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独裁者になってみた

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第四章

 楽しくゲームをしていった、その数日後。
 修治は徹にこう言った。
「国が二倍にも三倍にもな」
「よくなってるか」
「ああ、ゲームはじめた時と比べてな」 
 自分が独裁者をしている国がというのだ。
「そうなってな」
「それでか」
「もう絶好調だぜ」
「そんなによくなっているか」
「軍隊もな」 
 そちらもというのだ。
「近代装備をどんどん導入して訓練させて」
「強くなっているか」
「予算も自分が決めてるからな」 
 国家予算もというのだ。
「軍事費にかなり入れて」
「軍隊を強くしているか」
「勿論他のところにも向けてな」
 国家予算をというのだ。
「そしてな」
「軍隊にもか」
「そうしているからな」
「戦争はするか」
 ヒトラーやスターリンの様にとだ、徹は問うた。
「そちらは」
「そこまではまだ考えていないけれどな」
「それでもか」
「ああ、しかしな」
 それでもというのだった。
「ちゃんとな」
「やってるか」
「軍隊のこともな」
「本当に楽しんでいるな」
「お陰で国がどんどん強くなってるぜ」
 修治は笑顔で言った。
「ゲームの地域の大国になったよ、領土も増えていってるし」
「戦争していなくてもか」
「他の国とか外交で併合していっているんだよ」
「そこはヒトラーだな」
 オーストリアやチェコを併合した様にというのだ。
「けれど戦争はか」
「してないぜ、けれどそのうちするかもな」
「そうなってもゲームだからな」
「許されるしな、独裁者になって悪いことはないぜ」
 修治はゲームの中とはいえ独裁者になって満喫していた、彼はこの時万能感に包まれていた。そのうえでゲームをしていったが。
 一週間後彼は学校で徹に浮かない顔でこう言った。
「戦争して地域を統一したよ」
「勝ったか」
「有能な人材入れて各国を各個撃破してな」
「やるな、ゲーム上手いみたいだな」
「ああ、けれどな」
「それでもか」
「一国の領土ならよかったけれどな」
 それがとだ、修治は浮かない顔で話した。
「一つの地域を治めてるとな」
「独裁者としてか」
「国民は何億でな」
 それでというのだ。
「広い地域で軍隊も何百万で問題もな」
「地域全体のか」
「多くてな、もうな」 
 それこそという口調で言うのだった。
「やることが異常に多くて」
「大変か」
「もう国の全部をやるんだぞ」
 広大な地域を治めるそれのというのだ。 
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