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夢幻水滸伝

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第百十五話 恐怖の正義その九

「そのアフリカの次にやな」
「枢軸ですね」
「ずっと落ちるけどな」
 文明のそのレベルはというのだ。
「そうなるな」
「そうですね」
「ロシア、そしてインドや」
「その順番ですね」
「そしてアラブになってな」
「そこからさらに落ちてですね」
「その欧州や」
 今話しているその地域だというのだ。
「あそこは戦乱ばかりでな」
「そこにばかり力がいき」
「そしてな」
「文明を進歩させようにも」
「中々進んでないみたいやな」
「左様ですね」
「そこがな」
 どうにもと言うのだった。
「欧州の悩みどころやな」
「左様ですね」
「僕等の世界では産業革命はあそこで起こってるけれどな」
「こちらの世界ではアメリカで」
「しかもあそこは戦乱に覆われていてな」
 芥川は再びこのことを指摘した。
「それでや」
「あの様にですね」
「文明としては停滞してる」
「左様ですね」
「それで五億の人口と国土があってもな」
「活かしきるにはですね」
「まだ時間が必要やな」
 そうした状況だというのだ。
「まだまだな」
「あの地域にとっては残念なことですね」
「ああ、ただこっちの戦略としては」
 自分達が統一されてからのことをだ、芥川は話した。
「僕等の最大の敵は枢軸になる」
「その枢軸を牽制する為に」
「とりあえずはな」
 やがて欧州とも覇権を争って戦うことになるにしてもというのだ、芥川は今は先のこととしてまずは統一されてからの戦略を語った。
「欧州の星の連中を助けてな」
「欧州を統一してもらい」
「枢軸を牽制して欲しいが」
「どうなるか、ですね」
「そや、まずはこっちでな」
 芥川はリー達他の勢力の神星の者達を見回した、そしてそれから日本の神星の者達を見てまた言った。
「統一してな」
「覇権を争う戦の後で」
「そうしてや」
「欧州にどうするかですね」
「そうなるわ、先の先の話やな」
 言うならばというのだった。
「この話は」
「そういうことですね」
「ああ、ほな今からな」
「枢軸の星の方々をですね」
「迎えようか、しなしな」
 芥川はここで嫌そうな顔にもなった、それでこうも言うのだった。
「あそこ、インドにはな」
「ああ、芥川君にとってですね」
「天敵もおるさかいな」
 その嫌そうな顔での言葉だった。
「厄介やわ」
「彼女ですね」
「いや、インドの女の子って控え目ちゃうんか」
「そこは人によるやろ」
 中里が冷静な目で突っ込みを入れてきた。
「それは」
「そういうことか」
「そや、ほんまにな」
「人によるか」
「インドは宗教から女性は確かに控えめみたいやが」
「ヒンズー教とかイスラム教の教えでな」
「しかし他の宗教もあってな」
 インドにあるのはヒンズー教やイスラム教だけではない、シーク教やゾロアスター教やキリスト教も存在している。そして仏教は釈尊がヴィシュヌ神の転生の一つであるという考えからヒンズー教の一派と考えられている。 
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