| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ユア・ブラッド・マイン 〜phantom vocal〜

作者:ケンケン4
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

1話~ファーストコンタクト

 
前書き
とりあえず1話。
シャドバから逃げるためにどんどん投稿していきますのでよろしくお願いします。 

 
「俺の執事?」
「ええ、と言っても覚えていらっしゃらないと思いますが。」

そう言って鬼藤は笑いながら一礼してから「失礼します。」と言うと静かにカウンター席に座った。俺は未だに警戒しながら柊の方をみる。

「柊。大丈夫か?」
「う、うん……。」

そう言いながらも柊は未だに震えていた。柊に向かって俺は珍しく優しく語りかけた。

「……とりあえず割ったの片付けて、一旦奥に下がれ。」
「幻……?」
「とりあえずお客様は俺が目的みたいだからな。」
「……う、うん。」

そうすると柊はサッと箒とちりとりを持って、静かに割れたコップを片付けると店の奥に向かっていった。奥に向かう途中、柊は俺に向かって。

「……気をつけてね、幻。」

それだけ言うと心配そうに奥にはいっていく。それを見てから鬼藤ははあ、とため息をついて。

「まったく、酷い嫌われ様です。まあ、仕方ないですがね。」
「……。何者だ?」
「何者……ですか。貴方の執事をしていた者。としか答えられませんね。」
「その執事が俺に何の用だ?」
「幻様もやはり警戒なさるのですね。
……まあ、仕方ありませんか。」

そう言って鬼藤はやれやれとポーズを取るとニヤリと笑って俺に向かって内緒話をするかのように語りかけた。

「もう一度、夢幻派を復活させようと考えております。そのために幻様には長になってもらおうかと。」
「は?」

俺はその言葉に警戒をさらに強めた。どういうことだ?確か抗争は終わって……。
そして思った。

その後、どうなった?

そう思ったところで鬼藤はニヤリと笑って。

「はい。確かに防衛派と夢幻派は戦いました。まあ、その理由は……いろいろありますがここでは割愛しましょう。そして夢幻派が勝ち、まあ夢幻派が公約通りに事を進めようとしたところで……悲しいことに幻様のお父様。幻一郎様がお亡くなりになりました。それで未だに渋谷は統制がとれない無法地帯になっております。
それを止めるためにこうして私が参上した訳です。」
「なるほどな。」

そうか、父親が亡くなったのか。いきなり言われても実感が湧かなかった。如何せんこちらは絶賛記憶喪失中で過去の事など柊……美羽との思い出くらいしかない。そんな事をぼんやりと考えていると鬼藤は話を続けた。

「もちろん今すぐに長になれ。……という訳ではございません。今の生活もございますし、記憶喪失……ここが問題ですがこの問題を解決させないと行けません。」
「……!俺の記憶を戻す方法があるのか?」

それを聞くと鬼藤ははい。と一言言ってから。

「まあ、1番手っ取り早いのは私から今までの事を話すことです。如何せん貴方の執事をしていましたから。それでもピンとこない場合はとある場所に行きましょう。それで全て分かるはずです。」
「とある場所……?」
「ええ。」

そう言って鬼藤はカウンター席から立ち上がると俺を見つめる。

「簡単に言いますと、なぜ貴方が記憶を無くさなければならなかったのか。それが分かる場所です。そこに行けばおそらく記憶は戻るとおもいますよ。」
「今、行くのはだめなのか……?」
「今ですか……おそらく今ではピンと来ないとおもいますよ。ある程度記憶が回復したら一気に元に戻ると思いますので。」

そう言って鬼藤は俺に背を向けて。

「今日はファーストコンタクト。これくらいで失礼します。美羽様にもよろしくお伝えください。
……では。」

そう言って丁寧に一礼すると店の外に出ていった。






























































「幹也。」

店の外に出ると鬼藤はそう呼ばれて振り返った。そうして灰色がかった銀髪でセミロングの少女にニコリと笑いかけた。

「美樹さん。申し訳ありません。待たせてしまったようですね。」
「別にいいけど。それにしても、また楽しそうね。幹也。」
「ええ。やはり幻様の記憶は戻っていますが完全では無いみたいですね。……それの方が動きやすいので。」

それを聞いて美樹と呼ばれた少女はふーんと不機嫌そうに。

「でもそれって、幹也の『面倒な事』に入るんじゃないの?」
「いえ、むしろ楽しくなってきてます。再び始まるこの混乱に踊れるというのはとても楽しみになってきているので。」
「……はあ。まあ、いいわ。」

そう言ってその少女はくるっとターンすると、鬼藤に向かって。

「なら、私も踊れる夜想曲かしら。」
「ええ。きっと満足できる曲ですよ。」

2人は狂気的に笑うと街の喧騒の中へと消えていった。
 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧