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魔法少⼥リリカルなのは UnlimitedStrikers

作者:kyonsi
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Duel:27 久しぶりに会いたくなる

――side奏―― 

「駆け引き仕掛けて思ったのが、奏は瞬間的な選択が上手いよね」

「い、いやぁ……そんな事ないですよー」

 小さいなのはさん……もとい、なのはとお風呂を終えたと思えば美由希さんを含めた女子会が始まりました。
 そんな中で美由希さんがそんな事を言うもんだから、冷や汗しか出てきません。
 私的には、攻撃が通り抜けてすり抜けてきたことが怖かったんだけどなぁ。
 
 知ってたから対応出来てたけれど、得物の差もあっただろう。でも、あのゼロレンジ(接近戦)での戦いは良い経験だった。
 ……間違いなく刀だったら切り裂かれてたんだろうなぁ……一撃が痛いというか、内に響くもんだから痛かったなぁ。
 今後のために聞いておこう。ああいう手合と戦うことあるだろうし、
 
「そーいえば。決め手になったあの突きって、どのあたりから撃てるんですか?」 

「え? 中距離から踏み込んで撃ち抜く」 

 わぁお。
 
「ちなみに、鋭さだけならなのはが一番」

「……え?」

「お姉ちゃん達に比べたら全然です。それしか出来ませんけど」

「え?」

 とんでもない発言が飛び出したと思えば、こっちは突然の堅苦しいですます口調になってるし。
 
 ……チョット待って。
 
「……ということはかなり手加減されてましたね」 

 改めて思う。私が美由希さんと勝負の体を成してたのは、高町家の剣術が緋凰家で習ってたのに似てるからだ。
 ……そう言えば、改めて思うと似てるよなーって。
 
「そんなことないよー、全然本気で戦ってたし」

「投擲武器、暗器武具無しだったのに?」

「ほぉ?」

 キラリとメガネの縁が光って怖いです美由希さん。なのはも不思議そうにしてるけど、これは知らなかったのかな?
 
「ま、それでも出来得る限りの本気は出したよ。ココまで出来たのはシグナムさんと、昔馴染みの面子だけだし」

「そう言えばお姉ちゃん、晶ちゃんとレンちゃんと最近してないね?」

「晶は受験真っ只中だし、レンはほら中華料理店のお手伝いで忙しいし。落ち着いたら一緒にブレイブデュエルに参加しようかなって考えてるよ」

 し、知らない名前が出てきてるけど、最近してないねという言葉から察するに、その二人も普通に良い勝負、好敵手と捉えられてるよね。
 この世界に限らず、元の世界でも同じようだとしたら……なかなかの魔境だよね海鳴って。
 地元も故人含めりゃなかなかだと思ってけど、世界は広いんだなぁ。
 
 ……山隔てて隣なんだよなぁ海鳴と桜庭って。
 
 この世界のなのはが出来るってことは、元の世界のなのはさんも出来る……? いや、出来るわ。だからACSドライバーとかいう凄まじいの開発してたんだ!
 やばい、納得できた。レイジングハートさんもストライクフレーム展開できるのって、極限追い込まれた時用に、撃てるようにしてるからか。
 点と点がつながるってこういうことなんだろうなぁ……今度模擬戦する時、気をつけよう。
 
 それにしても……マジかぁ、なんか前に言ってたのに、運動はからっきしってなぁ。
 
 対高町教導官用戦術見直そう……。
 
 意識を美由希さんとなのはに向ければ、ちょうど私に話を振った直後で、

「個人的には、奏が私と……あー、御神の動きを知ってるようなそうでもないようなって動きをしているのが気になったかなぁ」

 ……やっぱり突っ込まれた。
 一瞬考えて、ある程度伏せればいいと答えを出してから。
 
「響のお母さんから教わってたんです。と言ってもそこまで本格的なものじゃなかったけれど」 

「へぇー。それはびっくりなのと……そっかぁ」

 おや? なんか頬杖つきながら嬉しそうに笑ってらっしゃる。なのはもよく分かってないらしく首を傾げて、私の方に視線向けてくるけど。あいにく私もわからないので、首を傾げてしまう。
 
「あ、ごめんね急に。この気持はきっと私だけじゃないんだ。お父さんも恭ちゃんもきっと喜ぶ。御神の流れを持つ人が他にも居るんだってことが」

 ……おっとぉ? 割とまずい話題に足突っ込んだかな?

 かくなる上は。
 
「あ、あくまで私は手合わせがメインだったので。ちゃんと教わってるのは響ですよ?」

 その瞬間、美由希さんとなのはの目がキラリと輝いたのが見えたけれど、時既に遅し。

 やってしまったなぁと。

 ―――― 

 あまりわからないという事、後継者というかもっとぶっこんだのは響ですよと、全力で面倒事はあちらに投げ込んだ。次会ったときにでも謝っておこう。そして、次のくじ引きで響が高町家を引かないことを祈ろう。
 
「なのは。次、響を絶対うちに連れてきてね?」

「うん!」

 やばいやばいフラグが……フラグが!

「あ、そうだ。未来でも……あ、平行世界? でも奏さんはチームを組んでるんですよね?」

「う、うん! 基本的に……」

 そこまで言ってちょっと考えて、親友一同を思い起こして……よし。
 
「私が中前衛で、名前は……一応伏せておこうかな。こっちじゃまだ小さいかもしれないからね。狙撃手兼指揮者の子が一人、撹乱闇討ち担当の機動力の子が一人、前衛担当の正面戦闘担当が一人で、自由人が一人の計五人かな」

 あ、ミスった。普通に震離も入れちゃったし。でもまぁ嘘は言ってないし。
 狙撃と指揮は時雨が、撹乱が紗雪、前衛がアーチェだし間違ってないし。
 
「わ、バランスがいい。やっぱりバランスよくなっちゃうんだねぇ」  

「そうだねぇ。と言ってもポジションがバランス配置されてるだけで、ココのスキルは尖ってるけどね」

 将来のなのはに、高町教導官を思い出せば、なのはも大概だけどねー。
 まさか平行世界に飛ばされて、更になのはさんが凄まじい人だと自覚する時が来るとは思わなかったよ。
 近距離対応も普通にできて、中距離ではアクセルシューターを用いた射撃戦、遠距離ではディバインバスターを初めとした多種多様な砲撃戦に加えて、殲滅戦も可能な自走出来る砲台だし。
 そして今回で分かったのが、剣術ベースの突撃も出来るというのが分かって……。
 
 アレ? 隙無いじゃありませんの?

 しかも、高町なのはと言われれば、代名詞とも言える収束魔法スターライトブレイカーを作った人なわけで、下手に魔力をばら撒けば持っていかれてズドンとされる。
 
 うん。やっぱ、詰んでませんこと?
 
「奏さん?」

「へ? あ、あぁ。ごめんごめん。こっちの未来のなのはさんを思い出してて」

「あぁ。確か大きいフェイトちゃんと組んで強いんだっけ?」

 そりゃもう、はやてさん含めてトライアングルと呼ばれる程度に。といいたいけど言えないわぁ。

「えぇ。T&H、八神堂を合わせたチームで」 
 
「「おぉ、なるほど」」
 
 ……みんなで口裏合わせてたのがココに来て生きるとは。
 
「奏たちもやっぱりそれなりの所に居て、未来のなのは達と戦うんでしょ?」

「いや全く。そもそも私達となのはさん達とでは勝負ならなくて、勝つのが難しいんです」

 あっはっはと笑ってみせるけど、現時点で……震離を抜いた場合を考えるとどうなるかな?
 まだ届かないだろう。そして、近い将来には私を追い抜く子も居る。
 私には出来ないスフィアを用いた弾幕に、幻術や狙撃も出来る。何より人を纏めることも出来るしね。
 
「だけど、こっちのなのはも、未来のなのはさんも総じて言えるのが。やっぱ空飛ぶのが楽しそうで、いいなぁって。それは本当に羨ましい」

 今度、元の世界に戻ったらなのはさんに話を、もっと沢山聞いてみようかな。
 色々お土産話も出来てるし。
 
 あぁ……皆に会いたいなぁ。
 
 元の世界の事を思うと、未だに胃が痛くなる。
 震離を疑う人たち。いや、責任を押し付けようとしてるカスが多いんだ。
 正直私も……きっと響でさえも震離の繋がりを完全に把握してるわけじゃない。でも、震離が外に情報を漏らしたとは思えない。
 
 なんとか火消しに回ってるけれど、正直順調とは言えない。時雨達も動いてくれてるけれど、今は自分の仕事に集中してほしいということを伝えてたっけ。
 時雨はシグナムさんのフォロー、紗雪は持てる技術を用いての六課の事務援護。アーチェは動けないながらも、教会側からなんとか出来ないかって掛け合ってるらしいし。
 
 ……不思議なことに、流という特殊鎮圧部隊所属者というツッコミどころの多い人には全く話が振られてないのが不思議というか、目をつけられたくないからなのか分からないけれど。正直助かったというのが大きい。
 震離だけでいっぱいいっぱいだし、流にも疑いを掛けられてたらフォローしきれなくて詰んでたし。
 
 ……やっべ。ちょっと寂しくなってきた。
 
 響は……まぁ、先輩とはなという安定剤があるし、他の皆もなんだかんだで知り合いがいるけれど。私からしたら殆ど知らない人ばかりだしなぁ。
 
 だけど、仕方ないことだし。震離達という知り合いが居るんだし、これ以上望むのは多分間違いだろう。
 
 それに。
 
「未来に備えて、今のなのはと逢えたのは嬉しいことだし」

 今からでももっと強くなるためのヒントを掴むことは出来るだろうし。
 
  
 

 
後書き
 相変わらず短い投稿ですが楽しんでいただけたのなら幸いです。

 長いだけの文かもしれませんが、楽しんで頂けたのなら幸いです。ここまでお付き合いいただき、感謝いたします。
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