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麗しのヴァンパイア

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第二百十一話

第二百十一話  寝ない様に
 姉妹を睡魔が襲う、プールと入浴と牛乳のせいであることは明らかだった。しかも夕食までじかんがある。
 それで華奈子は美奈子に提案した。
「魔法の練習する?」
「それで眠気を覚ますのね」
「そう、魔法の練習をして」
 そうしてというのだ。
「身体動かして頭もね」
「動かすとっていうのね」
「絶対に目が冴えるから」
「そうね、それがいいわね」
 美奈子は華奈子のその言葉に同意して頷いた。
「こうした時こそね」
「魔法でしょ」
「ええ、魔法の勉強をして」
「寝る位なら」
「寝ることは夜だから」
「今はね」
 それよりもというのだ。
「魔法の勉強しましょう」
「具体的には練習ね」
「ここまで眠いと」 
 それこそともだ、華奈子は言った。
「学校のお勉強は」
「してる間に寝そうね」
「美奈子はともかく」
 勉強が元々得意な彼女はというのだ。
「あたしはね」
「寝ちゃうっていうのね」
「もう絶対にね」
 学校の勉強をしている最中にというのだ。
「寝ちゃうから」
「その自信あるのね」
「それならね」
「同じお勉強でも」
「今は魔法の方をね」
 そちらをというのだ。
「しようと思ったけれど」
「私はそれでいいと思うわ」
「美奈子がそれでいいって言うならね」
 双子である華奈子もだった。
「あたしも安心して勉強出来るわ」
「それで晩ご飯食べて」
「寝るまでね」
「そちらのお勉強もするのね」
「そっちもすればするだけよくなるってわかったし」
 華奈子もそれで学校の勉強が出来る様になったのだ。
「そっちはまたするけれど」
「今は魔法の勉強ね」
「練習をしましょう」
 こう言ってだった、双子は家の庭に出た。そうしてそのうえで法衣に着替えてステッキも出したのだった。


第二百十一話   完


                  2019・11・15 
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