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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  EPISODE18『己の歌』

「ノイズだと、括ったたかが、そうさせる。」
「ノイズでは…ない!?」
「たった一度の敗北で許されると思って?」
「アルカ・ノイズ。何するものぞ、シンフォギア!」

「黙ってろ。」
ディロードG4はギガントからミサイルを放つ。そのミサイルはクリスの頭上の瓦礫を破壊し、それらはクリスとエルフナインに降る。
「間に合った!」
はずだった。
「きたのか。ガングニールの装者。」
ディロードG4はそう言うと、時間切れで変身が強制的に解除される。雅達の前には撃槍・ガングニールの装者にしてこの世界の主人公、立花響がいた。
「貴方達は何者ですか!?」
響は構える。
「レイア、ここは退こう。彼女を狙うのはもう少し後だ。ガリィとミカの仕事だからな。」
雅はレイアに伝える。
「了解した。ではここは退こう。」
レイアは転送の術を使い、雅はワープのアタックライドを使い、それぞれチフォージュ・シャトーに帰還する。
「クリスちゃん、大丈夫?」
響はアームドギアが消失して一糸まとわぬクリスに近づく。
「ああ、問題ねぇ。けど、こいつが!」
クリスは気絶しているエルフナインを見て言う。
「とにかく、一旦戻ろう。」
響はクリスに衣服を渡してS.O.N.G.に戻る。

「とりあえず、第一段階はこれで問題ないですね。」
雅はキャロルに言う。
「ああ、よくやってくれた。」
雅の言葉にキャロルは返す。
「マスター、ところでこいつ何?」
ガリィは露骨に嫌そうな顔をして言う。
「こいつは協力者だ、今のところはな。」
「なるほど、協力者というのは事実でしたか。」
レイアはキャロルと雅の顔を交互に見ながら言う。
「それで、彼の思い出は貰ってもいいのかしら?」
ファラは興味深く雅を見る。
「僕の記憶なんて、不味いと思いますけど、それでもよければ。」
雅は言う。
「へぇ~、それなら貰っちゃお。」
ガリィは雅は記憶を受け取る為に口付けをする。そして、数秒経つと、
「うぇっ!?何、こいつの思い出!こんなのなら熟れ寿司やシュールストレミングの方がまだマシだっつーの!」
ガリィは唾を吐く仕草をして普段の甲高い声とは全然異なる声で言う。
「だから言ったでしょう。僕の記憶なんて不味いって。」
「てかマスター。こいつ、強化されたシンフォギアにマスターが負ける思い出を持っていましたけどどういうことですか?」
「ああ、それについては、エルフナインを意図的に逃がしたことにも関係している。」
ガリィの質問にキャロルは答える。
「意図的に逃がした…とは?」
レイアは質問する。
「このチフォージュ・シャトーはダインスレイフの呪いを受けて初めて真の力を発揮する。故に、今のシンフォギアで勝てない奴らはダインスレイフの力を使うだろう。それがオレの狙いだ。」
キャロルは自身の作戦をオートスコアラー達に告げた。

その頃、S.O.N.G.によって保護されたエルフナインは敵の正体とその目的を説明していた。
「今回クリスさん達を襲撃した者達はディーンハイムの錬金術師の操る自動人形達です。その目的は万象黙示録と呼ばれる世界の解剖にあります。」
「世界の解剖って?」
響はエルフナインに聞く。
「言葉の通り、世界を分解してその核を調べることです。」
「それって、世界が無くなっちゃうんじゃ!?」
響は驚く。
「それで、そのクリス君を襲撃した自動人形に協力している者が誰か、君は知っているか?」
弦十郎は質問する。
「いいえ、僕はあの男性のことも、あの力が何なのかも解りません。ですが、この世界の力では無いことは解ります。」
エルフナインはわからないなりに考察を述べる。
「どうしてそう言い切れるのだ?」
「はい、シンフォギアにしても、ディーンハイムの錬金術にしても、必ず特定の波形が存在していますが、あの人の使う物にはその波形が一切存在しません。それが、この世界とは無関係な力であることの証拠です。それで、僕がここに来た理由を話していませんでした。」
「それで、君が来た理由は?」
「僕が来た理由、それはあの子を、キャロルを止める為です。」
「キャロルって、あの子を?」
エルフナインの言葉を聞いて響はびっくりする。響はクリスを救出する前に、キャロルと会っているからだ。
「はい。それで、キャロルの目的を止めるために、僕はあるものを持ち出しました。」
エルフナインは自身が抱えていた細長い箱をあける。その中には、黒く禍々しい剣が入っていた。
「これはドヴェルグ=ダインの遺産、魔剣ダインスレイフ。これをシンフォギアに搭載して暴走状態を意図的に引き起こして、その力を制御。ブーストされたシンフォギアでキャロルとオートスコアラー達を叩く。作戦名、プロジェクト・イグナイト。」
キャロルは自身の目的を説明した。

翌日、雅は探索魔法を展開している。
「…ん?ガングニールの装者が動き始めた。ガリィ、行くぞ。」
雅は言う。
「何でてめえが仕切ってんだよ。」
ガリィは露骨に敵視する口調で言う。
「行ってやれ、ガリィ。」
「は~いマスター。ガリィ、行っきまぁす☆」
ガリィは急に態度を変えて雅と共に響のいる所に向かった。

「どうしたの、響?」
響の見せる暗い顔色を見て、響の親友である小日向未来は響に聞く。
「うん、実は…」
響が話そうとすると、
「おやおや、ごきげんよう。」
「この間はどうも。」
ガリィと雅が現れ、
「行け。」
雅はテレポートジェムを投げてアルカ・ノイズを呼び出す。
「あいつらは!?」
響は未来の手を引いて雅達から逃げる。
「おいおい、どうした?」
しかし、逃げた先には雅達が先回りして待ち構えており、アルカ・ノイズの攻撃が響に向けられる。響は咄嗟に避けるが、靴が攻撃を掠めてしまい、響の靴は塵になって分解される。
「どうした、戦わないのか?」
雅の指示でアルカ・ノイズ達は動き出す。すると、突然黒い車が乱入し、その中からマリアが飛び出す。
「マリアさん!?」
響が驚いていると、マリアは響からガングニールのペンダントを取り上げ、
「Granzizel bilfen gungnir zizzl」
ギアを起動させ、かつて自身が纏っていた武装、烈槍・ガングニールを纏う。
「なるほど、これは予想外だ。」
「何が予想外だよ。全部知っているくせに。」
「こういう時はそう言うのがルールみたいなものだ。」
雅の言葉にガリィは文句を言いつつも、仕方なく共に行動する。
「♪この 胸に宿った 信念の火は 誰も 消すことは出来やしない 永劫のブレイズ」
マリアはガングニールのアームドギアを振るい、アルカ・ノイズ達を倒して行く。
「♪今 たとえこの身を 焼きつくそうと 信ず我が道のためなら 天になってもいい」
「仕方ないな。」
【CHANGE RIDE-MEGA URUOUDER-】
雅はディロードライバーをメガウルオウダーに変える。
{stand by?}
雅はネクロムゴースト眼魂を起動させ、メガウルオウダーにセットし、メガウルオウダーに認証させる。
{yes sir!loading…テンガン!ネクロム!メガウルオウド…crash the invader!}
雅は仮面ライダーネクロムに変身し、構える。
「♪絶対に譲れない 夢が咆え叫ぶよ~ 正義の為に 悪を貫けぇ!」
マリアはネクロムとガリィに向かって突き進む。
「♪涙などいらない 無双の一振りよ!」
マリアの覇気を見たネクロムはグリムゴースト眼魂を取り出す。しかし、
「♪覚悟を!今かまえたら!誇りと~ちぎ…ッグァァァッ!」
マリアのガングニールはネクロムに届くことは無く、適合値の限界を迎えてマリアの装備は自壊してしまう。
「っく、ここまでか!」
ギアを失い地面に伏せたマリアは立ち上がる。しかし、
「歌う事すら出来ない槍に戦えない槍。わざわざ分解する必要は無いだろう。ガリィ、今回は退くか。」
「私もすっかり興ざめだよ。まさかどっちもハズレ装者だったなんてな!」
雅は変身を解除し、ガリィと共に去って行く。
「大丈夫か?」
マリアは響を案じて近づく。しかし、
「返してください!それは私のガングニールです!」
響は近づくマリアからガングニールのペンダントを取り返す。
「…ああそうさ!それはお前のガングニールだ!あの時ガングニールが認め、私から奪っていった、お前のガングニールだ!」
響の態度を見たマリアはそう言い返す。かつて、マリアが敵であったころ、響はガングニールのギアの破片が体に取り込まれている状態で戦っていた。しかし、ある理由で体に呑み込まれたガングニールは消え、響は一度装者では無くなった。しかし、マリアとぶつかり合い、当時マリアが使っていたガングニールのペンダントはマリアの元を離れ、響の方に行き、響は今はそれを使って戦っている。マリアにとって、自分をも認めさせたはずの響が戦わないことに憤慨していた。こうして、響とマリアとの間に溝が生まれてしまう。

「さて、これで響はいやがおうでも戦わざるをえない。」
雅はキャロル達と話していた。
「で、どうやって戦わせるんだ?」
キャロルは関心を示す。
「彼女は今まで、自分の守るべき場所の為に戦っていた。それが奪われるともなれば、彼女は戦うだろう。」
「そうか…」
「さて、動き出したようだ。キャロル、ミカを動かしてもいいか?」
「構わん。ガリィ、頼む。」
「は~い、わかりました!」
ガリィはまだ動いていない赤いオートスコアラーに口づけをして、そのオートスコアラー、“火”の属性を司る最強の機体、ミカ・ジャウカーンを起動させる。
「…ん、眠いゾ?あれ?ガリィだゾ!起こしてくれてありがとうだゾ!」
ミカは嬉しそうに言い、
「そいつはなんだゾ?解剖したいゾ!」
雅に興味を示す。
「待て、ミカ。そいつはオレの協力者。バラされると困る。」
「分かったゾ…」
「ミカ、ガリィ、雅と共にこいつを狙え。」
キャロルが見せた映像には未来が映っていた。

「響、本当に大丈夫?」
「うん。平気、へっちゃらだよ!」
響は自分が元気であるようにみせる。すると、
「見つけたゾ!よし、これから解剖タイムだゾ!」
ミカが現れ、未来にその刃の爪を放つ。
「未来、こっち!」
響は未来を連れて逃げる。
「ん?鬼ごっこなら負けないゾ!」
ミカは走り出す。
「未来、大丈夫?」
響は走りながら未来に質問する。
「私は大丈夫。それよりも、響の方が変だよ。」
陸上部である未来にとっては走ることくらい何ともないが、響の様子を不審に思う。すると、
「追い着いたゾ!犬も、猫も、みんな解剖しちゃったゾ!だから今度は、お前達の番だゾ!」
ミカは響達の隠れていたビルを崩すように分解して行く。そして、ついにビルは崩れ、未来は落下してしまう。
(そうだ!もう迷っちゃいけない!もう失うかもなんて、思っちゃいけない!)
響は飛び降りる。そして、
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
響はついに撃槍・ガングニールを纏う。
「ついにきたか。」
雅はガリィと遠巻きに眺めていた。
      己の歌

次回予告
ついに槍も折られる。しかし、それこそが修復の始まり。守護者達の誇りが試される。次回『抜剣』 
 

 
後書き
新カード紹介
メガウルオウダー:ディロードライバーをメガウルオウダーに変えて仮面ライダーネクロムに変身する為のカード 
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