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レーヴァティン

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第百三十二話 二手に分かれその六

「そしてだ」
「そのうえで」
「肥前を攻める、五島列島等も掌握し」
「その後で肥後ですね」
「あの国となる、そして肥前でもな」
 この国でもというのだ。
「やはりな」
「兵が降らねば」
「逃がす」 
 そうするというのだ。
「何度もな」
「そうしてですね」
「何度も敗れてそれで解き放たれていると」
「相手の強さも器も」
「その両方が」
 わかってというのだ。
「心から降ってだ」
「我々の力になってくれますね」
「中にはそれでも降らないか」
「降ってもですね」
「裏切る奴もいるだろうが」
「その殆どはですね」
「裏切らない筈だ」
 心から服してというのだ。
「そうなるからな」
「だからですね」
「肥前でもだ」
 これから攻めるこの国でもというのだ。
「同じだ」
「左様ですか」
「そして心服させてな」
「兵に組み入れ」
「後の統治もだ」
 それもというのだ。
「行いやすくする」
「心服していますと」
「それだけ統治がしやすいな」
「はい、例え表ではそうしていても」
「心の中で従っていないとな」
「そうした相手はな」
 統治してもというのだ。
「中々上手くいかない」
「そういうものですね」
「だから名君の治めた後の領地はな」
 そこを治める場合はというのだ。
「治めにくいという」
「その名君に心服しているので」
「民達がな」
「よくある話ですね」
「逆の場合もな」
「暴君が治めた後は」
「暴君に激しく反発している」
 もっと言えば暴君の自分達を苦しめる統治にだ。
「そうなるからな」
「統治しやすいですね」
「そうだ、だからな」
「この度は統治も考えて」
「放していく」
 捕えた兵達が降ろうとしないならというのだ。
「何度でもな」
「そのうえで」
「九州を一つにする」
 こう言ってだった、英雄は今度は肥前に兵を進めていった。すると肥前は筑後を攻めていた時よりもだった。
 最初から降る者が多かった、町や村の人々の顔も笑顔が多かった。それで英雄はこうしたことを言った。
「筑後のことがな」
「しっかり広まってな」
 それでとだ、耕平が応えた。
「それがし達ならってな」
「そう思ってだな」
「皆従う様になってるわ」
「その様だな」
「戦は政ってことやな」
「政の一つの手段だ」
 そうしたものだというのだ。 
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