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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十八話 剣道家その十三

「それでおかしな遊びは絶対にしないし」
「薬やギャンブルはか」
「どっちも絶対にしないから」
 親父曰くギャンブルは只の無駄遣いで薬はもうその命を削って我が身を滅ぼすそんな危険なものということだ。
「昔ヒロポンあったけれど」
「覚醒剤だな」
「昔は合法だったんだよね」
 今思うと恐ろしいことにだ。
「それで廃人になった人もいるらしいから」
「恐ろしい話だな」
「煙草屋で売っていて」
 これは実話だ。
「終戦直後中毒の人も多かったらしいよ」
「あの頃か」
「うん、それで麻薬はね」
「お父上は絶対にされないか」
「あんなものは絶対にしないって言ってね。僕もね」
「しないか」
「絶対にしないよ」
 それこそ何をどう間違ってもだ。
「死ぬから」
「身を滅ぼしてな」
「覚醒剤の話なんか酷いしね」
「まさに我が身を破滅させるな」
「身体も心もボロボロになって」
 その過程も結末もぞっとする、聞くだけで。
「もうね」
「何もかもをなくしてな」
「文字通りの廃人になるから」
「それが人生の全てになったりな」
「覚醒剤だけのね」
「そんな人生は狙い下げだな」
「全くだよ、身体も心も滅んでとか」
 それこそだ。
「有り得ないよ」
「そうだな」
「だから僕もしないよ」
 何があってもだ。
「あんなもので気持ちよくなってもね」
「自分の身体を滅ぼしているだけだ」
「うん、それこそね」
「だから君もしないな」
「そう誓っているよ、親父が言うには」
 それこそだ。
「あんなもので得られる快楽は偽物だってね」
「その通りだな」
「一旦やったら止めることが難しいらしいし」
「そのことも有名だな」
「うん、煙草といか以上にね」
 親父は煙草も吸わない、何でも子供の頃からいいと思わなかったので大人になってもそうしているとのことだ。
「止めることが難しいらしいよ」
「禁断症状が酷いらしいからな」
「そう、だからね」
 その為だ。
「麻薬全体がそうらしいけれど」
「覚醒剤は特にだな」
「禁断症状が酷くて」
 その為にだ。
「止めにくいらしいよ」
「だから余計に危ないらしいから」
「手を出すだけで危ないな」
「興味本位とかで手を出して」
 一度だけならいいとか思いつつだ。
「そこからっていうこともね」
「なりやすいな」
「そんなものだし」
「本当にすべきでないな、私だけでなく」
 留美さんは遠くを見る目になって話した。
「彼にもだ」
「後輩君にもだね」
「言っておこう」
 麻薬の危なさ、それをというのだ。 
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