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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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第二部~雅、結婚騒動~
  EPISODE17『奇跡への反逆』

一人の男性が十字架に貼り付けられている。
「パパ!?」
一人の少女が叫ぶ。
「キャロル、もっと世界を知りなさい。」
男性は微笑む。そして、男性は炎の中に消えて行く。
「パパぁぁぁっ!?」
キャロルと呼ばれた少女は泣き叫ぶ。そして…
「…はっ!………夢か…」
キャロルは目を覚ます。
「あらあら?随分と寝汗が酷いようですね、マスター。そんなに汗まみれですと、風邪を引いちゃいますよ?あっと、ホムンクルスなら風邪は引きませんね。ガリィ勘違い☆」
青を基調とするゴスロリ系衣装に身を包む機械人形、自動人形(オートスコアラー)のガリィは煽るように言う。
「相変わらず鬱陶しいぞ、ガリィ。」
「おやおや。これは心外です。まあ、マスターのその汗を集めれば、案外欲しがる物好きが集まってぇ、思い出の回収も捗るかもって、思ったりしていてぇ?」
「ガリィ、どうしてお前はそうも性根が腐っているのだ?」
「お忘れですかマスター?私達の感情はマスターの思考を基準に作られていますぅ。だからぁ、ガリィの性根は、マスターの考えと同じなんですぅ。っていうことはぁ、マスターは自分の寝汗に価値があると思ったり?」
「する訳無いだろう!いいからさっさと思い出を集めてこい!」
「はぁ~い!ガリィ、行ってきまーす。」
ガリィはキャロルのいる広間から出て行く。

「凪風雅、ただいま戻ってきました。」
雅は次元転送ポートを通り抜け、警察庁管理のアースラに帰還する。
「お帰りなさい。それで立て続けで申し訳ありませんが、こちらをご覧にいただけますか?」
リンディは雅に挨拶をすると、ある映像を観せる。
「これは、この世界と接点の無い『戦姫絶唱シンフォギアGX』ですか?」
「はい。それで、問題はここからなのですが。」
リンディは映像を飛ばしてあるシーン、観せる。
「♪燃えろ!G-beat!激しく!限界なんて いらないッ!知らないッ!絶対ッ!繋ぎ離さない!」
主人公である立花響は撃槍 ガングニールを纏い、その拳でキャロルを倒し、キャロルの肉体は崩壊する。
「あれ?」
雅はその光景を疑問に思う。
「確か、この時はイグナイトモジュールを起動させていたはず…」
「はい。このように別の世界に新しく歪みが生まれていまして。」
「仮面ライダーの世界の異変の余波が起きていたとは。」
「私達も予測出来なかったわ。」
「つまり、ここに行く事が、僕の次の使命ですね。」
「身勝手なことを言ってしまい、申し訳ありませんね。」
「いえ、大丈夫です。」
雅は次元転送ポートに乗る。
「それでは、凪風雅、行きます!」
雅は『戦姫絶唱シンフォギアGX』の世界に向かう。

「ファラ、レイア、お前達も行け。」
キャロルの指示を受け、ファラとレイアの2体の自動人形(オートスコアラー)も起動し、行動を開始する。
「さて、オレもそろそろ始めるか。」
キャロルは立ち上がる。すると、そこに雅が現れる。
「何者だ?」
「そうだな、協力者、とでも言っておくか。」
キャロルの質問に雅は答える。
「協力者?何が目的か答えてみろ。答えによっては命までは奪わぬ。」
キャロルは疑いの姿勢を崩さない。
「僕は魔導師、と言っても魔導科学と呼ばれるものを基準としていてね。人々の記憶を自身のエネルギーへと変換し、現代科学の限界を超えた力を発揮するディーンハイム式錬金術。そして、自然のエネルギーを自身の核を結合させて様々な現象を発揮する魔導科学。これら二つが協力すれば、万象黙示録の完遂の難度は低下する。と思いませんか?」
雅はキャロルに共闘の意を示す。しかし、
「魔導だと?ふざけるな!オレは奇跡の殺戮者、魔法などオレが跡形もなく破壊する!」
キャロルは『火』の元素を用いた錬金術によって業火の火柱で雅を攻撃する。しかし、
「仕方がない。こうなれば!」
【CHANGE RIDE-WIZARDRIVER-】
「変身!」
“ウォーター!ドラゴン…”
雅は仮面ライダーウィザード ウォータードラゴンに変身し、
“チョーイイネ!ブリザード!サイコー!”
極低音の氷で炎と消し去る。
「ふんっ、どうやら奇跡とかでは無いようだな。」
キャロルは戦闘体勢を解く。
「どうです?味方につけておく方が有意義だと思いませんか?」
「そうだな。だが、お前の目的は万象黙示録の完遂以外にもあるな?言ってみろ。」
「そうだな。キャロルは万象黙示録の完遂の為、いずれ意図的にシンフォギアの装者達に敗れる。」
「ふっ。奴らに話していないことまで見通しているか。それがどうした。」
「もしそれが叶わなかったら?」
「つまりお前は、オレが奴らに倒される為に来たといいたいのか?」
「ドヴェルグ=ダインの負の遺産。それが鍵となってこのチフォージュ・シャトーは真価を発揮する。」
「そこまでお見通しか。」
「だが、このままでは君はダインスレイフの力を使われずに敗れる。そうなれば、この世界は崩れ落ちる。それを防ぐ為には、君に万象黙示録の完遂をしてもらう必要がある。」
「何を言っている?世界はオレがバラすのだぞ。」
「バラされた世界を直すことくらい、僕には簡単さ。」
「なるほどな。気に入った。レイアの所へ行け。エルフナインを上手く逃がせ。」
「了解しました。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
雅はワープのカードを使って移動した。

その頃、イギリスでは絶刀・天羽々斬の装者、風鳴翼はキャロルの放った刺客、“風”のオートスコアラー、ファラ・ユーフスの襲撃を受けていた。
「どうしたのかしら?早く歌ったら?」
ファラはその大剣を使って翼を切り裂こうとするが翼は軽々と避ける。すると、
「翼、乗りなさい!」
かつて、響とは異なるもう一つのガングニール、烈槍・ガングニールの装者であった現在の翼のパートナー、マリア・カデンツァヴナ・イヴが車でファラを轢き飛ばし、翼はその隙にマリアの車に乗って撤退する。
「あらあら、今度は鬼ごっこかしら?」
ファラはすぐに立ち上がり走りだす。

装者を標的にした事件は日本でも起きていた。
「ちくしょぅ!なんだよこの火災は!」
魔弓・イチイバルの装者、雪音クリスは湾岸部で燃える一面に見て驚愕する。
「チッ、こうなったら!」
クリスは赤い結晶のついたペンダントを制服から出す。
「♪Killter Ichaival tron」
クリスはイチイバルを起動させ、アームドギアを纏う。すると、
「あの、あなたは!」
クリスの所になんとも言えない衣装を纏った、キャロルと瓜二つの顔立ちの少女がやってくる。
「えっ!?えぇと…私は怪傑☆うたずきん!お嬢ちゃん、危ないよ!」
クリスは咄嗟に誤魔化そうとする。しかし、
「大丈夫です、イチイバルの装者、雪音クリスさん。僕はエルフナイン。このドヴェルグ=ダインの遺産を皆さんの所へ届けることが目的です!」
エルフナインと名乗る少女はクリスに説明する。すると、どこからか、一枚のコインがクリスの足元に放たれる。
「下がっていろ!何者だ!」
クリスはエルフナインを物陰に隠れさせてコインが飛んできた方を向く。そこには派手なポーズをとる女性がいた。
「ワタシに地味は似合わない…」
その女性、“土”のオートスコアラー、レイア・ダラーヒムはコインを連続で射出する。
「なるほどな。あんたらがそいつを狙っていることは解った。」
クリスはイチイバルをショットガンに変えてコインを撃ち落とす。すると、
「おやおや、なかなか手を焼いているみたいですね。」
そこに雅が現れる。
「お前は何者だ?」
「君のマスターの支援者。今回はレイアに助力しろと命を受けてきた。ドヴェルグ=ダインの遺産の回収、それを円滑に行う為にも。」
雅は仮面ライダーG4のライダーカードを取り出し、ディロードライバーにスキャンする。
【KAMEN RIDE-G4-】
雅はディロードG4にカメンライドする。
「行くぞ、シンフォギアの装者。」
ディロードG4はGM-01を使ってクリスを射撃する。
「なんだなんだ!後からぞろぞろ出やがって!」
クリスはイチイバルをガトリングに変えてディロードG4の放った弾を撃ち落とし、ディロードG4にダメージを与える。

その頃、イギリスでファラから逃走していた翼達はファラに先回りされていた。
「これでどうかしら?」
ファラはその大剣でマリアの運転する車を真っ二つに切り裂き、二人は飛び降りる。そして、
「マリア、ここは任せてもらえないか?」
翼はペンダントを取り出す。
「♪Imyuteus amenohabakiri tron」
翼は天羽々斬を起動させる。
「♪邪鬼の 遠吠えの 残音が 月下に呻き狂う 今宵 の我が牙の 切れ味に同情する」
翼は太刀を振り翳してファラを狙う。しかし、ファラはそれらを避け、テレポートジェムを地面に投げつけて自律兵器の一種であるノイズを呼び出す。

「これならどうだ?」
ディロードG4もテレポートジェムを投げつけてノイズを召喚する。
「へっ!今更ノイズかよ!」
クリスはガトリングでノイズ達を蹴散らす。

「♪其方 の戒名に 記す字を どう彫るか明示せよ 断末魔の 辞世の句は 嗚呼、是非も無し」
翼はカポエラの要領で敵を足に装備している刃で切り裂く逆羅刹を使ってノイズ達を切り倒してゆく。
「♪所詮はケモノと 変わらぬのか?錆に折れゆくのか?迷い惑い尽きぬ日々よ されど!今は!外道に哀の一閃をぉぉ!悪行即瞬殺…」

「ほらほら!さっきまでに威勢はどうした!」
クリスも次々とノイズを撃破してゆく。

「♪餓狼の光る牙は自らをも 壊し 滅す 諸刃のよう 歯軋りながら血を噴く事も 知り得て 尚も喰う」
翼は武士の如き太刀筋のノイズと戦闘になる。
「♪剣は剣としか呼べぬのか?違う!友は 翼と呼ぶ 我ぁが 名ぁは 夢を羽撃く者也!」
武士型のノイズは剣の太刀筋を見切り、その隙をかいくぐると、その刃の如き腕を天羽々斬のコンバータギアに突き刺す。

その頃、同じくクリスもディロードG4が放った武士型ノイズにイチイバルのコンバータギアを突き刺される。本来ノイズはそのような事をすればノイズの方が炭化して崩れる。しかし、天羽々斬とイチイバルのギアは確実に赤い塵と化して消えてゆく。
「ノイズだと、括ったたかが、そうさせる。」
レイアは言う。
「たった一度の敗北で許されると思って?」
ファラもにこやかに言う。
「ノイズでは…無い!?」
翼達の所属する組織『S.O.N.G.』のリーダーで翼の叔父、風鳴弦十郎は驚愕する。
「アルカ・ノイズ。何するものぞ、シンフォギア!」
そう、雅やファラが放ったものはかつて装者達が倒したノイズでは無く、錬金術によって構築された派生形、アルカ・ノイズであり、シンフォギアの優位性は失われる。
「さて、ドヴェルグ=ダインの遺産を回収するか。」
ディロードG4はギガントを取り出してクリスとエルフナインのいる建物を爆破しようとする。そして、
“イチイバルの装者、今は上手く逃げてください。”
雅はクリスに念話を行う。
「あんた、一体!?」
クリスは叫ぶ。そして、
「黙っていろ。」
ディロードG4はギガントのミサイルを全て放ち、建物を爆破した。
      仮面ライダーディロード
         奇跡への反逆

次回予告
砕かれた剣、撃ち抜かれた弓。敵が次に狙うものは、撃槍・ガングニール。次回『己の歌』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーG4:ディロードライバーにスキャンすることで、1分30秒の間ディロードG4にカメンライドするためのカード。 
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