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おぢばにおかえり

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第五十五話 おぢばのバレンタインその三十一

「いつも会うのよ」
「そうですか」
「まあ会ってもね」
 神戸で会ってもです、夏休みにもあったことなので。
「別にいいわ」
「そうですか」
「教会にも来てもらって」
 そうしてです。
「色々お話したりあちこち回ったりするわ」
「先輩嫌そうじゃないですね」
「まあね、とにかくね」
 本当に今日という日が終わろうとしている中で思うことでした。
「今日も阿波野君と何かあったわ」
「卒業間近で」
「最後のイベントでしたか」
「卒寮前のね」
 本当にこんな一日でした。
「そうなったわ」
「そうですか」
「じゃあいい思い出ですね」
「いいっていうと」
 それはです。
「どうかわからないけれど忘れられないわね」
「いやいや、それが何時かですよ」
「いい思い出になりますよ」
 二人で私に笑顔で言ってきました。
「ですからよかったと思いますよ」
「先輩にとって凄く」
「そうかしら。けれどあと一月ないから」
 卒業までです。
「一日一日ね、しっかりと暮らしていくわ」
「そうして下さいね、最後の期末テストもありますし」
「本当に最後の最後ですからね」
「ええ、まあテストはあっても」
 こうも思いました。
「何か海上自衛隊幹部候補生学校よりずっと少ないみたいだしね」
「えっ、自衛隊ってテスト多いんですか」
「そうだったんですか」
「そこはもう特別多いらしいの」
 江田島にあるこの学校はです。 
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