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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十六話 オートバイ仲間その十二

「そのデザインとかもね」
「関わってるのね」
「そうも言われているし」
「何か結構以上に」
「見るべきところのあった人だよ、お世話になったお家のお葬式手伝ってそれを近藤さんに自分達でしようと提案したり」
「いいお話ね」
「その時暇だった子供達に落書き書いて遊んであげたり」
 粗暴一辺倒なイメージからは全く違ってだ。
「面白い逸話もあるよ」
「イメージがどんどんね」
「違ってくるよね」
「暴力だけの人じゃなかったのね」
「酒乱であってもね」
 お酒が大好きだったことも事実だったらしい。
「それで勤皇で」
「幕府の組織なのに」
「その勤皇の想いが凄かったらしいから」
 毎朝皇居の方を伏し拝み持っている鉄扇に自分を勤皇の士とまで書く程だった。とにかく徹底した勤皇の人だった。
「それでね」
「勤皇の人が幕府の警察のトップだったら」
「それも凄腕の剣客揃いの」
「幕府としては厄介ね」
「だから会津藩もね」
「暗殺させたのね」
「近藤勇達にね」
「成程ね、何ていうか」
 イタワッチさんはこのお話を聞いて僕にこう返した。
「生臭いわよね」
「伊東さんの時はもっとね」
「生臭いのね」
「あの人は御陵衛士になってね」
「分裂したわね」
「それで結構新選組と感情的なね」
 そうしただ。
「対立があったかもだし」
「近藤さんとは仲よかったのね」
「そうだよ、けれどね」
「それでもなのね」
「組織としてね」
「伊東さんは放っておけない」
「伊東さん自身はまだ新選組と思っていたけれど」
 坂本龍馬に刺客、新選組のそれに気をつけろと言った時に自分も新選組だがと言った話が事実だとするとだ。
「それでもね」
「あっ、よくある」
 イタワッチさんはここで気付いた顔になって僕に話した。
「トップは二人いらない」
「そんな風でね」
「近藤さんと並び立つから」
「それでね」
「殺されたのね」
「そうみたいだし」
「確かに芹沢さんより生臭いわね」
「あの人の時よりもね」
 もっとも芹沢鴨暗殺もそのトップは二人いらないという話になるだろうか、新選組の中の権力闘争の一環として。
「もっとだね」
「そう言うとどうも」
「ヤクザ映画みたいだよね」
「新選組も」
「何かこうね」
 僕が最近思うことはだ。
「新選組もね」
「ヤクザ屋さんみたいなところあったのね」
「フランス革命程じゃなくても」
「あの革命は極端なのね」
「相当にね」
 裏切り裏切られ、生臭い権力闘争ありでだ。 
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