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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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決着

「ぐ…あ、ああああっ…!」

試合が終わったのと同時に佐久間くんがうずくまる。

「救護を要請します」

瞳子監督もすぐさま救護を要請する電話をする。

「佐久間!佐久間…!!」

うずくまる佐久間くんに最初に駆け寄ったのは源田くんだった。

そんな佐久間くんと源田くんを見て、怒りの限界になったのか鬼道くんが叫ぶ。

「……っ!!影山ぁぁぁっーーーーー!!」




「まさかあれ程やわだとは…。使えねぇ奴らだ。ねぇ影山総帥…」

不動がそう影山に話し掛ける。

「使えないのはお前だ!」

「なっ…!?」

思いがけぬ影山の言葉に不動は驚く。

「私は一流の選手を集めて来いと言ったはずだ。…だが、お前の集めてきた選手は全て二流。お前自身含めてな」

「…二流?この俺が二流だと!?」

「お前の魂胆くらい見抜けぬ私ではない。私を利用しこの真帝国学園の一員として雷門を倒し、あのお方に認めてもらおうとしていたくらいな」




私たちの上空には鬼瓦さんが乗っているヘリが飛んで来た。

「もう逃げられんぞ影山ーーーー!!」

影山は鬼瓦さんの方を見てニヤッと笑うと、ボタンを押した。

ドガァァァァン!!

突如として真帝国学園の潜水艦が爆発し始めたのだ。

「逃げるんだーー!!」

鬼瓦さんの声が響き渡る。

「…キャプテン!!お兄ちゃんがいないんです…!」

春奈ちゃんが円堂くんに声をかける。

「…っ!まさか!」




「佐久間や源田をあんな目に合わせて満足か!!」

「満足…?出来るわけなかろう!常に勝利する最高のチームを作りあげるまではな!!」

鬼道の叫びに影山が答え、そしてまた口を開く。

「これまで私が手掛けた最高の作品を教えてやろう!…それは鬼道!お前だ!!」

爆発が更に激しくなり鬼道を鬼瓦がヘリで救出し脱出する。

「影山ーーーーーー!!」




「天空橋早く!!」

私が爆発の中、登って来た階段に向け黒薔薇くんの声に向かって走る。

「はっ、はっ、はっ…!」

パラ…パラッ…

「…えっ?」

グワァシャーーーーン!!

「天空橋ぃぃぃー!!」


私は立ち尽くした。

階段目の前。
目前にして崩壊していた瓦礫が落ちて来て、出口を塞いだのだった。

「う、嘘……」

私はその場に崩れ落ちる。

「心美さんっ!!心美さん…っ!!」

瞳子監督の声が聞こえてくる。

「……し!て………ばしっ!!」

黒薔薇くんの声…。でも、爆発の音であんまり聞こえないや…。

ガシャーーーーン!!

また近くの瓦礫が崩れ落ちる。
潜水艦は浸水しているんだろう。足元に水が流れてくる。

「ぐすっ…、お兄ちゃん……」





ドガァァァァン!!!!

潜水艦が沈んでいく。
俺はその場に崩れ落ちた。

「天空橋…。天空橋ィィィッ!!」

「黒薔薇…」

その時だった。
上空に人影が見えたのだ。

その人影は俺たちに近付いてくる。
黒いマントを羽織っている為、顔は見えない。

「そのボールは…エイリア…ッ!!」

土門がそう叫ぶ。

「いや、待て!」

円堂は土門を抑え前に出る。

「…お前」

黒マントの男はその言葉を遮るようにエコーの掛かった声で話す。

『今は争うつもりはない。私は彼女を返しに来た』

「彼女…?」

俺は袖で涙を拭き話す。

黒マントの男は黒いボールを出すと、その場でワープホールを開き
天空橋をワープホールから出現させた。

「天空橋!!」

「心美さん…!!」

監督も相当心配していたのか、俺と同時に叫ぶ。

『ではな』

「待ってくれ!!」

ワープホールに入ろうとする男に円堂は声をかける。

「天空橋を助けてくれてサンキューな!エイリアも悪い奴ばかりじゃないんだな!!」

男はそんな円堂の言葉にびっくりしたような懐かしさを感じたような反応をすると
ワープホールに消えながら言葉を残していった。

『相変わらずだな円堂』

「えっ…!?」

その言葉が聞こえていたのは俺と円堂だけだったらしく、他のみんなには会話すら聞こえてなかったという。

「今のって…」






「…ん、…あれ私…」

「心美さん!!良かった!」

意識が戻るとの同時に瞳子監督が私に声を掛ける。

周りを見渡すと辺りには救急車。
私は起き上がると、自分が助かっていることを不思議に感じた。

「私…助かったの…?」

「ああ。詳しいことは後から説明するよ」

黒薔薇くんが安堵した表情で声を掛けてくれた。

「天空橋が無事で良かった…!」






「悪いな…鬼道。久し振りだって言うのに…握手も出来ない…」

「構わない…」

鬼道はそう言って自分では握ることも出来ない佐久間の手を握る。

「お陰で目が覚めたよ…。でも…、嬉しかった…。一瞬でもお前の見ている世界が見えたからな…」

その言葉に鬼道は複雑そうな顔をする。

「身体…治ったら…、また…サッカー一緒に…やろうぜ…」

「ああ。待ってる…」



ピーポー ピーポー

鬼道はそのまま佐久間と源田が乗った救急車を見送るのだった。





「君は間違っている。監督の仕事は選手を守ることだ。それが相手チームの選手だとしても」

「選手に起こったことは全て私が責任を負います!」

そう答える瞳子に響木は答える。

「本当にこれが君が望んだ結末かね?…何が君を動かしている?」

「…私は勝たなければいけないんです…!どんなことをしても…!」




ー???ー

「雷門中が真帝国学園との試合は雷門中の勝利に終わりました」

「…そうか」

「影山は炎上した潜水艦と共に海に消えました。もっと役に立つ男かと思いましたが…」

「運命は誰にもわかりません…。何しろ宇宙は謎めいていますからねぇ…」 
 

 
後書き
円堂「あいつは…。」 
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