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星河の覇皇

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第七十三部第三章 国境の防衛ラインその三十

「フランスはそういったことが原因で敗れた」
「機動力を使わず通信も劣悪だった」
「そしてその為にですね」
「兵力は互角で装備もよくイギリスの援軍もあったというのに」
 これだけ好条件が揃っていてもだったのだ。
「敗れましたね」
「それも敢なく」
「首都パリは無血開城」
「そうなりましたね」
「実に情けない敗北だった」
 フランスにとってはとだ、シャイターンはシニカルに言った。
「充分に勝てたがな」
「戦力や状況だけを見れば」
「可能でしたね」
 実はここにフランスの当時の平和主義や前述のガムラン元帥を代表とする人材の問題もあったのだが。状況だけを見ればそうだった。
「それが出来なかったことは」
「機動力、通信もですね」
「だからですね」
「我々はそちらも使いますね」
「機動力も使い」
「そうだ、アッディーン大統領を見るのだ」
 その彼もというのだ。
「彼は機動戦が得意だな」
「はい、その通りです」
「思わぬ急襲とアステロイド帯を突破したうえでの敵基地の襲撃もです」
「全て機動力からですね」
「それを使ってこそですね」
「彼は機動力を使ってだ」
 そうしてきてというのだ。
「今に至っている」
「だからですね」
「我々もですね」
「そうして戦いますか」
「機動力を駆使して」
「通信も」
「サハラの戦争は騎兵と騎兵の戦いだ」
 シャイターンはここでこう例えた、この地域でのそれを。
「機動力を駆使し合って戦う」
「それも軽騎兵ですね」
「特に速いですね」
「素早く動きつつ戦う」
「そうした戦いたでえすね」
「だからだ、我々も同じだ」
 ティムール軍もというのだ。
「機動力を駆使せずしてどうして戦う」
「連合軍と違いますね」
「彼等とはですね」
「あの国の軍隊は機動力をあまり重視していない」
 彼が前まで歴訪していた国、もっと言えば国家連合であるので国々と言ってもいい。この国についてはそうなるのだ。
「重装備で戦う軍隊だ」
「数と物資と合わせ」
「そしてシステムで」
「そうしたもので戦う軍隊でだ」
 それでというのだ。
「通信は我々より遥かに上だが」
「機動力はですね」
「それはですね」
「使わない」
 サハラ程はというのだ。
「そうした軍隊だ」
「連合軍についてはですね」
「そうした軍隊ですね」
「我々とはそこが違いますね」
「根本的に」
「そういうことだ、そうした考えもある」
 戦術として、というのだ。
「しかしサハラではそうだ」
「軽騎兵ですね」
「これで戦う軍隊ですね」
「素早く動いて戦う」
「そして勝つものですね」
「そうだ、だから数は足りず守らざるを得ない状況になってもだ」
 それでもというのだ。 
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