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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百五十二話 ふわふわ卵その十二

「余計にそう思うよ」
「その気持ちはね」
「ラブポーンさんもわかってくれるかな」
「何となくにしても」
 それでもという返事だった。
「わかるわ」
「それは有り難いよ」
「うん、ただね」
「ただ?」
「いや、幕末と維新って深いのね」
 ふわふわ卵を食べてからお茶を飲みつつ僕に言ってきた。
「随分と」
「うん、人と人の絆もね」
「あったのね」
「友情もあったし恋愛もね」
 こちらもだ。
「坂本龍馬さんとおりょうさんも」
「そうなのね」
「高杉晋作さんもね」
「あの人もなの」
「西郷さんにもロマンスあったし」 
 こうした話がだ。
「流罪になった時に」
「二回位そうなってるのよね」
「最初の時にね」
 奄美大島で流罪になった時にだ。
「そこで出会いがあって」
「それでなのね」
「そうしたお話もあるんだ」
「そうだったの」
「男の人にも子供にも人気があって」
「女の人にもなのね」
「それだけ魅力があったんだろうね」
 西郷隆盛という人にはだ。
「だから明治帝も気に入っておられたんだ」
「主君の方も」
「そしてどうして西南戦争に参加したかわかっておられて」
「逆賊ではないって言われたのね」
「そうだったんだ」
「いいお話ね」
「うん、そして誰もがね」
「西郷さんを逆賊じゃないって」
「そう認めていたから」
 それでだ。
「今もね」
「逆賊になっていないのね」
「抜刀隊の歌も」
 この軍歌もだ。
「西郷さんが敵だけれど」
「そんな歌あるの」
「軍歌でね」
「ああ、そっちの歌ね」
「こっちで歌っているけれど」
 それでもだ。
「物凄くリスペクトしているんだ」
「敵でもなのね」
「古今無双の英雄だってね」
 敵の大将その人ことまさに西郷さんなのだ、敵だというのにこれ以上はないまでにリスペクトしているのだ。
「天地いれざる朝敵って言っても」
「英雄だって言ってるのね」
「そうだったんだ」
「西郷さんって凄い尊敬されていて慕われていたのね」
「幕末一じゃないかな」 
 尊敬され慕われていたことについてはだ。
「今でも鹿児島じゃ英雄だし」
「鹿児島で一番?」
「あそこ英雄多いけれど」
 西郷さんだけでなくだ、大久保さんもそうだし黒田清隆も大山巌も東郷平八郎も出身だし藩主だった島津家だと斉彬公や久光公だけでなく戦国時代の四兄弟もいる。
「やっぱりね」
「一番なのね」
「そうかも知れないね」
「そこまでの人なのね」
「うん、もう鹿児島っていうとね」
「西郷さんね」
「そこまで行っていい人だろうし」
 だからだ。
「鹿児島の英雄っていうと」
「西郷さんなのね」
「やっぱりそうかな」
 こうラブポーンさんに話した、そして食べ終わってお茶を飲むとこれがまた美味しかった。その美味しさをお口の中に残して僕はラブポーンさんと別れて料理部を後にした。


第二百五十二話   完


                2019・9・15 
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