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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十五話 沢山飲まないとその十一

「限界がきて駄目になっていったんだ」
「二十年位の違いで」
「大正生まれの野口二郎って人はね」
「どうだったの?」
「連日連夜投げて信じられない大記録を次々と打ち立てたんだ」
「そんなに凄かったの」
「十年代の人だと稲尾さんや杉浦さんだけれど」
 稲尾和久、そして杉浦忠だ。二人共レジェンド中のレジェンドで今から見ると文字通りの化けものだ。
「この人達が限界に来る様なことも」
「ずっと投げてもなの」
「平気だったんだ」
「そうだったの」
「大正時代の人はね」
 僕が調べた限りではだ。
「強かったんだ」
「身体がね」
「違ったのね」
「それがね」
「昭和の頃の人は」
「身体の強さが違っていて」
 そのせいでだ。
「問題もね」
「あったのね」
「大正時代に活躍した人が」
 鶴岡さんにしても三原さんにしてもだ、勿論三原さんのライバルだった水原さんにしても同じことだ。
「昭和三十年代に監督になって」
「昭和生まれの人を使っていて」
「選手としてね」
「大正の人の身体の感覚で使って」
「それでね」
 戦前はもう一年間ずっと一人で投げていた、鶴岡さん達はその頃に現役だった。
「選手の人達も数年で限界がきたんだ」
「そうだったのね」
「稲尾さんも杉浦さんも凄かったよ」
 このこと自体は事実だ。
「それでもね」
「大正の人達とは違うから」
「身体がね、だからね」
「大正の人達は平気でも」
「昭和の人達には限界がきて」
 数年のうちにだ。
「選手生命が短かったりするんだ」
「そうだったのね」
「僕この話親父に言われたんだ」
 こうモンセラさんに話した、そしてテレサさんにも。
「医学の関係でね」
「医学の進歩で」
「小さい頃に亡くなったりした人が生きる様になって」
「身体の弱い人達も」
「生きられる様になって」
 そうしてだ。
「人も増えてね」
「子供が死ななくなって」
「大人まで生きられる様になったから」
「どんどん変わったのね」
「そうなんだ、そして今だと」
 僕は現代の話もした。
「ピッチャーが先発で連投とかないよね」
「ないわよね」
「その大正の人達が監督していた頃は」
「ピッチャーは連投していたのね」
「稲尾さんも杉浦さんも」
 この人達もだ。
「連投が常だったんだ」
「そうだったのね」
「そう、けれど」
「昭和の人達だと駄目だったの」
「もうそのことは仕方ないから」 
 身体の頑丈さはだ。 
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