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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百四十八話 剣道家その十一

「それはその人の鑑になり理想にもなりだ」
「期待にも添えないといけないからね」
「若し何かあって失望させるとな」
 自分を尊敬している人をだ。
「どう思い思われるかもな」
「全くわかってないね」
「だから愚かだ」
 そんなことを言う人はというのだ。
「この上なくな」
「そうだよね」
「謙虚さもない」
 この美徳もというのだ。
「その様な輩なぞ誰からも心の底から軽蔑されるだけだ」
「そうなるのが普通だね」
「私は人に尊敬されたくない」
 これが留美さんの本音だった。
「絶対にな」
「これまで話したものだからだね」
「立派な人間でないからな」
 こう思うからこそというのだ。
「絶対にな、その様なことを言う者が捜索でもそういないな」
「いないね、そういえば」
 僕が知っている限りでもそうだ。
「創作者の人達もそんな恥知らずで愚かな人はね」
「そうは出せないからな」
「恥を恥と思わなかくなったら」
 その時こそだ。
「最も恐ろしい腐敗がはじまるっていうしね」
「恥知らずは何処までも腐る」
「恥の概念が倫理観になるからね」
「敵に勝ち誇る時にそう言う者は見たことがあるが」
 留美さんの場合はそうらしい、僕もそういえばそんなキャラは目にしたことがある。もっともこうした勝ち誇りは後の敗北へのフラグであるが。
「後は自分を神と思っている」
「そんなの位でね」
「神でもだ」
「自分を尊敬しろとかね」
「滅多に言わない」
 少なくとも日本の創作ではそうだ。
「己の力に傲慢になっているだけだ」
「そうした自称神様は多いけれどね」
 創作の中ではだ。
「そんなこと言う人はいないね」
「現実で会ったならな」
「その人はある意味物凄い人に出会えたね」
「うむ、滅多にいない」
 そこまで恥知らずで愚かな輩はというのだ。
「そうした人に出会えたのだからな」
「最悪の反面教師に出来るね」
「この上なく軽蔑出来る輩にな」
「親父も言ってるよ。尊敬ってのは重いって」
「それに応えることはな」
「自分にとっても重荷になるって。だから親父はね」
 僕に飲みながら語ってくれたことだ、
「僕に自分を尊敬するなってね」
「言われたか」
「うん」
 はっきりとそう言った。
「それは絶対にするなって」
「息子である君にそう言われたか」
「そうだよ、総帥さんを尊敬しているって言ったら」
 それでもだった。
「総帥さんの重荷にならない様にってね」
「言われたか」
「そうもね」
「相変わらず君のお父上はわかっているな」
「尊敬とかそうしたことについて」
「他のことについてもな、人間がわかっておられる」
「そうだね、親父はね」
 僕が見てもだ。
「人生をよく学んでいるよ」
「とてつもない遊び人だな」
「そうだよ、もう遊ぶことがね」 
 このこと自体がだ、お酒に女の人に。ただしギャンブルはしない。あれは自分に合うものじゃないとか言ってだ。
「生きがいっていうから」
「ではその遊びの中でだ」
「親父は人生を学んでいるんだね」
「そうだろう、それでだ」
「人生の達人になって」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。 
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