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戦姫絶唱シンフォギア~響き交わる伴装者~

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第6楽章~魔塔カ・ディンギル~
  エクスドライブ

 
前書き
最高に熱かった前回ラスト、そして今日はとうとう男子二人のエクスドライブの活躍!
オリジナル聖遺物、そしてオリジナルのRN式を扱ってとうとうここまで来ました。
最後まで見ててください、これが!俺の!シンフォギアァァァァァァァァッ! 

 
「お姉ちゃん達、カッコいい!」
 女の子が真っ先に歓声を上げる。
「まさか、人生の内でこんな奇跡の一瞬に立ち会えるなんてな……まるで、本当に特撮ヒーローの世界へ足を踏み入れた気分だよ!ああ、最ッ高だ!」
「ここに集った皆さんの歌声が、諦めなかった人々の希望が起こした奇跡……素晴らしいですわッ!」
 年甲斐もなくはしゃいでいるのは、サングラスの男性と金髪の女性……仲足夫妻だ。

「くぅ~ッ!翔!純!お前ら今、世界最強レベルでカッコいいぜッ!」
「エクセレントッ!愛する人を守るため、同じ境地へと至る……。ああ、今の君達こそ、最高オブ最高の漢だよッ!」
「純……翼さん……よかった、本当に……ッ!」
「兄さん、泣くのはまだ早いよ……。本当の戦いは、ここからなんだからさ」
 紅介、恭一郎、飛鳥、流星もまた、それぞれ身を乗り出して親友達を見守る。

「やっぱあたしらがついてないとダメだなぁッ!」
「助け、助けられてこそナイスですッ!」
「あたし達が一緒に戦っているんだッ!」
「……うんッ!」
 創世、詩織、弓美の言葉に、未来は涙を拭いながら強く頷いた。

 ∮

「みんなの歌声がくれたギアが、わたしに負けない力を与えてくれる。クリスちゃんや翼さん、純くん、そして翔くんに、もう一度立ち上がる力を与えてくれる。歌は戦う力だけじゃない。命なんだッ!」
 純白のガングニールを身に纏い、逆V字型をした黄の羽を広げた響は、明け始めた青空を背にフィーネを見下ろしながら、そう言った。
「高レベルのフォニックゲイン。……こいつは、2年前の意趣返し」
『んなこたぁ、どうでもいいんだよッ!』
 クリスの声が、フィーネの脳内に直接響く。
「念話までもッ!限定解除されたギアを纏って、すっかりその気かッ!」
 フィーネはソロモンの杖を取り出すと、何体ものノイズを一斉に呼び出す。

『いい加減芸が乏しいんだよッ!』
『フィーネッ!あなたという人はッ!』
『世界に尽きぬノイズの災禍は、全てお前の仕業なのか?』
 翼の疑問に対し、フィーネもまた念話で返答する。
『ノイズとは、バラルの呪詛にて相互理解を失った人類が、同じ人類のみを殺戮するために作り上げた自律兵器……』
『人が、人を殺すために……?』
『その時代から変わっていない、という事か……』

 響の呟きに、翔はノイズもまた、人類が生み出してしまった負の遺産だと悟る。
『バビロニアの宝物庫は扉が開け放たれたままでな。そこからまろびいずる10年一度の偶然を、私は必然と変え、純粋に力として使役しているだけのこと』
『まったわけわかんねぇことをッ!』

『なるほど……そういう事か』
『翔、分かるの!?』
 フィーネの言葉の意味を理解して頷いている翔を見て、純とクリスが驚く。
 神話を齧っている彼には、バビロニアの宝物庫もまた、よく知っている名称だ。
 シュメール文明発祥の地、ギルガメッシュ王が統治した黄金の都市として名高きバビロニア。その宝物庫には、ありとあらゆる財宝が納められているとされている。
『その宝物庫がまさか、ノイズのプラントだったとは……』

「──怖じろぉッ!」

 フィーネは呼び出したノイズらを、装者達へと突撃させると、ソロモンの杖を天高く掲げ、その光を空へと放つ。
 その光は街中に降り注ぎ……次の瞬間、街を埋め尽くす夥しい数のノイズが召喚された。
 大小問わず、これまで見てきたあらゆる個体が無人の街を埋め尽くし、その様はまるで、命を飲み込む一つの海のようであった。
「ハハッ!」
「街のあちこちにノイズがッ!」
 背中を合わせる五人。純は足元を見回し、ノイズの大群を見下ろしてはその数に驚く。
「おっしゃあ!どいつもこいつも、まとめてブチのめしてくれるッ!」
 そう言って、クリスが真っ先に飛び出して行った。
「ああ、クリスちゃんッ!……やれやれ、やっぱり昔と変わらず、お転婆なお姫様だ。翔、こっちは任せて!」
「おう。こっちには遠慮せず、思いっきり姫様守ってきな!」
 翔と拳を合わせると、純もまた、クリスを追って飛び立って行った。

「……翔くん、翼さん」
「ん?」
「どうした、響?」
 自分達も、と思った所で響に声をかけられ、振り向く姉弟。
「わたし、二人に──」
 暴走し、二人を傷付けてしまったことを覚えている響が、その事を詫びようとしているのが見て取れた。
 そんな響を見て、翼は静かに答えた。

「……どうでもいい事だ」
「え……?」
「翔は私の呼び掛けに答えてくれたし、立花は翔の言葉に自分から戻ってきてくれた。お前達は二人とも強いんだ。だから……自分の強さに、胸を張れッ!」
「翼さん……」
 翔は響の肩を軽く叩きながら微笑んだ。
「よかったな、響。晴れて半人前卒業だぞ」
「ふふ、まだまだ修行は足りんがな。──一緒に戦うぞ、翔、立花」
 その言葉は、以前に響が何度も言っていたものだった。
 響はそれに気付くと、満面の笑みで頷いた。
「……はいッ!」
「よし!行くぞッ!」
 三人はクリスと純が向かった方角とは逆の方へと飛び立ち、それぞれの得物をその手に握った。

「「「「「さあ、世界に光を──!」」」」」

〈我流・撃槍衝打〉

 2体の巨大ノイズへと突き刺さり、余波でその足元の群れまでも消し飛ばしたのは、響の放った純白の拳。

『うおぉぉらあぁぁッ!やっさいもっさいッ!』

〈MEGA DETH PARTY〉

 クリスのアームドギアは大きく姿を変え、巨大な弓状の戦闘機となって空を飛び回り、空中のノイズ達を一斉に爆撃して行く。
『凄いッ!乱れ撃ちッ!』
『ぜっ、全部狙い撃ってんだ!』
 不服げな表情で振り返るクリスに、響はクスッと笑う。
『だったらわたしが、乱れ打ちだぁぁぁぁッ!』
 響は低空飛行しながら拳を交互に突き出し、散弾のように細かな礫となって放たれる衝撃波で、ノイズらを次々と消滅させて行った。

〈Slugger×シールド〉

 三本の刃を有する円盾を、力強く投擲する純。
 投げられた盾は回転しながら真っ直ぐに進み、道路を埋め尽くすノイズを一掃してその手に戻ってきた。
『ストラーイクッ!』

〈流星射・五月雨の型〉

『お前それ本当に盾なんだよな!?』
 光の矢を雨のように乱射し、地上のノイズを片っ端から消滅させながら、翔は純のアームドギアを見てツッコミを入れる。
『どんな形にもなる盾だからね。ただの盾じゃ、戦いにくいだろう?』
『なら是非、勧めておきたい映画があるんだ。特殊金属製の盾と、己の肉体一つで悪と戦うヒーローの洋画があるんだ』
『あれ好きなんだけど、実は第一作しか観れてなくてさ。……よし!そうと決まれば、さっさと大掃除を終わらせようかッ!』
 盾を投擲し、時にはナックル状にして殴りつけ、時には右腕に装着して剣のように振るって真空刃を放つ。
 変幻自在の盾を手に、純は低空からノイズを迎え撃って行く。
 一方翔は、空中のノイズを相手にしているクリスに代わり、生弓矢のアームドギアで上空から地上を爆撃。
 目前に迫る要塞型ノイズには、エネルギーを右腕に集中し、全力の拳を握って殴りつけた。

〈劫炎拳〉

 殴った瞬間、拳から放出されたエネルギーが火柱となって、要塞型ノイズの堅牢な体躯を突き破った。

〈蒼ノ一閃〉

 空中を浮遊する2体の空中要塞型ノイズの遥か上空へと飛ぶと、翼は前回届かなかった一閃を振り下ろす。
 放たれた一閃は空を切り、空中要塞型ノイズ二体を纏めて両断し、地上の群れまでをも焼き尽くした。

「「「「「響け絆ッ!願いと共に──!」」」」」

 その後も五人による怒涛の連撃で、地上を埋めつくしていたノイズはどんどんその数を減らしていった。
 最後の一撃が放たれた時、街全てを覆う程の爆煙と共に、殆どのノイズが消滅した。

「どんだけ出ようが今更ノイズッ!」
「今の僕らの敵じゃないッ!」
「残るは……ッ!」
 地上のフィーネを見やるその瞬間、フィーネは自らの腹にソロモンの杖を突き立てた。
「「「「「ッ!?」」」」」
「あ……う……ッ!」
 苦悶の声を上げるフィーネ。杖は深々と突き刺さり、その背中までを貫通していた。
「何のつもりだッ!?」
「自決……いやッ!あれは……」
 次の瞬間、フィーネの傷口から触手のように生えてきた器官が、ソロモンの杖を取り込み始めた。
「あの時の俺と同じ……融合しているのかッ!?」
「ッ!見てッ、ノイズがッ!」
 ソロモンの杖との融合を始めた途端、形状を変化させたノイズがフィーネの身体に群がり始めた。

 フィーネの周囲だけではない。街中に残っていたノイズが全て集合し、溶けて集まっていく。
 残っていたノイズだけではない。ソロモンの杖によって新たに呼び出されたノイズもまた、フィーネの身体に集り、混ざりあってひとつになっていく。
 まるで、骨組みに粘土を幾重にもくっつけるかのように、フィーネの身体はどんどんノイズに覆われていった。
「ノイズに、取り込まれてる……?」
「そうじゃねぇッ!あいつがノイズを取り込んでんだッ!」
 やがて、ノイズの塊は柱のように天へと伸びる。
「……来たれ」
 溶けたノイズに埋もれながら、フィーネは高らかにそれを呼んだ。

「デュランダルッ!」

 崩壊したカ・ディンギルの砲門の中へと流れ込んだノイズの塊は、その中心部にするデュランダルをも取り込むと、ハッキリとした形を得て、その姿を現出させた。
 生まれたのは巨大な赤黒い身体を持つ蛇。その頭部には、ステンドグラスのような模様があり、まるで聖堂のようにも見えた。
 蛇は鎌首をもたげると、装者達……ではなく街の方を向いて、そのエネルギーを解き放った。
 次の瞬間、その一撃に見舞われた街は、一瞬で焦土と化していた。
「街がッ!?」
「なんて威力だ……」

『逆さ鱗に触れたのだ……相応の覚悟は出来ておろうな?』
 振り返った五人の視界に現れたのは、聖堂のようになった蛇の頭部に、鎮座するかのように同化したフィーネの姿。
 その胸にはソロモンの杖の意匠があり、その右手にはデュランダルを携えている。
 黄金の剣、白銀の杖、青銅の蛇の鎧。まさに、永遠を生きる巫女が持つに相応しい、三位一体で揃った完全聖遺物が、ここに『黙示録の赤き竜』を降臨させた。 
 

 
後書き
盾とは投げるもの(MCUはキャップ推し並感)

エクスドライブになれば光線のひとつでも撃てるように……と思っていたそこのあなた!
純くんはモチーフ的に光線が大技化しそうなのでともかく、翔くんのは技名で分かっちゃいますよね(笑)

しかし、ネフシュタンが出エジプト記に語られる青銅の蛇だって知ってる人、どのくらいいるんだろう。
聞き慣れなくて調べた人多いんだろうなぁ……。
作者は無印観終わった後、気になって調べたら青銅の蛇の名前だと知って驚きました。意外にありますよね、知ってる話だけど媒体によっては名前出ないから、神話そのものは知ってても、出てくるアイテムとかの正式名称を実は知らなかったパターン。

次回、装者五人vs黙示録の赤き竜!
預言に語られし滅びの獣を、果たして五人はどう倒すのか!?
次回もお楽しみに! 
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