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星河の覇皇

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第七十三部第三章 国境の防衛ラインその三十九

「あれもか」
「はい、文化でして」
「贅沢をせずともか」
「自然と文化を生み出す存在になっています」
「そこまで至っているか」
「あの皇室は別格です、エチオピア皇室もそうですが」
 この家も古い、一度断絶しているがその歴史は古い。
「あの皇室は質素であるべきという考えで伝統としてです」
「質素であるか」
「そうなのです、しかしサハラは違います」
「連合とはな」
「贅沢にタブーはありませんし」
 伝統という不文律で固められてだ。
「しかも贅沢から文化を生みます」
「この美食にしてもな」
「宮殿もです」 
 即ち建築もというのだ。
「生み出します」
「だからすべきだな」
「はい、しかしです」
「それは傾国であってはならない」
「国を傾ける贅沢は溺れているものです」
 そうした類だというのだ。
「所詮は」
「そうしたものだな」
「溺れる贅沢は愚か者の贅沢です」
「だからそなたはだな」
「しません」
「楽しむな」
「はい、そうです」
 シャイターンは父に答えつつ野菜料理も口にした、やはり香辛料を効果的に使って味付けをした炒めたものだ。
「楽しむことと溺れることは違います」
「堪能とはな」
「溺れることはそれに囚われています」 
 贅沢にというのだ、もっともそれは贅沢とは限らない。
「それはあってはなりません」
「囚われるなぞな」
「程度の低い者です、私は違います」
「程度の低い者とはだな」
「美酒を飲めどです」
 実際に最上級の赤ワインを飲みつつ言った。
「この味や酔いを楽しんでもです」
「溺れない」
「そうです」
 まさにというのだ。
「そうしますので」
「だからだな」
「私は贅沢を楽しむのです、そして」
「今の通りだな」
「贅沢からもサハラに多くの華を生み出します」
「では頼むぞ」
「そうします、では間もなく」
 父にあらためて言った。
「ここを出ます」
「出陣だな」
「弟達と将帥達を連れて行きます」
 ティムール軍の彼等をというのだ。
「そしてそのうえで」
「勝って帰って来るな」
「はい、そしてサハラの帝都ですが」
 統一されたサハラの中心であるそこはというと。
「やはりです」
「バグダートか」
「あの星系をと考えています」
「サハラの中心にあり交通の便もよくか」
「広大で開け今の時点で商業と産業がかなり発展しています」
 だからだというのだ。
「ですから」
「あの星系をだな」
「帝都にします」
 統一の時はというのだ。 
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