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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十六話 オートバイ仲間その一

               第二百五十六話  オートバイ仲間
 メイド部を後にした僕は校庭の方に出ようと思った、そこでキャンプファイア―が行われるのでその準備の状況を見ようと思ってだ。
 それで今自分がいる校舎を出て校庭に出ようとすると横から聞き慣れた声が来た。
「何処に行くの?」
「その声は」
 声に反応してそこに目をやるとイタワッチさんがいた、青いつなぎの作業服姿でオイル塗れになってオートバイの横に座っている。
 そのイタワッチさんに僕は言葉を返した。
「校庭に行くつもりだけれど」
「そうなの」
「そう言うイタワッチさんは」
「私は見ての通りよ」
「オートバイの手入れだね」
「それをしてるの」
 僕に笑顔で話してくれた。
「丁度ね」
「そうなんだ」
「そう、ちょっとショーやってね」
「モトクロス部のだね」
「その後でね」
「手入れしているんだ」
「整備ね、定期的にそうしないと」
 整備、それをしないとというのだ。
「駄目だからね」
「オートバイもそうだよね」
「だからなの」
「今は整備中だね」
「しっかりとね、それでこれが」
 イタワッチさんは僕に笑ってこうも話した。
「乗る時と同じ位楽しいのよ」
「整備の時も」
「そうなのよ」
「整備好きなんだね」
「大好きよ」
「乗るのと同じだけ」
「そう、だからね」
 それでとだ、僕に笑顔で話してくれた。
「今結構楽しんでるのよ」
「頭と身体を使うから」
「両方ね、機械触るってね」
 それ自体がというのだ。
「楽しいからね」
「それでなんだ」
「今楽しんでるわ、それで終わったら」
「それからだね」
「今度はね」
 どうするかとだ、僕に話してくれた。
「シャワー浴びてね」
「汚れを落とすんだね」
「作業服は部の洗濯機に入れて」
「それで洗って」
「そしてキャンプファイア―に出るわ」
「イタワッチさんもだね」
「相手もいるし」
「ってことは」
 この言葉からだ、僕もわかった。
「イタワッチさんも」
「実は今日告白されたの」
「今日なんだ」
「モトクロス部の子からね」
「同じ部活の」
「そうなのよ、そのこともあって」 
 にこにことしてだ、僕に話した。
「今凄く機嫌がいいのよ」
「整備もしていて」
「それでね、それとね」
「それと?」
「義和もキャンプファイアー行くのよね」
「ちょっと観に行くつもりだよ」
「踊らないの?」
「相手いないから」 
 イタワッチさんに笑って答えた。
「だからね」
「踊りはしないのね」
「観ているだけだよ」
 本当にそれだけのつもりだ。
「僕はね」
「寂しいわね」
「そう言ってもね」
 このことについてはだ。 
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