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レーヴァティン

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第百三十一話 追撃戦その八

「落とすからな」
「だからでござるな」
「今回もだ」
「欲を出さず」
「そうして攻める」
「目標を達したなら」
「これ以上はな」
 まさにという言葉だった。
「欲を出さない、とはいってもだ」
「きりのいいところまではでござるな」
「攻める」
 これは行うというのだ。
「そしてだ」
「敵を叩いてでござるな」
「後のことを楽にする」
「それでは」
「日が暮れるまで追う」
 その敵をとだ、こう言ってだった。
 英雄は敵を実際に夕方まで追いそうして攻めに攻めて倒した、だが夕暮れが深くなると追うのを止めさせた。
 そうしてその場で野営させて飯にしたがここで仲間達に話した。
「後はだ」
「今は守りを固めて」
「夜は寝てだ」
 そうしてとだ、英雄は干し飯を食いつつ奈央に話した。
「朝になるとな」
「どうするのかしら」
「一日休みその場で軍を二手に分け」
 そしてと言うのだった。
「一方は筑後、そしてもう一方はだ。
「豊前の方に」
「進んでだ」
 そうしてというのだ。
「戦う」
「そうするのね」
「前に話した通りにな」
「そうね、じゃあ」
「二手に分かれて九州の北を掌握し」
 そしてというのだ。
「筑後、肥前、豊前、豊後をな」
「掌握するのね」
「そしてその後でな」
「肥後や日向も攻めていって」
「そのうえでな」
「大隅と」
「薩摩もだ」
 敵の本拠地であるこの国もというのだ。
「攻めていく」
「そうするのね」
「そうだ、そうしてな」
「琉球も手に入れる」
「そうする、九州の北を手に入れると」
 それならともだ、英雄は話した。
「敵の戦力はかなり落ちている」
「それが大きいわね」
「そうだ、敵の兵もな」
「兵を供給する領地自体が減るから」
「だからだ」
 それでというのだ。
「国自体を奪う」
「そうした戦略ね」
「どんな猛者も国がなくては戦えない」
 英雄はこの事実も指摘した。
「そして兵がないとな」
「それで今回は国を奪っていくことを念頭に置いているのね」
「そういうことだ、では今はな」
「食べることね」
「これからに備えてな」
 英雄はこう言いつつ自分の握り飯を食べた、勿論他の者もそれを食べていて奈央もだ。握り飯を食って言うのだった。
「やっぱりお握りは梅干しね」
「中にそれが入っているとか」
「美味しいわね、しかしこうした時に備えて」
「朝にな」
「作っておいてよかったわね」
「そこも考えてだった」
 夜もというのだ。
 
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