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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ

作者:炎の剣製
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048話 学園祭編・準備期間(04) 超の企みと学園祭前夜

 
前書き
更新します。 

 




あの珍事件から数日経ち、ネギ君ほどではないが何名かに出し物に誘われて出来るだけいけるようにするといっておいた。
そして学園祭前日となり俺はタカミチに魔法関係者を集めてくれないかと頼まれて俺と姉さん、ランサー、小太郎を連れて世界樹前広場に集まった。
相坂は最近よく朝倉と一緒にいるので今回は呼ばなかった。
そこにはまだネギ君や刹那は来ていないが知っている限りで何名かの知人が集まっていた。

「学園長、自分の関係者を連れてきましたが…」
「ほ、よく来たの。何名か知っているものがいるかもしれんがまだ初見の者もおるじゃろ。ネギ君達が来る前に挨拶をしておいたらどうじゃ?」
「そうですね」

それで魔法先生及び生徒達がいる場所に俺達も入っていった。
そしてタカミチやガンドルフィーニ先生、刀子先生、瀬流彦先生、明石教授などと挨拶した後、他にも何名か知らない教師がいたので話しかけてみた。
それでシスター・シャークティに話しかけたが陰にどこかで見た人物がいるような…ふむ。

「お前、春日か…?」
「い、いやですよー。違いますって」
「いや、もう分かっているから隠さんでいい…微量の魔力を感じていたがお前もそうだったとはな…」
「はぁ…。はい、まだ見習いっすけど…」
「そうか」

後、他にもいた弐集院先生と神多羅木先生などとも挨拶を交わした後、生徒の方に目を向けた。
高校の制服を着ている子は知らないが、

「佐倉に夏目、お前達も魔法生徒だったのだな」
「は、はい!」
「よく授業ではお世話になっています」
「愛衣? この方をご存知なのですか?」
「え? お姉さまはご存知なかったんですか? この先生が今魔法世界で『鍛冶師エミヤ』として、そして相当な実力者としても有名な衛宮先生ですよ」
「まぁ!? そうだったのですか!」
「君は…?」

俺の名が知れた途端、すごいはしゃぎようだと思ったがここは優しく聞いてみることにした。

「私の名は高音・D・グッドマンです。会えて光栄ですわ衛宮先生!」
「そ、そうか。俺は衛宮士郎だ」
「はい。私のことはどう呼んでも構いませんわ衛宮先生」
「そうか。では今後は高音と呼ばせてもらおう」
「はい」

それで他の三人もあらかた挨拶も済んだ頃に、ネギ君達がやってきた。
ネギ君と刹那はこの事実は知らなかった為ひどく驚きの表情をしていた。
それからあらかた自己紹介も済ませて学園長はここに集めた理由を話し始めた。
なんでも今生徒達の間で話題になっている麻帆良祭最終日に世界樹の下で告白すると必ず結ばれるという都市伝説のような噂で有名な『世界樹伝説』が実は真実の話だということ。
話によると22年に一度、その噂が現実の物となるという。

「世界樹と呼ばれるこの樹の正式名称は『神木(しんぼく)蟠桃(ばんとう)』と言う強力な魔力を秘めた魔法の樹であり22年に一度の周期でその魔力は極大に達して外へ溢れ出し、世界樹を中心とした6ヶ所の地点に強力な魔力溜まりを形成する。
その膨大な魔力が人の心に強く作用し、世界征服。百億円欲しい。ギャルのパンティおくれとか、俗物な願いは叶わないがこと告白に関する限り、成就率120%と言う呪いと呼ぶに相応しい現象を引き起こしてしまうのじゃ。
本来なら来年に発生する事態であったが、異常気象のせいか1年早まり今年発生する事になってしまった。そこで今回の緊急招集となった訳じゃな」

それからも学園長や刀子先生、明石教授による説明が行われていたが、それとは別に俺と姉さん、ランサーは顔を少し真剣にさせながら念話をしていた。

《姉さん、ランサー…これは…》
《ああ、そうだな。まるで聖杯のようだぜ。一見お気楽な話だが正常に起動している以上あの汚れた聖杯より厄介な代物だぜ》
《そうね。これを利用しようとしている者もきっといると思うから気をつけなければいけないわ》
《呪いって時点で余計な…》

「そういうことじゃ。マジでマズイのは学祭最終日じゃが、今の段階からそれなりに影響が出始めておる。生徒には悪いが、この6ヶ所で告白が起きないよう見張って欲しい」

そして学園長の話が一段落ついたところでふと視線に気づくとそこにはなぜか相坂がいて別に放っておいても大丈夫だろうと思ったがそれとは別に俺の解析の目が機械物を探知して懐から出すようにナイフを投影して徹甲作用を用いてそれに向かって投擲した。相坂には事前に下がれと念話はしてある。
気づくと神多羅木先生も無詠唱で風属性魔法の刃を放っていた。
着弾はほぼ同時で機械は迷彩がとけて俺と神多羅木先生の攻撃により粉々に砕け散っていた。

「魔法の力は感じなかった…機械だな」
「生徒か…やるなぁ―――人払いの結界を抜いてくるとは」
「ウチの生徒は侮れませんからね。しかし衛宮君もなかなかやりますね。おそらくあれに一番に気づいたのは君だと思うよ?」
「そうですか? 明石教授…自分は神多羅木先生の方が早かったと思いますが…」
「いや佐倉が気づかなかったら俺も反応が遅かっただろう…」
「追います!」

一瞬呆気に取られていたようだがすぐにガンドルフィーニ先生、高音、佐倉が機械を操っていた人物の捜索を開始してその場から姿を消した。
そして最後に学園長の、

「さて…たかが告白と思うなかれ! コトは生徒達の青春に関わる大問題じゃ。ただし魔法の使用にあたってはくれぐれも慎重に! よろしく頼むぞ!」

という声によってその場で全員解散となり人払いの結界が解けたのだろう…一般の生徒達が増えだしてきた。
それで次々といなくなっていく中、俺達も解散しようと思ったが学園長に一度引き止められて、

「ネギ君も士郎君もくれぐれも告白されんようにな。特に士郎君はこのかが特に気に入っておるのだからこちらは知っておるのじゃから事前に伝えとくように」
「き、気をつけます」
「それは私が伝えときます、学園長」
「ふむ、任せたぞ刹那君。それでネギ君の方は大丈夫かの?」
「え゛…? いやぁ、大丈夫ですよ!」

その反応に学園長は怪訝な顔をしたがネギ君は思いっきり大丈夫です! といって否定していた。
俺もそこは大丈夫なのか不安になってきたな? あまりに多すぎるからな。



──Interlude



その後、士郎達と別れたネギ、カモミール、刹那、小太郎は誤解もあったが超鈴音を助けるに至る。
ネギの説得もあり追っていたガンドルフィーニ達は今回だけは処分を見送った。
そしてお礼にネギに懐中時計を上げた超鈴音は学園祭前夜の夜、世界樹が光る中、葉加瀬聡美と茶々丸とともに気球船の上に立ちながら、

「ネギ先生達はいかがでしたか―――?」
「うむ。茶々丸のデータやハカセの話で知ってはいたが思たよりも良いやつだたヨ。気にいたネ♪ うまく仲間に引き込めればかなり使えるかも知れぬヨ…しかしネギ坊主以外に注意する者は三人いるネ」
「イリヤ先生にセタンタ・フーリン…いえ、真名をクー・フーリン。そして衛宮先生ですね」
「うむ、茶々丸のデータを見せてもらい彼らの過去を見せてもらったが恐らくこの学園で一番の強敵になる可能性大ネ。
でもネギ坊主同様引き込めたらこれほど心強い仲間はいないヨ。逆もまたしかりで私の目的を知ったら排除してくるかも知れぬが…ま、そんな天文学的数値は期待しても損するだけネ」

一回ため息を吐いた超鈴音は、だが不敵に笑い、

「これからが楽しみネ…」

と、一言だけ告げた。



Interlude out──


 
 

 
後書き
短めですね。
次回は幕間を二話挟みたいと思います。 
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