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おぢばにおかえり

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第五十六話 卒業式の前その十七

「礼儀正しいしね」
「いいところばかり言うわね」
「実際にどれだけよくしてもらったか」
 ひのきしんもご自身が積極的に動かれますし。私も二年生の人もそれを見て自分もといさむのが常でした。
「そのことは忘れられないからね」
「そう言うのね」
「そうよ。じゃあ先輩と連絡取るわね」
「お願いね、千里は高校時代素敵な出会いがあったのね」
「最初からね」
 その最初が最高の出会いでした。
「あの時お母さんと別れて寮に入った時不安で仕方なかったのよ」
「それお母さんもだったわ」
「そうだったのね」
「誰だってそうだと思うわ。けれど千里はすぐにいい出会いがあったのね」
「そうなの、寮に入ったその時にね」
 あの時のことは忘れられないです、絶対に。
「その人とお会いして」
「同じお部屋だったのね」
「そうだったの、どれだけ色々教えてもらったか」
 そのことを思うと懐かしくて有り難いです、それに先輩はとても奇麗好きな方で凄くいいにピもしましたし。
「いい思い出しかないわ」
「そんな人なのね」
「そうなの。けれどね」
「けれどっていうと」
「あの子は悪く言ったのよ」
 このことも思い出しました。 
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