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プロイセン騎兵

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第二章

「思った通りだ、彼等は騎兵こそだ」
「弱点ですね」
「そうだというのですね」
「騎兵が来たら落ち着いてだ」
 その様にしてというのだ。
「銃撃と砲撃を行え、そして怯んだらだ」
「その時にですね」
「こちらがですね」
「ネイ将軍に言うのだ」
 勇者の中の勇者と言われ騎兵戦術についてはミュラと共にフランス軍きっての名手と言われる彼にというのだ。
「ポーランドの槍騎兵達を率いてだ」
「そうしてですね」
「突撃ですね」
「それで敵の騎兵を封じてだ」
 その動きをというのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「敵の歩兵と砲兵にも攻撃を加え」
「そしてですね」
「この会戦自体にも」
「勝つ」
 ナポレオンは今度は一言だった、こう言って戦闘に入った。両軍は多少の小競り合いの後でだった。
 プロイセン軍の司令官が騎兵隊の突撃を命じた、すると彼等は雄叫びを挙げてそのうえで突撃に入った。
「時が来たぞ!」
「今こそ我等への侮辱の時を晴らす時だ!」
「プロイセン騎兵の力を見せてやれ!」
「何が弱点だ!」
「我等の強さを思い知れ!」
 彼等は口々に言ってそのうえでだった。
 フランス軍に向かって突撃を行った、だがその彼等の動きを見てだった。
 はじめてプロイセン軍と戦うがこれまでオーストリアやロシア、そしてイギリスといった各国の軍と戦ってきた者がこんなことを言った。
「遅いな」
「ああ、他の国の騎兵に比べてな」
「動きが遅いな」
「騎兵にしてな」
「それにバランスが悪そうだな」
「どうにもな」
「どういうことなんだ」
 その者はいぶかしみつつこうも言った。
「プロイセン軍の動きは悪いんだ」
「それがわからないな」
「しかしあれだけ動きが悪いとな」
「狙いやすいな」
「防ぎやすいぞ」
「他の国の騎兵に比べてかなり」
 こう言ってだ、そしてだった。 
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