翔は着地と共に駆ける。

両者が繰り出した渾身の拳が、グラウンドの真ん中でぶつかり合う。

その瞬間、空気が破裂するかのような音と共に、強烈な衝撃波が運動公園全域へと広がった。

「翔くん!ッ!?」

響が飛ばされないよう身を庇う中、周囲を覆っていた黄色いガスの壁は引き剥がされ、やがて視界は明瞭になっていった。



「……ガスが……消えた?」

烈風が収まり、ガスの壁が吹き飛ばされたのを確認した響は周囲を見回す。

「ッ!そうだ、翔くん!!」

グラウンドの真ん中まで走り出す。
そこには……息を切らせて睨み合う、二人の翔の姿があった。

「翔くん……」

「「響……」」

響が駆け寄ってきた事に気が付いた二人は、同時にこちらへと顔を向けた。

「響、騙されるなッ!こいつが偽物だ!」
「何を言う!偽物はお前だッ!」

互いに人差し指を向け、主張し合う二人。
響は二人を交互に見ては首を傾げる。

(どっちが本物の翔くんなの……!?)

寸分違わぬ同じ顔。同じ体格、同じ服装、同じ声。

整体も、指紋も、遺伝子も、お揃いだと喜んだ胸の傷さえ、二人は全く同じものだ。
見分けようにも、区別のしょうがない。

「響……君なら分かるだろ?」
「信じてくれ響!」
「今、本物を見極められるのは響しかいないんだ!」

(どうすれば……どうすれば本物の翔くんを見つけられるの……?)

響は迷う。迷い、悩むほどに息が上がる。
視界がふらつき、世界が揺れる。

間違えればきっと、翔くんは傷つく。
同時にそれは、彼の死をも意味しているかもしれない。

ネイティブを選んだ瞬間、翔くんはきっと始末されてしまうだろう。

だとしても……わたしは選ばなくちゃいけない。

わたしは、どうすれば……──



「あの人が言っていた……」

背後から聞こえてきた声に、響は振り返る。

「天の道のわたし……」
「”本物を知る者は偽者には騙されない”。お前はきっと、大切な人を言い当てる。それはお前にしか出来ない事だ」

曇りかけている空。雲の向こう側に隠された太陽を指さし、カブトはそう言った。

「ッ!そうだ……。こんな所で迷っているなんて、わたしらしくない!」

響は顔を上げると、目の前にいる二人の翔を真っ直ぐに見据える。

(間違えれば翔くんは傷つく……。でも、だとしてもッ!)

「──だとしてもッ!わたしから翔くんへの想いが揺らぐ事なんてないんだからッ!!」

そして響は選択する。

本物を。この世界でたった一人の、大切な人を。

「わたしの……わたしの翔くんはッ!」



その頃、とある平行世界。

道着で木刀を手に、素振りに励んでいた青髪の少女の前に、2機の昆虫型メカが飛来する。

「む?ガタックゼクター……どうしたのだ?」

”ガタックゼクター“と呼ばれた青いクワガタムシ型メカは、少女に何かを訴えているようだった。

その隣には、天道響を翔達の世界へと導いた、小型で銀色のカブトムシ型メカ、”ハイパーゼクター“が飛んでいる。

「ふむ……。並行世界でお前の力が必要とされている、というわけだな?」

少女がそう言うと、ガタックゼクターはこくり、と頷くようにその身を縦に揺らした。

「いいだろう。助けを求める者あらば、手を伸ばす事が『人の道』。並行世界の窮地、お前の剣で救って来るのだ!」

了承を得たガタックゼクターは、ハイパーゼクターと共に時空のトンネルへと消えて行く。

飛び立つ相棒の姿を、天道世界の風鳴翼は誇らしげに見送った。 
 

 
後書き
次回!デッデデデッ

アキャリナネイティブ「こうなれば、まとめて始末してくれるわ!!」
翼「私達も、負けてはいられないッ!」
天道響「ッ!?この光は──」
翔「お前が絶対に真似る事の出来ない、人間の心に宿る炎。人はそれを“愛”と呼ぶんだ!!」
響・翔「「変身ッ!」」
『CAST OFF.』
翔「それが俺の、“男の道”」
響「これが“わたしの道”ッ!」
天道響「そして私の“天の道”」

『響き翔く天の道』
天の道を往き、総てを司る!



大変遅くなりましたが、天撃コラボも次回で決着となります!
最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に貫く響の愛を。次回に迫る翔くんの“変身”を、そして天道響と三人で貫く「天の道」を、どうぞ最後までご期待ください!!

巷はAnother翼さん&Anotherクリスで賑わっておりますね。自分は連携含めて一枚ずつ確保済みですw
そんな今こそ……あの世界での彼女を出すチャンス!
というわけで、伴装者バレンタイン特別編にて、『平行世界のクリス』の出演決定!
へタグレ世界の純クリを観測するチャンスですよ!お見逃し無く!!

そして、大変長らくお待たせしているので、自分の尻を叩く意味も込めて、もうそろそろ宣言しておきましょう。
『戦姫絶唱シンフォギアG~鋼の腕持つ伴装者~(仮)』は、今年の春から開始となります!!
この目標に向けてこれからHuluに登録したり、XDUを進めたりと頑張りますので、皆様応援よろしくお願いします!! 
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