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星河の覇皇

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第七十三部第二章 油断出来ない男その二十五

「是非だ」
「はい、用いられてですね」
「そうしてですね」
「エウロパに貢献してもらう」
「そうしてもらいますね」
「そうだ、是非な」
 ギルフォードの言葉は強かった、そしてこの言葉を終えるとだった。彼は手元にあった紅茶を飲んで言った。
「この紅茶にはブランデーが入っているな」
「はい、そうですね」
「総統が今飲まれているのはそうした紅茶ですね」
「今はそちらを飲まれていますか」
「そうだ、これもまたいい」
 ブランデーティーもというのだ。
「英気をくれる、この一杯の紅茶を飲みだ」
「またですね」
「仕事に励まれますね」
「そうする、紅茶はいい」
 ギルフォードは無類の紅茶好きだ、それこそ連合特有のレモンティー以外の紅茶なら何でも飲むし毎日常に飲んでいる。
 それでだ、今はブランデーティーを飲み言うのだ。
「こうして飲んでいるとだ」
「英気が養われ」
「そうしてお仕事にも励めますね」
「紅茶を飲めない生活は考えられない」
 ギルフォードにとってはだ。
「そして誰もが紅茶を飲める」
「そうした国でないとですね」
「意味がありませんね」
「誰もが紅茶を楽しみ英気を養える」
「そうした国でないと」
「どうしようもない、そして今日飲んでいる紅茶よりもだ」
 それよりもというのだ。
「明日の紅茶はよりよくなる」
「そうした紅茶にすべきですね」
「明日の紅茶は」
「そうすべきですね」
「一日ごとにだ」
 まさにとだ、ギルフォードはまた言った。
「紅茶もよくならなくてはならない」
「国家は一日ごとによくなっていくべきであり」
「それは茶も同じですね」
「他のあらゆることも」
「そういうことですね」
「人材も同じだ」
 彼等もというのだ、エウロパを支えるべき。
「今日よりも人材を揃えてだ」
「そしてですね」
「明日に向かいエウロパを発展させるのですね」
「そうしていきますね」
「そうだ、優れた人材を集めていくのだ」
 まさにというのだ。
「昨日よりも今日、今日よりも明日だ」
「人材を集め」
「そうしていってですね」
「エウロパを強くするのですね」
「だから教育も改革を行わせているのだ」
 そちらもというのだ。
「心身を厳しく鍛えるな」
「そうした風にされていますね」
「そう変えておられますね」
「これまで何処か緩やかになっていましたが」
「それを」
「忌まわしいが二十世紀の日本を見ることだ」
 歴史にあるこの国をというのだ。
「彼等は当時は小国だった、しかし我が英国を圧倒した」
「第二次世界大戦で」
「イギリス軍をですね」
「瞬く間に太平洋から追い出してしまいましたね」
「そうしましたね」
「それが出来た理由はだ」
 それはというと。
「恐ろしいまでの訓練によってそうなった」
「だからですね」
「日本軍はあまりにも強かった」
「そうなりましたね」
「あの軍隊は強かった」
 日本軍はというのだ。
「北欧神話のエインヘリャルの如くな」
「そうなったのは訓練によるもの」
「人材は育てられるというのですね」
「だからこそ教育を改革してですね」
「人材を育てるのですね」
「これからはな、連合に負けないまでのだ」
 あくまでそれを目指すのだった。
「人材を育てていくのだ」
「昨日よりも今日ですね」
「そして今日よりも明日ですね」
「そうしていきますね」
「人材も育てていきましょう」
「紅茶の様にな」 
 こう言ってだ、ギルフォードは今は紅茶を飲むのだった。その紅茶は彼が満足出来るだけの味だった。その味を楽しんでから仕事に戻るのだった。 
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