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星河の覇皇

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第七十三部第三章 国境の防衛ラインその六

「想像出来ないな」
「それはですか」
「そうだ、ではこの部屋もだな」
 執務室、自分達がいるこの部屋もというのだ。
「もう執務室としてはだな」
「はい、使われません」
「ここも博物館の一室となります」
「そしてそのうえで、です」
「歴史資料が展示されます」
「そうなります」
「そうか、この机もだ」
 アッディーンはこの机も見て話した。
「そうしたことで使われるか」
「はい、そうです」
「その予定です」
「大事に保存されてです」
「展示されます」
「そうか、私が今使っている机も」
 アッディーンはまた言った。
「歴史となるか」
「その通りです」
「現在からだな」
「歴史となります」
 現在の政治ではなくだ、そちらのことになってしまうというのだ。
「間もなく」
「そうか、この官邸の全てがだな」
「そうなります」
「歴史か」
「そうです、首都が移転すれば」
「この官邸もそうなるか」
「そうです、ただ副都を置かれるとのことですが」
 今話している官僚はここでだ、アッディーンにこのことを話してきた。
「それではそれぞれの重要な星系をですね」
「そうだ、副都にしていく」
「そうなりますか」
「先程も言ったがかつて地球に存在していた帝国の様にな」
「中華やローマですね」 
 唐は長安だけでなく洛陽も都とされていた、宋は東京開封府が都であったが北京、西京、南京と四つの都を置いていた。明や清は北京の他に南京もそうであった。
「そしてペルシャの様に」
「ああしてですか」
「副都を複数置き」
「そうして治めていきますか」
「それぞれの地域をな、だがあくまで中央集権とする」
 分権ではなく、というのだ。
「そうしていく、それにこのアスランはオムダーマンの首都だったな」
「では旧オムダーマン領のですね」
「行政の中心地とする」
 サハラ全体の帝都としては最早不都合であるがというのだ、場所も規模も。
「そうしていく、そして行政の中心だからな」
「経済や文化もですね」
「旧オムダーマン領の中心地になりますね」
「これからも」
「そうなりますね」
「地方の有力な星系となる」
 その旧オムダーマン領のというのだ。
「そうなる」
「このことはそのままですね」
「地方政治の中心ですか」
「そうなっていきますか」
「そうだ、そうした意味でアスランはまだ栄える」
 地方の行政等の中心地としてというのだ。
「もっとも今まで人口は増えていないな」
「経済規模もです」
「オムダーマンの領土は確かに飛躍的に拡大されましたが」
「サハラの六割五分までに至りましたが」
「しかしです」
「この星系の規模はそのままです」
「人口も経済規模もです」
「オムダーマン自体は急激に拡大されましたが」
 それでもというのだ。 
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