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ヘタリア大帝国

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TURN21 富嶽その十

 それでだ。こう言うのだった。
「今の海軍ではとても相手にならない」
「どういった艦なら戦えるでしょうか」
「今開発中の第三世代でも無理だ」
 現時点での日本帝国の最新鋭になるものであってもだというのだ。
「とてもな」
「ではどうすれば」
「もっと世代を進めるべきだな」
 兵器のだ。それをだというのだ。
「あの強さに対することができるまでの兵器を開発してだ」
「そのうえで」
「そうだ。倒す」
 東郷は簡潔に述べた。
「それでどうだろうか」
「ううむ、一体どれだけの世代になるのか」
「第六世代になるか」
 東郷はこう日本に言う。
「そこまでになるかも知れない」
「第六世代。想像がつきませんね」
「しかし開発していけばやがてそこまでなる」
「では、ですか」
「ああ。今は退けるしかない」
 今の時点ではだ。だがそれでもだというのだ。
「しかしやがてはだ」
「富嶽を倒せるだけの力を備えるのですね」
「そうしないと本当に同じことの繰り返しだからな」
「そして他の災害にも対処できませんね」
 こちらの話も出された。
「今の兵器では」
「そうだ。そうした面からも兵器の開発を進めたい」
「問題は予算ですね」
 日本は現実的な面からも考えていた。
「開発費も大変です」
「開発費の合理化も進めていくがな」
 東郷も今は真剣な顔であった。
「だが。合理化は少しずつしか進まない」
「開発費も建造費も」
「そうだ。本当に少しずつだ」
「ですがそれでもです」
 秋山もだ。東郷に言ってきた。当然日本にも。
「それを進めていかないとです」
「開発費も建造費も高いままだな」
「ですから少しずつでもです」
 合理化を進めていかなければならないというのだ。
「これは平賀博士と共に進めていきましょう」
「そうするか。戦争は激しいものになるだろうからな」
 兵器は少しでも多く必要だ。それならば予算に負担がかからないに越したことはなかった。とにかく今の日本帝国は兵器でも課題が山積みだった。
 そのことについてだ。東郷はさらに話す。
「少しでも合理化を進めていこう」
「そしてやがてはですね」
「大怪獣を倒せる兵器を」
「開発していく。後は戦術だな」
 ただ、だ。強力な兵器の開発だけでいいというのではなかった。
「あの怪物を倒そうと思うとまともに戦っても勝てない」
「どれだけ強力な兵器でも」
「それはですね」
「そうだ。潜水艦や空母、それにバリア艦もだな」 
 バリア艦についてもだ。東郷は注目していた。
「あれは戦闘能力はないが使い方がある」
「ビームを防ぎますからね」
 秋山もそのビーム艦について話す。
「だからこそですね」
「そうだ。あの艦も配備していこう」
「了解しました。ただあの艦は敵も配備しています」
 秋山はこのことも指摘した。
「エイリスが特にそうですが」
「エイリスだな。あの国は守りが固いからな」
「はい、ですから対策も考えないとならないかと」
「そうだな。バリアにはどうするかだな」
「私の方でも戦術を考えておきます」
 秋山は落ち着き冷静な顔で述べた。
「それでは。それも」
「頼むな。俺の方でも考えておく」
 こう話しているとだ。ここでだ。
 エルミーがそっと右手を挙げてだ。それから言ってきたのだった。 
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