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星河の覇皇

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第七十三部第三章 国境の防衛ラインその二十五

「だからだ」
「そうしたことも普通に行うものですね」
「勝利の為には」
「これ位はですね」
「そうだ、しかしそれをだ」
 オムダーマンはとだ、シャイターンは言った。
「あの国はさせない」
「事前に警護を徹底し」
「そうしてですね」
「工作員を寄せ付けない」
「しかも憲兵や警察まで動員してです」
「追跡もしていますね」
「工作員、いや人材は宝だ」
 ここでだ、シャイターンはこうも言った。
「サハラのな」
「ティムールの宝でjはないと」
「そして閣下の」
「そうだ、サハラひいてはアッラーのだ」
 こう言うのだった。
「人はな」
「サハラ、アッラーのですか」
「宝ですか」
「そうしたものですか」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「粗末には出来ない」
「では、ですか」
「軽挙はさせず」
「今は潜伏させますか」
「軍人は命を賭けて戦うものだが命を粗末にするものでもない」
 こうもだ、シャイターンは言った。
「出来る限り生きることだ」
「だからこそ、ですか」
「今オムダーマンにいる工作員達に無理をさせませんか」
「潜伏させますか」
「そして機会を待たせますか」
「そこは現場に任せる」 
 そこにいる工作員達自身にというのだ。
「しかしだ」
「時が来ればですね」
「その時はですね」
「動いてもらいますか」
「テロをしてもらいますか」
「官公庁にな、しかしだ」
 ここでだ、シャイターンは周りにいる軍人達にこうも言ったのだった。
「私は常に厳しく言っているが」
「テロは官公庁だけですね」
「一般市民の施設は狙わない」
「民間人のものは」
「民生を傷つけては国家の傷が深くなる」
 それ故にというのだ。
「民衆のものには手を出さないのが政治だ」
「それで、ですね」
「彼等には 何もしない」
「そうされますね」
「これまで通り」
「官公庁は狙い文官も武官も犠牲を出させるが」
 しかしというのだ。
「一般市民は狙うな」
「決してですね」
「そうしたテロはするな」
「オムダーマンにおいても」
「そうだ、止むを得ず犠牲にしてしまうことはあるが」
 その場合はだ、ターゲットの傍にいてだ。
「しかし民間人や民間施設を最初から対象にする作戦は私はさせない」
「暗殺にしてもですね」
「あくまでそのターゲットのみ」
「多くを巻き込むなということですね」
「私は謀略は使うし手段を選ばない」
 自分でも自覚している、シャイターン自身もだ。
 だがそれだからこそだ、彼はこうも言うのだ。
「しかし虐殺者ではないのだ」
「そして政治家、軍人であられですね」
「テロリストではない」
「そうでもありますね」
「そうだ、私は虐殺者でもテロリストでもないのだ」
 このことを強く言うのだった。 
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