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原作(オリジナル)の主人公、略してオリ主

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第09話 高町なのは最初の挨拶 後編なの(高町なのは@6歳)

 
前書き
 
<ミョーテンション警報>
作者は東○サッカーばかりやってる頭が可哀相な子です
試合描写を真に受けないようにしてくだしあ

 

 
 午後2時30分。1年1組の生徒全員に有志のサッカー少年を加えた総勢44名の児童達は、集合場所の公園から海鳴市営サッカー場へと移動していた。
帰宅したなのはによる――喜色満面《うきうきニコニコ》の――報告を受けた翠屋FCの監督、高町士郎がなのはのために可及的速やかに天然芝のサッカーグラウンドを手配した結果である。

 子供達を監督するのは高町士郎と高町恭也、観戦に来た若干名の保護者の皆様。士郎と恭也の二人はそのまま試合のレフェリーを務める手筈でもあった。
え、翠屋?そもそも今日は臨時休業である。愛娘の入学式という記念すべき日に臨時休業しない喫茶店があるだろうか?いや、ない。あだち充の作品でも喫茶店はしょっちゅう臨時休業してるし、どこもおかしくはない。無論、恭也も自主休校である。愛妹の入学式という記念すべき日に以下略


 そして親バk、ゲフン、士郎は時間を無駄にすることなく児童たちを4チームに分け、更にそれを2つのコートにそれぞれ割り当て、手際良く試合を開始する態勢を整えた。
ここで、なのはさんが居るコートのイレブンから主要なメンバーをピックアップしておこう。

山田チーム(4-2-3-1) → 背番号2 なのはさん、背番号7 神埼晶子、背番号10 山田直樹、、、
アリサチーム(4-2-3-1) → 背番号6 アリサ・バニングス、背番号11 月村すずか、、、

あれ?意外と名前のある人物が少なかった。他の面子はモブ、と言いたい所だが、試合中の活躍次第では名前が出てくるのかもしれない。
それでは、キックオフである。




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 コイントスの結果、キックオフは山田チームから行うことになった。
1トップに位置する9番の子がボールにタッチし、トップ下の山田くんが中盤へ一旦ボールを下げる。
そこへ凄まじい勢いでボールを奪わんと襲い掛かる月村すずか。どうやらアリサチームの1トップはすずかが務める様である。
それがチームのコンセンサスを経た戦術なのかはわからないが、体力に恵まれたすずかがファーストディフェンスを積極的に行い、敵の中盤へ圧力を与えるというのはmake-senseではある。

 そしてそんなすずかの猛追に山田チームの両CBがパスミスを連発する。なので、幾度となく相手にショートカウンターを発動させてしまう山田チーム。
どうやら、試合序盤の主導権を握ったのはアリサチームのようだ。
しかし、アリサチームが掴んだシュートチャンスはことごとく山田チームのGKにストップされる。
とりわけ右サイドから8番の子が上げたクロスに合わせたすずかの打点の高いヘディングシュートは決定的だった、が、超反応でセーブされた。

 ここで、すずかの執拗なチェイシングが敵チームの生命線と見て取った山田。すかさず両サイドバックに高い位置を取るよう指示する。
連動して、両サイドバックの空けたスペースに入るボランチ。1トップのすずかはタッチライン際までは追わず、足を止める。
そしてサイドでフリーになることに成功したボランチに対し、山田は更なる指示を飛ばす。


「神崎ィ!逆サイ!!
 高町がフリーだぞォー!」


小学一年生に一発でのサイドチェンジを要求する勇者、いや、10番《司令塔》山田。それは無茶振りでは・・・・・・


「ッ!」


しかし、無声の気合と共に振り下ろされた7番《演出家》神崎の右足からは、美しいアーチを描く芸術的サイドチェンジが放たれた。
順回転がかけられたそのボールは、理想的な滞空時間とコースで右サイドに居たなのはの足元へ納まる。
―― 今日は雨上がりのピッチではないけれど、私の右足で虹を描いてみせたよ。  By. 神崎
う、む。まさしく演出家《レジスタ》・・・神崎晶子、恐るべきポテンシャルを秘めた小学一年生である。


 そして、タッチライン際、センターラインを少し越えた地点にてフリーでボールを受けることに成功したなのはは、即座にドリブルを《ボールを運び》始めた。

――なのはがフリーでボールを受け、一歩、その足を踏み出した瞬間から「高町なのはの魔法」が始まった。
一瞬でトップスピードに到達したなのはに、後方から追いつくことのできる選手は誰も居なかった・・・前方で待ち構えるDF達もなのはの両足から繰り出される精妙なボールタッチと凄まじいスピードを前に簡単に抜き去られてしまう。
時間にしてわずか10秒足らず。ニアゾーン最深部まで浸透したなのはは余裕を持ってお洒落なふんわりクロスをファーの山田へ上げた。

そして、ニアへ走りこんだ1トップ(9番)に釣られたCBの死角を突くよう走りこんでいた山田が、実に簡単そうにワンタッチのヘディングゴールを決める。
一連のプレーのクオリティが総じて高いと、これほどあっけないゴールシーンが生まれることがあるのだ。
唖然としたような顔をするアリサチームの面々。それも致し方ないだろう。どれも小学生一年生がやるようなレベルのプレーではなかった。
とりわけ異常なプレーを見せたなのはさんだが、実はなのはさんにはニアゾーン奥から更にゴールラインに沿ってドリブルで仕掛け、GKまで抜いてシュートというイメージもあったり、、、一応これでもチームプレーを心がけていたのだが・・・・・・


 だが、敵チームを率いるのは転んでもただでは起きない猛将であった。アリサ・バニングス。持ち前の知性と負けん気で即座に対策を指示する。


「すずか!あんたは左サイドに移りなさい!
 なのはがボールを持ったらあんたが責任を持って抑えるのよ!!」


左ウィンガーに月村すずか、なのは《バケモノ》の対面に吸血鬼《バケモノ》を配置する、実に理に叶った采配である。
アリサ当人はそんな裏事情は知ったこっちゃないのだが、、、むしろ、その事実こそが即興で最適解を導き出すアリサの恐ろしさを端的に物語っているのではなかろうか。

 しかし、そんなアリサの采配をあざ笑うかのようなプレーを神崎が見せる。
すずかの鬼のようなチェイシング《プレッシャー》から解放された神埼は、中盤で悠々と立ち回り、ギャップに居る山田へ良質なパスを供給し始めたのだ。
その期待に応えるかのように、ワンタッチ、ツータッチでいとも簡単に前を向き、スルーパスにミドルシュートとやりたい放題を始める山田。
終いには山田のボールキープから神埼の飛び出しにまで発展し、シンプルなコンビネーションで中央を崩され、2点目が決まり、前半終了。何この翼くんと岬くん状態・・・・・・9番の子も絡めてやれよ。そしたらもう1点くらい取れた。

 ハーフタイム、一見すると絶望的な状況であったが、アリサの灰色の脳細胞はそれを否定していた。
どうして失点してしまったのか?答えは簡単。プレスが甘いからである。何故プレスが甘いのか?マークが曖昧だからである。
アリサは前半消えていた自チームの10番に神崎を見るよう注意を喚起、同時に1トップへもCBを捨て、時には自陣まで戻っての守備を要請する。
これは泥縄的な対応であり、延々押し込まれ続けかねない策だが、アリサにはか細いながらも勝機が見えていた。
それは、驚異的なスピードを持ったなのはを消し続けているすずかの存在である。
9バック気味にして守備ブロックを固く引き締め、あえて相手にボールを渡し、すずかへのロングボールからカウンターで一撃作戦。これしかない。

 そして、後半キックオフ。
言うまでも無い事だが、アリサの作戦で最も大変なのはすずかである。常にカウンターを意識したポジション取りと、なのはのマークを同時にこなせという無茶振りであるからして。
ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドに守備をさせるようなものだと言えば、その破茶目茶振りがわかっていただけるであろうか?

――だが、月村すずかは己の苦境を楽しんでいた。
高町なのは、彼女は、どこまでも自分《バケモノ》についてくる!それどころか自分を置き去りにして行きかねない天才《バケモノ》だったのだ!!
彼女との1対1のせめぎ合いは、とにかく楽しかった。
ある時はなのはのカットインをスライディングで阻止し、ある時はカウンターのドリブルをなのはの背後からのスライディングで阻止され、ある時はrun with the ball《高速ドリブル》で――なのはすらも置き去りにして――敵陣まで独力突破し、豪快にシュートを放った。 ――これは相手のGKにスーパーセーブされてしまった。
なのはにダブルタッチを見破られ、ボールが奪われた時には地面を叩いて悔しがり、なのはのプルアウェイからのクロスをブロックした時には、思わずガッツポーズを作り、喜びを露にしてしまう。
楽しい、楽しい、楽しい、タノシイ。何時しか、すずかの顔には心の底からの笑みが浮かんでいた。

 エラシコが、オコチャダンスが、シザーズが、クライフが、ラボーナが、なのはとすずかのサイドにおける攻防へ花を添える。
サイドでの1対1、チームでもとりわけ優れたボールテクニックの持ち主にのみ許される、サッカーの精華である。
隣のピッチでプレイしていた恭也、もとい、児童達は既にこの試合の観戦へ移行し、なのはとすずかが激突する度に歓声を上げていた。

 そして、そんな好敵手《ライバル》同士の熱血バトルは双方のチームメイトに火を着けた。
ずっと沈黙していたアリサチームの10番がマルセイユルーレットを交えた鬼キープで観客を沸かせたかと思えば、翼くんと岬くんがリフティングワンツーで大胆な中央突破を試みる。
ボランチのアリサが見事な先読みでクリーンなインターセプトを行い、すずかにフィードを送る。
なのはによってスペースが創出された左サイドから、ピンポイントクロスが上がり、ゴールを脅かす。
たびたび訪れるゴール前のピンチを跳ね返し続けるアリサチームのCB。
ピンチの後にはチャンスあり、とばかりにアリサチームのGKがロングスローですずかへ絶妙なボールを供給する。
それに負けじと、すずかとの1対1の危機を再三に渡って阻止して見せるなのはチームのGK・・・・・・
こうして、永遠に続くかと思われた好ゲームだったが、ついに終わりの時が来る。
ゲームが終わる時――それはホイッスルが鳴った時だろうか?いや、この時は違った。一つの伝説の誕生が、ゲームを終わらせたのだ。

 なのはがすずかのマークを外すため、思い切って最終ラインに吸収される形でボールを受ける。
一瞬のシンキングタイムからなのはを追う足が鈍り、慌てて全力疾走で距離を詰めて来たすずか。
その隙を見逃さず、右、、、逆足のインサイドでボールタッチし時計回りに反転、なのははマタドールのような流麗なボディワークで、己の左半身へ当たろうとしていたすずかを空転させた。
そうしてなのはは悠々とボールをセンターラインを越える位置まで運び、そこから右足を一閃。フィールド上の全員の意表を突くロングシュートを放った。
当初、地を這うような軌道を描いたシュートは徐々に浮き上がり、ゴール左上隅に突き刺さる。GKにはノーチャンス。エル・ゴラッソ。


―― 一瞬、静まり返ったピッチと観客。その後に、本日最大の歓声が上がった。
―――― 「悪魔の右足」高町なのは ・・・伝説が、産声を上げた瞬間である。


 その後は、山田と神崎を擁するなのはチームの中盤がボールをキープし続け、堅実にゲームをコントロールしてタイムアップ。
3-0、、、そのスコアからは想像することが難しい好ゲームであった。
その証拠に、勝ったチームの子にも負けたチームの子にも観戦していた子にも笑顔が浮かんでいる。

「1年1組、サイキョー!」 「 目 指 せ 全 国 制 覇 」 「こやつら強すぎワロタwww」 「それより悪魔チームのGKがマジ半端なかったんだけど、マジで」 「 名 将 ア リ サ 」 「てかジダンがいたぞwwwwww」 「悪魔チームってなんだよ」 「神崎スペック高すぎ噴いた」 「山田×神崎=翼と岬が両方そなわり最強に見える」 「アリサチームの背番号11、月村すずかは今日初めてサッカーをプレイした。これ、豆な」 「2番(高町なのは)が1G1Aで文句なしのMOMですぞ。7番(神崎晶子)は大したことなかったですぞ」 「ちっちゃい体で遠くにボールを飛ばそうと頑張ってる神崎が可愛いかった」 「 す ず か △ 」 「あいつもうSGGKでしょ。島津じゃなくて林の方の」 「高町なのは=悪魔の右足=高町なのはのチーム=悪魔チーム。オォケェェェィ?」 「山田乙wwwwww」 「赤モップは巣にカエレ(・∀・)!」 「あれだな、一歩で例えると 月村すずか=ブライアン・ホーク 高町なのは=鷹村守 だな」 「この内容で3-0とか正解じゃない」 「和製ロベカル誕生か。胸が熱くなるな・・・」 「悪魔チームってそういう意味かwww確かにあのGK凄かったな。俺がMOMを選ぶならあのGKだな」 「ホークのモデルってハメド(悪魔王子)だから、語呂的には高町なのはの方なんだがw」 「悪魔チームのGK、3点分くらいは余裕で防いでたもんな」 「それより、翠屋でケーキが用意されてるらしいぞ?」 「「「「「「「「「マジか?!」」」」」」」」」

ところどころ変なのが混ざっていたが、彼らの会話からも本日の参加者、その全員が楽しめていたであろうことが窺える。
そして高町桃子さん、貴女がMOMです。


 ・・・こうして、第1回1年1組放課後サッカー大会は幕を閉じた。
このイベントこそが、アリサを頂点《リーダー》とし、配下に山田、すずか、なのは、神崎ら四天王を擁する1年1組軍が各種スポーツイベントにて波乱を起こしまくる伝説の一年、その序章だったのである。



 
 

 
後書き
 

熱いバトル展開の末に友情が成立!
SUMIKAさんは無理だったけど、SUZUKAたんがやってくれたよ!!
海鳴が誇る御嬢様方は最高や!ヤンデレなんていらんかったんや!!

そして、ヤット書けたよ!なのは無双!!



・・・ふう(アホみたいに上がっていたテンションが下がった)

なのはさんがすずかとのバトルでやったのはリンカーコアの体内活性による戦いの歌もどきです。魔力放出は使ってないから魔力バレしてないよ。
という御都合設定なわけだす。
そんなわけで、リミッター付けてたなのはは、試合中は身体能力ですずかに負けてました。それでも良い勝負が出来るレベルで拮抗してましたが。
なのはさんがすずかに大きく勝ってたのはテクニックで、それが3-0というスコアに結びついた要因です。あと、山田と神埼の存在。
てか前話では名前しか思いついてなかったキャラなのに、脳内でこの二人にボールを持たせたらいきなり大暴れしだした件について。
今話で一番最初に打った文って、山田の「神崎ィ!」ですからね。そこからなのはさんのゴラッソまでスラスラとキーが進みました。
逆に一番悩んだのがキックオフから「神崎ィ!」までの流れだったり。
すずかはサッカー初体験という設定です。え、初体験でなんで高度なボール捌きを見せられたのかって?試合中になのはさんのを見て覚えたんだよ!
山田と神埼があれだけ活躍できるんだから、すずかはこのくらいチート仕様でも良いよね?(依怙贔屓

なのはさんはO☆MO☆RA☆SHI事件以降、魔力放出を抑えながら、ある程度の身体強化を行えるよう藤原君に調きょ、スパルタ教育されてました。
ちなみになのは(悪魔)チームのSGGKは、なのはに連れてこられた藤原君でした。銃弾を余裕で見切る目ぇ持ってるGK相手にどうやってゴールできるって話だよ?
なのはさんガチ過ぎワロタ。まあ、なのはさん的にはお友達を連れてきただけって認識なんですが。⑨は罪だな。

最後のフラグは回収するかも知れないし、回収しないかも知れない。
フラグというよりどちかというと大風呂敷だな



悪魔の右足
→今のシュートを打った足は利き足ではない・・・逆足だ・・・
  大魔王なのは、爆誕

名将アリサ
→試合中にドラスティックな戦術変更を行い、チームを立て直して見せたカリスマから




 
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