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星河の覇皇

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第七十二部第四章 気付きだした者達その十五

「かなり」
「そうですね」
「重要な技術が」
「そしてエウロパの復興を助け」
「発展につなげている」
「このことがです」
 どうにもというのだ。
「厄介です」
「一体どうしたものか」
 対策の話になった。
「考えていくべきですね」
「マウリアに技術を渡すのはいいとして」
「それがエウロパに流れるとなると」
「敵に塩を送るつもりはないので」
「そこが問題ですね」
「ブラックボックスにしますか」
 グリーニスキーがここで提案した。
「そうしますか」
「ブラックボックスですか」
「はい」
 グリーニスキーは伊東にも答えた。
「今以上に」
「それがいいでしょうね」
 伊東はグリーニスキーのその提案に同意して述べた。
「やはり」
「はい、技術を渡すことはです」
「条約としてですね」
「ありますので」
 連合とマウリアの友好条約の中にだ、連合を代表する政府が結んだ条約なので各国政府にも強制力が存在しているのだ。
「ですから」
「そうですね、我が国の技術もです」
「ブラックボックスの部分を増やし」
「エウロパに流れない様にする」
「そうすべきですね」
「はい、しかし」
 ここで伊東はさらに話した。
「マウリアはともかくとしまして」
「問題はエウロパですね」
「彼等も必死です」
「何とか技術を手に入れたい」
「復興、そして発展の為に」
 国家のそれの為にというのだ。
「ですから」
「そのブラックボックスの部分もですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「開けます」
「それも絶対に」
「そうしてきますので」
 このことは予想出来る、もっと言えば確実にそうしてくるからというのだ。例えブラックボックスとしていてもだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「ブラックボックスといっても」
「普通のものではなく」
「容易に開けられない様な」
「そういうものにすべきですね」
「必要なら中身を消去出来る」
 こう言ったのは王だった。
「そうしたものにすべきですね」
「そうですね、王大統領の言う通りです」
 李は王のその提案に同意した。
「敵に技術を渡してはなりません」
「はい、ですから」
「それこそブラックボックスに触れれば」
「即座にデータが消去される様な」
「そうしたものにすべきですね」
「既にエウロパにかなりの技術が渡っているでしょう」
 マックリーフも言う。
「ですから」
「はい、それ故にです」
 王はマックリーフにも話した。 
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